Office for Promotion of Equality and Diversity早稲田大学 ダイバーシティ推進室

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【開催報告】「育業」出前講座 in 早稲田大学(講師:小島よしお氏)(2025年11月19日開催)

*イベント概要はこちらから

開催報告

▲ 今回、講師としてご登壇いただいた小島よしお氏

2025年11月19日(水)に大隈講堂小講堂にて、本学卒業生でお笑い芸人の小島よしお氏(2006年教育学部卒)を講師にお招きし『「育業」出前講座in早稲田大学』を東京都子供政策連携室様と共催しました。

小島よしお氏は教育系YouTuberとして子どもと接する機会が多く“最強キッズ芸人”として人気を誇っており、2024年に1児の父となってからは育児と仕事の両立に積極的に取り組むことでも知られています。お笑い芸人らしく、自身の持ちネタも随時挟みながら、「育業」に対する思いを存分に語っていただきました。

小池百合子 東京都知事メッセージ

▲ 小池百合子東京都知事よりビデオメッセージも紹介されました

開会にあたり小池百合子東京都知事から寄せられたビデオメッセージが紹介され「’育児休業’という言葉は’休んでいる’という印象を与えかねないがとんでもない。育児は‘お休み’ではなく未来を担う子どもを育てるとても大切な仕事。‘育児休業’のお休みのイメージを変えて育児を社会全体で応援するようマインドチェンジを進めたい」と本イベントの趣旨を説明されました。

石田京子 ダイバーシティ推進室長メッセージ

▲ 開会の挨拶をする石田京子ダイバーシティ推進室長(法学学術院教授)

また本学を代表して石田京子ダイバーシティ推進室長(法学学術院教授)が「早稲田大学は、‘多様な生き方を尊重する’ことを大切にしている。結婚する、しない。子どもを持つ、持たない。どの選択も尊重され、自分らしく生きることができる社会の実現に、大学としても貢献していきたい。子どもを持つことも、そのような多様な選択肢のひとつと考えているが、パートナーを持ち、子どもを持つという選択をした場合には、「誰か」がその子どもの世話を担う必要がある。もちろん、社会の支援や周囲の協力は不可欠だが、それでもなお、保護者としての責任や役割は決して小さくない。東京都が提唱される「育業」という言葉には、そうした現実を正面から受け止め、父親も母親も共に育児を担う社会を目指すという強いメッセージが込められていると理解している」と挨拶しました。

小島よしお氏 「ピーヤ」とともに登場

続いて講師の小島よしお氏が登場し、早速持ちネタの一つ「ピーヤ」を連発すると、会場が一気に盛り上がり熱気に包まれました。

データで見る「育業」の現状と課題

前半部分では司会者から、東京都が提唱する「育業」の考え方、男女別の育業取得率等の実態、企業における育業のとらえ方、などの説明があり、随時小島よしお氏が見解を述べる、という形で進みました。

「育業という言葉をどう感じたか?」という問いかけに対し、「まさにその通り。育児休業は休みではない。次から次にやることがあり、安全のためにも子どもから目が離せず、気が休まらない。仕事をしているときの方が自分のことをする時間も多かった気がする」と自身の体験に基づいたコメントをされました。

また「家事や育児に関する項目について、若い世代(15~30歳)の7割以上が性別は関係ない、と答えている」という調査結果が示された際には、「自分もデビュー当時から、性別関係ねぇ、と言い続けてきました」と決め台詞で笑いを誘った後、その背景について「女性が社会に出るようになり、男性・女性という固定概念がなくなったのではないか。あわせて、近所づきあいが減り、家族だけで子どもを見ていかないといけない、という家庭が増え、家族で家事・育児を分担してやらなければいけないと考える人が増えたのではないか」という見解を述べられました。

小島よしお氏のリアルな育児と仕事の両立の工夫

後半部分では小島よしお氏の育業への取り組み、仕事との両立などについて掘り下げてお話を伺いました。特に、オファーによって仕事が発生する(時間や場所を自分で選択できない)お笑い芸人という職業であっても、育児のために仕事量を調整したり、東京-大阪間は日帰りで対応したりするなど宿泊出張回数を減らしている、という姿勢に、参加者の多くが刺激を受けたようでした。

