「流体構造連成およびマルチフィジックス問題を理論・計算により解明する」
本研究所は、数値計算技術を駆使して、幅広く実応用課題に取り組んでいます。特に、世界において他の誰も実現できない挑戦的な課題に力を入れています。主な応用分野は、力学を基礎とする①流体機械、②自動車、③航空・宇宙、④家電、⑤医療です。これらの課題は流体構造連成およびマルチフィジックス問題です。例として、路面と接触するタイヤ(図1)、宇宙船用パラシュート(図2)、心臓血管(図3)を御覧ください。
まず対象とする課題を汎化し数学的視点で捉えます。そして、その新たな課題に対し、これまで培ってきた計算手法を踏襲し、そして革新的な計算技術へ発展させます。この計算技術によって、信頼のある解を導き、そして解決策を導き出すのです。この最後のステージでは課題特有の問題に、特別な手法を用いることもあります。
多くの実応用課題は複雑形状を含みます。このような形状はCAD (Computer-Aided Design) におけるNURBS関数で表現されます。この関数は計算精度・効率に対しても優位性を持っており、これをアイソジオメトリック離散化と呼んでいます。しかし、これらは複雑な運動やトポロジー変化を起こす場の計算において、実現の難しさが多く存在します。我々はこれらの問題に取り組み、解決することで、設計・計算・製造に対して、一貫した計算機支援を目指しています。
これらの数値計算技術は、Team for Advanced Flow Simulation and Modeling (T*AFSM) によって、実応用課題の解決を目標に研究されてきました。T*AFSMは、1983年発足以来、実応用課題、そして他の誰も実現できない課題にチャレンジし続けています。
◆2019年9月2日(月)「Workshop on Isogeometric Analysis」が開催されました。
◆2019年11月19日(火)~11月22日(金)「 International Workshop on Multi-Phase Flows: Analysis, Modelling and Numerics」が開催されました。
◆2020年12月24日(木)「スケール学に関するワークショップ」が開催されました。
滝沢 研二 創造理工学部教授
柴田 良弘 早稲田大学名誉教授