Waka
国際教養学部
ICC学生スタッフリーダー
2019年6月~2024年1月在籍
私にとってのICC
私とICCとの出会いは、遡ること約5年前の2019年春。大学の入学式の帰りに、ふと目に留まったICCラウンジに足を踏み入れたのがはじまりでした。
そこで当時の学生スタッフに、ICCについて丁寧に紹介してもらい、元々国際交流に強い興味があった私は、「にほんごぺらぺらクラブ」「カントリーフェスタ」等様々なイベントに参加するようになりました。そのうち、留学生を含む沢山の人と出会い、自然と友達が増えてい、いつの間にか私は週に数回はICCラウンジに入り浸っている「常連さん」になっていました。
そして、ICCが私に「居場所」を提供し、様々な人や文化との出会いの機会をくれたことへの感謝の気持ちから、今度は自分が「与える」側になりたい、と思うようになりました。ICCのスタッフになれば今まで自分が出会ったことのない人や組織、文化に関われるのではないか、という期待もあり、SSL (Student Staff Leader)への応募を決意しました。
こうして晴れて2019年6月からSSLとして働き始めて、気が付けばあっという間に5年の月日が経っていました。その間、私はいつもICCにたくさん助けられ、支えられてきました。ICCは私にとって、居場所であり、私を成長させてくれた大切な家族のような存在です。
ICCと共に歩んだ道のり
悩んで成長した1年目
憧れのICCで働けることに喜びを感じる一方で、私はそれまでイベント企画の経験も、オフィスワークの経験も全くなかったため、何もかもが初めてのことだらけで圧倒されていました。周りには、とても優秀で、優しく時に厳しい先輩スタッフが沢山いて、いつも羨望の眼差しを向けていました。最初の頃は時に、勤務中かなりガチガチに緊張していたと思います(笑)
SSLとしての仕事は本当に刺激的でワクワクすることばかりでした。同僚・先輩・職員の方々をはじめ、イベントに協力してくださる企業や機関・参加者など、多くの人と出会う機会があり、「こんな方と一緒に仕事できるんだ!」と自分の世界が広がったような気がして嬉しく思っていました。
- Photo by ICC
特に印象に残っているのは、私のSSLとしての初イベント、「ミャンマー文化 ~アジア最後の秘境~ナイト」です。
高校生の時に少しミャンマーの文化(食・民族衣装・社会情勢等)を学んだ経験から、より多くの人にミャンマーについて知ってほしいという想いで企画したイベントでしたが、ミャンマー大使館に出向いてイベント協力について交渉したり、ミャンマーの伝統舞踊家の方と打ち合わせをしたりと、とても貴重な経験をさせていただきました。
イベントは、学生・教職員・一般の方も含む100名以上の方がお越しくださり、大盛況でした。とても嬉しかったのですが、イベント終了後は、それ以上に周りの方に対する感謝の気持ち、そしてなにより「申し訳なさ」が上回っていました。
というのも、イベント開催までの期間、私は慣れない事ばかりで、仕事を覚えるだけで精一杯で、準備が遅れそうになってしまい、本来自分ですべきタスクを、忙しい先輩スタッフや職員の方にお願いしてしまうことが多くありました。職場の皆さんは、「大丈夫だよ」「反省は次に生かそうね」と私を責めずにサポートして下さりましたが、
私は「果たして自分はICCの役に立てているのだろうか」、「SSLとして成長できているだろうか」という不安を感じていました。とにかく「失敗しないようにやらなきゃ」「迷惑をかけてはいけない」と自分を責めてしまうこともありました。
そんな中、私の気持ちを大きく変える出来事がありました。
1年生の最後にスタッフとして参加した「ノーボーダー・スキー&スノーボード・キャンプ」です。イベント中は、参加者との交流を楽しみつつも、優秀な先輩方がテキパキと仕事をこなす中、自分は今回もあまり役に立てなかったなぁと少し落ち込んでいました。しかし、イベント終了後、バスを降りて帰っていく参加者を見送っていた時、数名の参加者が、「あなたの英語司会、明るくてすごく元気になったよ」「このイベントのおかげで最高の学生生活の締めになったよ、本当にありがとう」と声をかけてくれました。
その時、私はこの瞬間のために頑張ってきたんだな、と心が温かくなったのを覚えています。
それをきっかけに、私は「参加者に喜んでもらう」「イベントで有意義な時間を過ごしてもらう」という目標をより大切にするようになり、仕事に対するモチベーションも上がり、ICCでの日々の業務がさらに楽しくなりました。
コロナ禍に見舞われた2年目・3年目
ICCで働き始めてから一年が経ち、私はやっと少しずつ、イベント業務・オフィス業務において主体的に考えて行動できるようになったような感覚を掴み始めていました。
そんな中、コロナがやってきました。
結果的に、私のICCでの2つ目、3つ目、4つ目のイベントは、すべてオンライン開催となりました。慣れないオンラインイベントの開催は、会場のセッティングも、広報の仕方も、事前の確認事項も対面イベントと大きく異なり、苦労することも多かったです。
しかし、コロナ禍でICCのイベントを開催できたのは、とても意義のある事だったと思っています。
