ライブ上演+レクチャーで学ぶオペラ:《椿姫》と《蝶々夫人》をてがかりに
オペラは敷居が高く親しみにくいと感じる人も少なくありません。でも食わず嫌いなのでは? そこで百聞は一見(一聴)にしかず、オペラ制作・上演の現場からプロデューサー、歌手、ピアニストをお招きしてライブで歌声を聴き、レクチャーに耳を傾け、参加者によるディスカッションも交えながらみんなでオペラを学んでいこう、というのがこの企画の趣旨です。取り上げる演目はヴェルディの《椿姫》とプッチーニの《蝶々夫人》。いずれも世界の歌劇場のレパートリーを飾るオペラのなかのオペラ。現在日本のオペラ界で活躍中の経験豊かな9人の歌手が登場し、選りすぐりのアリアのメドレーで作品をつづっていく豪華なイベントです。
この企画は「演劇・舞台芸術」全学共通副専攻の全体活動です。また、副専攻コア科目「演劇の鑑賞と理解」の公開授業でもあります。副専攻指定科目の全履修生はもちろんのこと、ひろく学内外の皆さんの参加を歓迎します。
日 時
5月21日(土)13:00 – 18:00 (開場12:30) (レクチャー+歌唱鑑賞+ディスカッション)
会 場
入 場
入場無料、予約不要
主 催
早稲田大学グローバルエデュケーションセンター
共 催
早稲田大学オペラ/音楽劇研究所(5月研究例会<第148回オペラ研究会>)
特定非営利活動法人オペラ彩
内容
- レクチャー 丸本隆 「オペラとは何か? 学術研究の視点から」
- ヴェルディとプッチーニのオペラから 《椿姫》と《蝶々夫人》 ナビゲーター 和田タカ子
出演
ヴェルディ《椿姫》(La traviata)
小村知帆 ヴィオレッタ(1幕)
金井理香 ヴィオレッタ(2幕)
原千裕 ヴィオレッタ(3幕)
浅野和馬 アルフレード
豊島雄一 ジェルモン
プッチーニ《蝶々夫人》(Madama Butterfly)
薮田 瑞穂 蝶々夫人
諸田 広美 スズキ
吉見 佳晃 ピンカートン
藤山 仁志 シャープレス
ピアノ 新保あかり
講師・出演者プロフィール
- 丸本隆(レクチャー)
早稲田大学名誉教授。専門は演劇学、オペラ研究。オペラ関連著書・論文に『オペラの18世紀』(編著、彩流社、2003)、『初期オペラの研究』(編著、彩流社、2005)、 『オペラ学の地平』(共編著、彩流社、2009)、“A Song for Kingdoms: Takarazuka’s Attempt to Adapt the Opera Aida.” Geilhorn, B., et al., eds. Enacting Culture. Munich: iudicium, 2012、「ヴェルディとリソルジメント・オペラ」『演劇学論集』(日本演劇学会紀要)57(2014)、「オペラの“虚像”と“実像”」『人文論集』(早稲田大学法学会)53(2015)。
- 和田タカ子(ナビゲーター)
特定非営利活動法人オペラ彩理事長。声楽家。プロデューサー。1984年、朝霞オペラ振興会(現「オペラ彩」)を創設、自主制作によるオペラを32年間連続上演して今日に至る。全日本オペラネットワーク運営委員長。プロデュース作品の受賞歴:佐川吉男音楽賞奨励賞(プッチーニ《トゥーランドット》)、三菱UFJ信託音楽賞奨励賞 (ヴェルディ《ナブッコ》)、三菱UFJ信 託音楽賞(ドニゼッティ《マリア・ストゥアルダ》)。2016年12月10日・11日、第33回定期公演《ラ・ボエーム》(プッチ-二)上演予定。
- 小村知帆(ソプラノ)
東京都出身。桐朋学園大学音楽学部声楽専攻修了、現在同大学研究課程2年在学中。声楽を大島幾雄、里中トヨコ、各氏に師事。2017年10月 三枝成彰新作オペラ・ブッファ《狂おしき真夏の一日》(脚本:林真理子、演出:秋元康、美術:千住博 東京文化会館大ホール)家政婦リサ役にて出演予定。
- 金井 理香(ソプラノ)
東京音楽大学オペラコース卒業。東京オペラ・インスティテュート研修科修了。プッチーニ《ジャンニ・スキッキ》:ラウレッタ、フンパーディンク《ヘンゼルとグレーテル》:グレーテル、ビゼー《カルメン》:ミカエラ、プーランク《グロリア》:ソプラノ・ソロなどに出演。アルカモ国際オペラ・コンクール日本代表。新百合混声合唱団ヴォイストレーナー。
