2025年4月~2026年1月の10カ月にわたり、小阪玄次郎教授(社会科学部)が担当するゼミナール「経営組織研究」(以下:小阪ゼミ)と、本学の特例子会社(※1)である株式会社早稲田大学ポラリス(以下:ポラリス)との連携事業が行われました。
※1:特例子会社とは、障がい者の雇用に特化した子会社のこと。厚生労働省の認定を受けることで、その子会社に在籍する障がい者の人数を親会社の雇用者数として算定できる。認定を受けるには、一定数以上の障がい者が雇用されている、職場環境が整っている、継続的な支援体制があるなど、複数の条件を満たす必要がある。親会社は法定雇用率を達成しやすくなり、特例子会社も、障がい者の働きやすい職場環境を提供することができ、安定した就労支援が可能となる。

最終発表会に参加した小阪教授(前列左から5番目)と小阪ゼミの学生
この連携事業は、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)推進に取り組み、障がいのあるスタッフの積極採用と業務拡大を検討するポラリス(※2)と、ゼミ生に実践的な企画提案の場を提供したいと考える小阪教授の方向性が一致し実現に至りました。
※2:障害者雇用促進法の改正により、民間企業の障がい者雇用率が段階的に引き上げられ、2026年1月時点では2.5%だが7月には2.7%となることが決定している。早稲田大学では、企業の社会的責任として障がい者雇用を推進するだけでなく、雇用した障がい者の能力を生かす業務設計、キャリア形成支援の取り組みも重要と考えている。特例子会社であるポラリスについても、大学運営を共に支えるパートナーとして、スタッフの増員にあわせた委託業務拡大にも積極的に取り組んでいる。
小阪ゼミの学生は
- ポラリスによる学内での新規業務(大学内での仕事の拡大)
- 学生および大学全体にポラリスの認知を広め体感するイベント
- 学生とポラリスの交流の新しい形を模索した新規事業
の3点を念頭においた企画提案を行うことを最終目標として取り組みました。
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ペットボトル洗浄作業を見学する学生
(2025年6月ポラリス業務見学会)
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書類封入作業を見学する学生
(2025年6月ポラリス業務見学会)
毎週火曜4限の授業時間以外にも、6月にはポラリス業務見学を行いポラリスについて理解を深めるとともに、7月には中間報告会を開催して大学・ポラリス関係者から助言を受け、企画内容のブラッシュアップを行いました。また、必要に応じてニーズ調査や業者との交渉などのフィールドワークも行いながら、企画を洗練させ、提案の準備を進めました。
1月20日(火)4限の授業時間内で最終発表を行いました。4班にわかれ、各班から学生ならではの斬新かつ柔軟な発想を生かしつつ、ポラリスの実態に即した実現可能性の高い企画提案が行われ、活発な質疑応答が展開されました。
≪企画提案内容(発表順)≫
| 企画名 | 特徴 | 参画者名(敬称略) |
| ポラリス20周年記念手ぬぐいの製作 | デザインと二重構造ガーゼでポラリス20周年の特別感を演出 | 岡部 純之介、菊池 愁生 城島 康一、鈴木 亜望 |
| ポラリス20周年記念 サンキャッチャーの製作 |
自ら輝き周囲を明るく照らすサンキャッチャーによって、ポラリスの理念を視覚的に表現 | 太田 好香、岩本 翼 嶋田 倭土 |
| 印刷サービス事業 | 印刷業務受託とのバーターでポラリス認知度向上を図る | 田原 直輝、宮川 遼太 佐々木 文佳、杉本 めばえ |
| ポラリス20周年記念 手作りアロマ入浴剤の製作 |
自分の手でモノを作り、人に使ってもらえることへの喜びをポラリススタッフに実感いただく | 藤原 小百合、大平 優 山本 利久、関 紀信 |
発表終了後には大学およびポラリス関係者の計46名が
- 実現可能性(コスト、リソース、期間を考慮し実現ができるか)
- 独創性(他にないユニークな発想か、社会的価値、インパクトなど)
- ポラリスらしさ(ポラリスの特性、強みを表現できるか)
- 総合力
の4つの観点で審査を行い、投票結果を踏まえ各賞受賞者を決定しました。
受賞結果の発表
◆ 最優秀賞 :ポラリス20周年記念手ぬぐいの製作

