Waseda University Intercultural Communication Center (ICC)早稲田大学 ICC(異文化交流センター)

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企画者レポート:抽象画を描いて楽しく交流しよう Art×English Chat Workshop Online

W.K.(学生スタッフリーダー)

こんにちは、この度Art ×English Chat Workshop Online〜抽象画を描いて楽しく交流しよう〜を企画したW.K.です。元々は自粛前の普段のICCイベントのように対面で行う予定のイベントだったのですが、結果的に記念すべきICC初のオンラインイベントとして開催されました! 今回は、本企画の背景や裏側をご紹介したいと思います。

イベントについて・企画動機

このイベントArt ×English Chat Workshop Onlineは、その名の通り、参加者にアートと英会話を同時に楽しんでいただくためのイベントです。また、多くの人にとってあまり馴染みがないであろう「抽象画」について知ってもらい、実際に体験してもらうことも大きな目的の1つでした。
Zoomを使って計2回にわたって開催されたこのイベントでは、1回につき約15名の参加者を募り、講師のビートリクス・ファイフ先生のご指導のもと、“Air”というテーマで参加者ひとりひとりが抽象画を描きました。それぞれの絵について参加者同士で感想を言い合えるのも少人数制で行うことのメリットだったかと思います。

この企画は、実は私とビートリクス先生との出会いがきっかけでした。私は、2019年春学期にビートリックス・ファイフ先生のフランス語の授業を履修していて、学期末に先生のご紹介で先生が講師を務められている学外の抽象画のワークショップに初めて参加しました。初めは、私自身「抽象画」というものに全く馴染みがなく、「描いたことはおろか鑑賞しとこともほとんどなかったので、ワークショップを楽しめるか少し不安でした。
しかし、実際に参加してみると、それは杞憂に過ぎなかったと分かりました。そのワークショップでは、「絵を上手に描けるか」などの技術的なことよりも、絵を描いた人それぞれの視点の違いを見つけること、そしてそれらの異なる視点からお互いに学び合うことを大切にしていたからです。例えば、「山」「手」など同じモチーフで絵を描いていても、人によって捉え方やモチーフの抽出部分が異なることで全く別物の絵が完成します。私はそのことに非常に驚きと興味深さを感じました。
また、何よりも、ワークショップには様々な年齢、国籍、バッックグラウンドを持つ方々が参加しており、それでいて終始とても和やかでリラックスした雰囲気が漂っていたのが印象的で、とても居心地がよく、気がつけば何度も通うようになっていました。

そしてある時、「このような空間をICCのイベントとして実現できないだろうか」と考えるようになりました。過去のICCのイベントの経験から、何か作品を製作し、互いの作品についての感想をシェアできる環境を作ることで、参加者同士のコミュニケーションを促進できると思ったからです。さらに、私のように、抽象画を「難解そう」とか「自分に描けるはずない」と思っていた人にもイベント参加を通して抽象画の面白さを発見して楽しんでもらいたい、芸術を通じて異文化交流を楽しむ機会を提供したいと思い、このイベントを企画いたしました。

当初、私の企画段階では、フランス出身の芸術家や彼らの画法に焦点を当て、主にフランス文化を学ぶという意味での「異文化交流」を想定していました。しかし、ある日の先生のワークショップの帰り道、先生とイベントの企画についてお話ししていた時に、先生が「アートはborderlessだから、色々な文化を持つ人が交流できるツールよね」と先がおっしゃった時、「そうだ、特定の国や文化に限定せず、イベントの参加者の様々なバックグラウンドや価値観が自然に反映された作品を比べることで、異文化交流に繋がるのではないか」と気づきました。こうして、イベントのコンセプトを固めていくことができました。

イベントのオンライン化にあたって

イベントのポスターも完成し、順調に準備が進んでいるなぁと感じていた矢先、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、イベントの延期や開催方法の変更の検討をせざるを得なくなってしまいました。
ビートリクス先生にご相談したところ、なんと先生の方から「オンラインイベントにしましょうか」とのご提案をいただきました。先生ご自身も既にZoom等を使った授業やワークショップのご経験があったこともあり、Art ×English Chat Workshopのオンラインでの開催が決まりました。会話がベースのイベントだったこともあり、やはりオフラインがベストな形かなぁと迷う気持ちもありましたが、このコロナ禍の中でイベントが開催できるということだけで嬉しく、先生のご協力もとてもありがたかったです。
イベントのオンライン化によって、従来のイベント広報で行ってきた、学内にポスターを貼る、立て看板を置くなどの広報ができず、基本的にウェブサイトやSNSを通じてのみだったので、予定していた数参加者が集まるか心配でした。しかし、無事に程よい人数が参加者集まり、とてもホッとしました。

イベント当日

イベントは、私たち学生スタッフによる司会の後、初めにビートリクス先生に「抽象画」や「アート」についての説明や、様々な画家の作品の紹介をしていただき、その後今回のテーマ「Air」に沿った抽象画を各自で描き、それぞれの絵について参加者同士でフィートバックをしたり自由にコメントしたりしました。参加者の皆さんがどんな絵を描くのか楽しみにしていましたが、どれも個性に溢れていて、私自身もとても感性を刺激されました。空気から扇風機を連想する人もいれば、窓、楽器、コロナウイルスをイメージした絵もあり、見ていてとても楽しかったです。限られた時間の中、Zoomで交流するのは運営側の私にとっても初めてで、時間配分が難しく、1日目に関しては予定の終了時間をオーバーしてしまったりといった問題もありましたが、参加者の方が皆とても積極的に発言してくれて、画面上の交流であることを忘れそうになる程楽しく和気あいあいとした時間を過ごすことができました。
私が最も印象に残ったのは、ビートリクス先生がイベントの中で、抽象画を描いたり鑑賞するときに大切なのは、絵を描いた人のイメージが正確に相手に伝わるかではなく、「絵を鑑賞した人にとってその絵がどのように見えて、その人にとってどんな印象を与えたか」だとおっしゃっていたことです。1つの対象に対して生まれる多様な価値観を認識し、それらを全て尊重するというのは、まさに「異文化理解」に通ずるなぁと感じました。

振り返って

イベントが終了した後は、大きな達成感を感じるができました。それと同時に、長時間PCの画面を見ていたことによる眼精疲労も感じました(笑)。イベントに参加した数名の友達から、「本当に楽しかったよ、企画してくれてありがとう」というメッセージをもらったときはとても嬉しかったです。さらに、後日イベントの参加者向けアンケートの中でも、「アートを通じて人との繋がりを体感できた」、「コロナの影響で大学に通えなくなってから、もうICCとの接点はないのだろうと諦めていましたが、ようやくこのオンラインイベントに楽しみながら参加することができました」など、多くの喜び・満足の声をいただき、Art ×English Chat Workshop Onlineを開催できて本当によかったと心から思いました。このイベントに協力してくださったビートリクス先生、スタッフの方々、参加者全員に対して感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

今後、コロナの影響でオンライン形式でのイベント開催がどれくらい継続するのかわかりませんが、少しでも多くの人がICCのイベントに参加することで、憂鬱で不安な気持ちから解放されたり、お家で過ごす時間を楽しく感じられるようになれば良いなぁと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

Dates
  • 0702

    THU
    2020

  • 0710

    FRI
    2020

Place

オンライン開催(Zoom)

Tags
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