知覚情報処理技術の高度化と人間-コンピュータ・インタラクションシステムの実現
視覚・聴覚に代表される人間の知覚に係る情報処理技術を高度化するとともに、それらを応用した利便性の高い人間-コンピュータ・インタラクションシステムを実現します。
要素技術である音声・画像処理については、主として会話に現われる多様な現象への対処法をテーマとして検討を行います。
会話では、発話のタイミング、韻律、声質、表情、しぐさ等が状況に応じて様々に変化し、この変化が重要なニュアンスを伝えます。これらの情報の理解と表現のしくみについて、先端の信号処理理論や機械学習理論を駆使しながら検討します。
また、単に情報を伝えるだけでなく、「楽しい会話の場」を作るためには、システムはどのような戦略をもつべきかについても検討していきます。
応用に関しては、主に高齢者用途の計算機インタフェースシステムについて検討しています。
高齢者が使いやすいシステムであるためには、システムがどういう「方針」で動いているのかが高齢者にとって理解しやすいものである必要がある。この「方針」がどのような条件を満たすとき、高齢者は分かりやすいと感じるのかに関する基礎的知見を積み上げるとともに、この「方針」を分かりやすく伝えるために、音声・画像処理技術がいかに利用できるかについて検討します。
実際の応用としては、高齢者がインターネット上のコンテンツを介して家族とコミュニケーションを楽しむことができるシステムや、高齢者同士のコミュニケーションを活性化させるシステムを考え、実際に介護施設等で動作させて検証実験を行います。
小林 哲則 理工学術院教授