皆がやりたいことを我慢して家で自粛しなければならず、楽しいキャンパスライフを思い描いていた大学生も、授業をオンラインで受けることになってしまい、人によっては辛く孤独な毎日を過ごしている中で、少しでも、新しい人や価値観を出会い、「人との繋がり」を実感しながら交流できる機会を、ICCは提供できると思うからです。
正直なところ、「本当は対面で開催したかったなぁ」と思うこともありましたが、
イベントに協力してくださるゲストの方々は皆、「オンラインでも参加者が交流しやすくするにはどうすればよいか」「できるだけ多くの質問に答えたい」と、参加者の気持ちを第一に、企画者である私の想いも汲み取りながら、一緒により良いイベントの形を考えてくださりました。ゲストの皆様には本当に感謝しています。
私が企画させていただいた3つのオンラインイベントについて、企画者レポートがあるので、是非ご興味があれば読んでくださると嬉しいです。
2020年7月開催 抽象画を描いて楽しく交流しよう Art×English Chat Workshop Online
2021年1月開催 出会いこそ、生きる力~女優・サヘル・ローズ氏が語る異文化理解とは~
2021年7月開催 グローバル社会での語学力と異文化コミュニケーション~外交官としての歩みと挑戦~
コロナ禍のイベントを企画する中で、いつもモチベーションになっていたのは、やはりイベント参加者からの温かいメッセージでした。
「このイベントで、勇気をもらえました」「心が軽くなりました」など言っていただけた時は、毎回嬉しくて胸がいっぱいになりました。それまではあまり意識していませんでしたが、「理想のSSLの姿」を設定するなら、自分は、「人と異文化の懸け橋」となれるような、そして誰かに寄り添えるようなスタッフでいたいな、と感じました。
- Images by ICC
ICCでの最後の個人企画イベント「グローバル社会での語学力と異文化コミュニケーション 外交官としての歩みと挑戦」を無事に終えたところで、私はイギリスへ一年間留学へ行きました。
留学中はICCは休職していましたが、私が楽しいときも、辛いときも、いつでも気にかけてメッセージをくれていたのは、ICCの仲間でした。たまにZOOMで話して近況を聞くのが楽しみでした。自分でもICCの公式SNSは常にチェックしていましたし、絶対に成長してから、ここに戻るんだ、と留学中のモチベーションにもなっていました。
ICC4年目、大学5年目
4年生の終わりごろから、就職活動が忙しくなって、常にそのことばかり考えてしまうようになり、そのとき心の拠り所となってくれたのも、ICCでした。ICCの仕事をしているときは大抵、穏やかな気持ちになれましたし、就職活動が前進していないのではないかと感じる時も、ICCで少しでも成果を上げられたときは、自信に繋がりました。同僚たちも、「わか/わかさんならきっと大丈夫!」と励ましてくれて、その言葉が本当に心の支えとなっていました。
シフト時間を短縮して働かせてくださったりと、ICCのサポートのお陰もあり、無事に就職活動を終えたのが8月中旬。そこから新たに個人イベントを準備することも不可能ではありませんでしたが、イベント企画はこれまで沢山経験させていただいたので、今度はICCで働く同僚・後輩たちをサポートに力を注ぎたいと思いました。
そこからICC卒業までは、他のスタッフのイベントのサポートや、English Chat ClubなどのICCの定番イベント運営に参加しつつ、ICCの学生スタッフの研修制度をより充実させるための活動をさせていただきました。その活動の中で、私は組織を「俯瞰して見る」ことの大切さを学びました。「ICCをより働きやすく、成長できる場所にするには?」「ICCは今後早大生にとってどんな存在になってほしいか?」といったことを考えるのは、大好きなICCの未来に繋がるかもしれないと思うと、とてもワクワクしました。
ICCに入りたての1年生の頃は、自分がICCの組織改革に携われるとは思ってもみなかったので、ほんの少しだけ自分の成長を誇らしく感じます(笑)
最後に

ICC photo
正直、1年生の頃は、ICCが私にとってこんなにも大切なコミュニティになるとは想像していませんでした。ICCは、沢山の人との出会いでなく、自分自身と向き合い、苦手な事にも挑戦し、視野を広げ、様々な価値観に触れる機会を与えてくれました。SSLとしての経験は、将来の進路に迷ったときにも、私を強く後押ししてくれました。
大学生活の多くの時間をICCに捧げたことに、1ミリの後悔もありません!ICCに入ることを決意した当時の自分、ありがとう!ICCを通じて出会ってくださったみなさん、私を成長させてくださって、支えてくださって、友達になってくれて、一緒に青春を謳歌してくれて、本当にありがとうございます!この先もずっと、私は「ICC」を思い出すとき、大学1年から卒業までに出会い、お世話になった何百人もの方々のことを思い浮かべるでしょう。がむしゃらにイベント準備をしていた時も、どうしようもなく悩んだ時も、同僚と笑い合った時も 、ICCでの経験のすべては私にとってかけがえのない財産です。一生忘れません。これからもずっと、ICCが大好きです。ICCに関わって下さったすべての方に、心から感謝申し上げます。

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