また、育児のとらえ方について「高校時代の部活に近い。たまに休みがあると嬉しいが、毎日がかけがえなく、今でも時を超えて思い出話ができるもの」という小島よしお氏ならではの独特の表現は、今まさに部活やサークル活動を頑張っている学生たちにはイメージがわきやすく、共感を得たようでした。

活発な質疑応答

▲ 質疑応答の際マイクの不具合により、小島よしお氏自らマイクを持って学生の元に駆けつけてくださいました

質疑応答では会場内で多くの手が挙がりました。「芸能界という波がある世界で、育業によりブランクが発生してしまう点をどう考えているか?」という質問に対し「決断したことが良かったと思えるような行動を心がけている。まわりに育児をせず後悔をしている人も多い。育児の期間はいまでこそ長く感じるが人生全体でみれば短い。仕事は50代でも頑張れるが、子どもの成長は今しかない。自分の人生を後悔しないためにも今しかできないことを選択している」と力強く答えていました。

 

最後に小島よしお氏から参加者に向けてエールをいただき、大盛況の中イベントは終了となりました。小島よしお氏の明るさ、独自の体験や視点、それらをわかりやすくユーモアを交えて伝える話術に多くの参加者が魅了された1時間となりました。このイベントが参加いただいた皆様にとって、育業について理解を深めたことで選択肢が増え、将来の自分について考えるきっかけとなることを願っています。

▲ 最後はお約束の「そんなの関係ね~」にて締めていただきました

 

参加者の声

・具体的なデータに基づき、昭和と令和ではかなり変化があり、また男女差も無くなってきたことがよくわかった。MCの説明もわかりやすかった。

・就職先を選ぶ条件に育児休暇の取得率を含めておらず、その重要性に気づかされた。

・男性の2人に1人が育業する時代だという数字だけでは、まだ就職していない学生にとってはイメージしづらいところがあったと思うが、民間企業の育業経験者へのインタビューでリアルな声が聞けて参考になったと思う

・子育てや育業は、学生時代の部活動に似ているとの話が印象に残った。「渦中にいる身では毎日大変でたまの休みも欲しくなるが、振り返れば思い出話が尽きず掛け替えのない時間である」という趣旨の話はまさにその通りで、(教職員として参加した)子育て中の自分自身、今の瞬間を大切に過ごさなくてはとあらためて思った。子育てや仕事が未経験の学生にとって、自分事としてイメージしやすい例えだったと思う。

・「女性は身体的変化から母になることの自覚が自然と芽生えることが多いが、男性は自ら意識し行動しないと父親にはなれない」という話が印象に残った。

・小島よしおさん自身の家庭の様子、仕事の入れ方の調整などは、リアルで参考になった。大阪2日イベントのときには、1度帰京して家庭に戻るというのは、いいお父さんだなと感心した。

・学生はまだまだ育児も仕事も自分事としてとらえたり、具体的な両立している自分の将来像を想像したりすることは難しいと思うが、「育児ってなんか楽しそう」というイメージを持つことはできたと思う

・育児休暇の取得率が昔に比べてかなり向上している点については前向きに考えるポイントになったが、家事に従事する時間にはまだ男女差があり、その差を埋めるためには男性の意識を変えることが重要だと思う。意識を変えることはかなり難しいことだと思うので、その点が課題だと感じた。

・まず小島よしおさんの人選が最高だった。育業をまだ自分事としてとらえられていない学生にとって、小島さんが早稲田大学卒業生であり身近に感じやすいこと、また小島さんに会いたいというきっかけで軽い気持ちで参加できたという点が、効果的だったように思う。また、小島さんの話がとてもうまく、参加者が引き付けられた。

▲ 左から、篠原初枝理事(ダイバーシティ推進担当)、小島よしお氏、石田京子ダイバーシティ推進室長(法学学術院教授)、臼井宏一氏(東京都子供政策連携室プロジェクト推進担当部長)

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