- 原千裕(ソプラノ)
東京芸術大学声楽科卒業。同大学院音楽研究科声楽専攻独唱科修了。友愛ドイツ・リート・コンクール入選。ドイツ・リートを中心に多数のコンサートに出演。オペラではモーツァルト《魔笛》:侍女1、ドニゼッティ《リタ》:タイトルロール(リタ)、ヤナーチェク《利口な女狐の物語》:雌鶏ホホルカなど、古典作品から現代作品まで幅広く活躍。東京室内歌劇場会員。
- 浅野和馬(テノール)
宮城県出身。東京芸術大学卒業。これまでモーツァルト《コシファントゥッテ》:フェランド、ベッリーニ《ノルマ》:ポリオーネ、ヴェルディ《ロンバルディア人》:オロンテ、プッチーニ《ジャンニ・スキッキ》:リヌッチョ、ヴェルディ《椿姫》:アルフレード、ビゼー《カルメン》:ドン・ホセ、プッチーニ《トスカ》:カヴァラドッシなどに出演。オラトリオにおいてもヘンデル《メサイア》、ベートーヴェン《第九交響曲》等でソリストをつとめた。楽天球団の試合で君が代の斉唱や児童館や地域センターでの演奏を通じ復興支援にも力を入れている。
- 豊島雄一(バリトン)
武蔵野音楽大学声楽学科、並びに同大学院音楽研究科声楽専攻修了。1999年3月藤原歌劇団公演プッチーニ《ラ・ボエーム》(M・フレーニ、N・ギャウロフ共演)でオペラ・デビュー。最近では、欧州で大絶賛のメゾソプラノの女王カサロヴァとのビゼー《カルメン》で共演の他、昨年3月にはバリトンでは数少ない石井歓《袈裟と盛遠》のタイトルロール盛遠役で好評を得た。藤原歌劇団団員、武蔵野音楽大学講師
- 薮田瑞穂(ソプラノ)
兵庫県出身。国立音楽大学声楽科卒業。第五回国際ルーマニア・コンクール声楽部門第2位。第43回イタリア声楽コンコルソ金賞。第22回市川市文化振興財団新人演奏家コンクール優秀賞。 文化庁委託事業においてマスカーニ《友人フリッツ》:スーゼル役で出演、日波国際芸術祭でソロリサイタルを開催。藤原歌劇団団員。
- 諸田広美(メゾソプラノ)
東京芸術大学大学院オペラ科修了。ミラノ・ヴェルディ音楽院卒業。5年間伊留学し、その間、ロータリー・伊政府・安田生命・文化庁より助成を得る。二期会・日生劇場・東京室内歌劇場等の公演に主要な役で出演。今年3月、新国立劇場における文化庁主催演奏会に出演。第1回ロシア声楽コンクール第1位。藤原歌劇団正団員。
- 吉見佳晃(テノール)
国立音楽大学卒業。これまでオペラでは、ヴェルディ《椿姫》:アルフレード、プッチーニ《ラ・ボエーム》:ロドルフォ、プッチーニ《トスカ》:カヴァラ ドッシ、プッチーニ《蝶々夫人》:ピンカートン、ヴェルディ《リゴレット》:マントヴァ公爵、レオンカヴァッロ《道化師》:カニオ、R.シュトラウス《ナクソス島のアリアドネ》:バッカス他、 オペラの主要なキャストで出演している。これまでオペラのみならず、多数のコンサートに出演し、多方面からイタリア人の響きを持ったテノールと称される。
- 藤山仁志(バリトン)
最近では2015年2月に紀尾井ホール、《蝶々夫人》シャープレス役にてソプラノ歌手Andrea Rostと共演。同年3月、イタリア・ピサ・ヴェルディ劇場にて Dargomyžskij作曲《IL CONVITATO DI PIETRA》に出演。2015年10月日本ヴェルディ協会「ヴェルディマラソンコンサート」に出演。
- 新保あかり(ピアノ)
東京音楽大学ピアノ科卒業。これまでに合唱団、歌のコンサートに多数出演。スクール・コンサート、ディナーショー、定期演奏会、ニューイヤー・コンサート、オペラ・ガラ・コンサート等において著名な指揮者、歌手と共演している。また、茨城県民オペラ、オペラ彩公演、文化庁オペラ公演、杉並区民オペラ、東京室内歌劇場、東京オペラ・プロデュース、二期会オペラ振興会、新国立劇場等で音楽スタッフとして公演に携わり各団体から信頼されている。現在、サン合唱団、歌の翼混声合唱団、杉並区民オペラピアニスト。