「性教育を、取り戻す。〜専門家と考える性と身体〜」と題したトークイベントを11月17日にオンラインで開催いたしましたので、主催のシャベルよりご報告いたします。
本イベントのゲストには、助産師で性教育YouTuberとして活躍されているシオリーヌ(大貫詩織)さんと産婦人科医で性に関する講演会も多く実施されているえんみちゃん(遠見才希子)さんがご登壇されました。司会は、学内で性暴力をなくすべく「性的同意」について啓発活動を行っている学生団体「シャベル 早稲田から性暴力の根を切る」のメンバーが務めました。当日は263名の方にご参加いただき、大盛況のうちに幕を閉じました。このイベントはWASEDAスポーツ・健康月間の一企画として開催され、健康を考えるうえで欠かせない性の健康について多くを学ぶことができるイベントとなりました。
レクチャー
イベントは、シャベル、シオリーヌさん、えんみちゃんのレクチャーから始まりました。
シャベルからは、実際に大学生がサークルや授業などでのハラスメント、パートナーからのデートDVを経験しているデータを提示し、それらの性暴力の原因は性教育が十分に行われていないからでは?と投げかけました。また、不十分な性教育により、性暴力を性暴力として認識できない、性への偏見、セカンドレイプ、自分の性を肯定できない等の問題があるとお話させていただきました。
シオリーヌさんからは、性的同意とパートナーシップについてレクチャーがありました。性的同意については、毎回確認する必要があること、対等な関係であること、強制しないことがポイントだとお話がありました。また、「同意は”男性”がとるもの」と思っている人がいるけれど、同意を確認する責任はアクションを起こす側にあるとのことでした。パートナーシップについては、パートナーになる二人が対等な立ち位置で、二人の幸せのために協力し合うために築く関係性のことと仰られていました。
えんみちゃんからは、産婦人科医の観点から性と身体に関してのレクチャーがありました。性教育に関して、世界では5才ごろから人権を基本とした包括的な性教育が行われているにもかかわらず、日本では中学校で「避妊」や「セックス」を教えないという学習指導要領になっているとお話がありました。また、性感染症予防に有効であるコンドームの正しい付け方や、世界で採用されている多様な避妊方法、妊娠検査薬を使うタイミング、緊急避妊薬についてもレクチャーがありました。
クロストーク・質問コーナー
それぞれのレクチャー終了後はシオリーヌさんとえんみちゃんとのクロストークとともに、お二人から事前の質問フォームや当日に寄せられた質問にご回答頂きました。Zoom上で行われたアンケートでは、産婦人科や泌尿器科にいきづらいと回答した参加者が多く、質問でも「かかりつけの産婦人科をどう見つけたら良いのか」、「レディースクリニックの”女性らしい”雰囲気によっていきづらさがある」など産婦人科に関する質問が多く寄せられました。これに対して、インターネットで事前に院内の雰囲気を見たり、自分の望む治療をしているか情報を集めたり、地域によっては難しいかもしれないが複数の病院に行って、合うところを見つけたりすると良いとコメントされていました。
参加者の感想
参加者の方から非常に多くの感想や質問を頂きました。感想としては、「もっと小さい時から学校教育や家庭、社会で今回のトークイベントのような内容を教えて欲しかった」というものが非常に多く、我々シャベルとしても、今回のイベントを開催できて良かったと思うと同時に、さらに積極的な活動をしていきたいなと思いました。また、今回オンラインイベントだったということもあり、岡山や仙台から参加してくださった方もいらっしゃったようです。今回のイベントでは、時間内に全ての質問にお答えすることはできませんでしたが、多く寄せられた質問を中心にシャベルのTwitterでお答えしていく予定です。お楽しみに!