最優秀賞を受賞した「ポラリス20周年記念手ぬぐいの製作」について企画提案を行う学生
(2026年1月 最終発表会)
◆ ポラリス賞 :ポラリス20周年記念手作りアロマ入浴剤の製作

ポラリス賞を受賞した「ポラリス20周年記念手作りアロマ入浴剤の製作」に関する質疑応答に対応する学生
(2026年1月 最終発表会)
◆ リトル・ベア賞 :ポラリス20周年記念サンキャッチャーの製作

リトル・ベア賞を受賞した「ポラリス20周年記念サンキャッチャー製作」の試作品を手に説明する学生
(2026年1月 最終発表会)
◆ 「進取の精神」賞 :印刷サービス事業

「進取の精神」賞を受賞した「印刷サービス事業」について企画提案を行う学生
(2026年1月 最終発表会)

謝意を述べる(株)早稲田大学ポラリス・関口社長
発表終了後、ポラリスの関口社長からは企画提案を行った学生に対し「ポラリスについて深く学び、ポラリスにとって有意義な企画を、真剣に考え提案いただけた姿勢が何より嬉しい」と謝辞が述べられました。

講評を述べる小阪玄次郎教授(社会科学部)
また、小阪教授からは「情報が簡単に手に入る時代に、どの班も実際に手や足を動かして泥臭く必要な情報を集め、アイデアだけでなく実現の可能性まで深く考察した点を高く評価したい。また今日の発表をもって全て終わりではないので、これまでの取り組みから学んだことを生かして、引き続きポラリスに対してどんなことができるかを考え続けて欲しい」と挨拶し締めくくりました。
参加した学生からは「このゼミが始まるまで、ポラリスの存在も大学運営を支えていることも全く知らなかった。ゼミを通じて企画提案力を磨くだけでなく、特例子会社やポラリスについて深く理解できたことも有意義だったと感じている」というコメントをいただきました。
本連携事業を通じ経営視点を養うとともに、障がい者との共生社会の実現に向け、多くの気づきを得て、視野を広げ、考え行動するきっかけとなることを願っています。
【最終発表会に参加した大学・ポラリス関係者からのコメント】
≪ポラリス20周年記念手ぬぐいの製作について≫
・シンプルに、デザインが素敵。図案の中のパーツに込められた意味もポラリスの事を良く理解されていると感じる。手ぬぐいは使い道も多く、もらって困る人はほぼいないと思われるので、ノベルティグッズとしても適している。ビニール袋に入れる、メッセージを同封する等の作業も実施可能であるし、気温や破損の事を心配する必要がない点も良い。
≪ポラリス20周年記念サンキャッチャーの製作≫
・ユニーク性、インパクトの点で他案を上回っている。虹の光が多様性と結び付くことも、ポラリスのイメージUPとなろう。ぜひ職場でもかざらせて頂きたいと思います。POLARISのロゴが入るとなお良いです。
≪印刷サービス事業≫
・企画案を進めていく中で懸念点が多く出てきてもあきらめずにほかのアプローチを模索され、インスタ開設という第二案まで出された事に感銘を受けました。ワセダ生らしい粘り強さを感じました。
≪ポラリス20周年記念手作りアロマ入浴剤の製作≫
・形を変えて応用がきくので、ポラリスが配るだけでなく、大学各所からの要望に応じて作るということも発展的にできるのではないか。貰ったときのあたたかみがあり、スタッフが楽しんで作る様子が目に浮かぶ。
本連携事業実施にあたり多大なるご協力いただきました小阪教授、小阪ゼミの学生の皆様、ポラリスの皆様、誠にありがとうございました。











