グローバル・エデュケーション・センター(Global Education Center: GEC)は、2013年の設置以来、早稲田大学の教育理念である「世界のいかなる場所においても、グローバルな視点で課題解決に貢献できる人間力・洞察力にあふれたリーダー育成」を体現するために必要な知識、知的スキルおよび感性を習得する機会を、早稲田大学の全ての学生に提供することを目的としています。本学が目指すリーダー像は、国際機関、グローバル企業等において世界を股にかけて活躍する人材だけでなく、国内外各地の歴史や文化を尊重し、地域社会の発展に貢献するような人物も意味しています。いわば、国際的でグローバルな視点と地域のローカルな視点を備え、多様な分野で責任ある行動をする人物を意味します。
こうした理念・目的を実現するため、GECでは4つに大別される教育プログラムを提供しています。その第1番目は、基盤教育です。基盤教育とは、「学問を学ぶため、また社会に出てからも必須となる基礎的な知的スキル」を意味し、具体的には「アカデミック・ライティング」「数学」「データ科学」「情報」「英語」の科目群から構成されます。これらの科目は、IT技術が発展し複雑化する社会において、物事を的確に判断するための基盤となる言語および数理に関する基礎的リテラシー習得を目指しています。
第2番目は言語教育です。英語が世界共通語として使用される現在においても、言語・文化の多様性を認めることは、グローバルな視野を養うために重要です。そうした発想からGECでは、英語以外に20を超える多彩な言語科目を提供しています。
第3番目は、リベラルアーツ教育です。本学ではリベラルアーツ教育を「物事の本質を見極める洞察力を育む教育」と考えています。歴史・文化等に関する幅広い知識・教養を身につけ、物事を空間的・時間的に相対化し俯瞰することで、物事の本質を見極められると考えます。具体的には、「全学副専攻」を設置し、所属する学部で主専攻を学びながら、その他の学問分野を学ぶことができます。また心身の健康を保持・増進するため、スポーツ実技科目も提供しています。
そして、第4番目は人間的力量育成です。GECでは学内の関連箇所と連携して、「キャリア形成科目」「ボランティア科目」「リーダーシップ科目」等、理論だけでなく実践を通した学びを重視し、その過程において人間的力量の育成をめざしています。
以上のようにGECでは、国内外の幅広く多様な分野で活躍しうる人材育成を目的として、様々な教育プログラムを提供しています。学生の皆さんには、所属する学部で専門的な知識やスキルの修得に励むとともに、GECの設置科目を大いに活用して、充実した大学生活を送って頂きたいと願っています。
グローバル・エデュケーション・センター所長
後藤 正幸