連載 ワークライフバランス挑戦中! 第26回
まだまだ試行錯誤中
広報室広報課 専任職員 N.A.
大学職員になる前は、一般的に残業が多いといわれる業界で働いていました。友人からの飲み会の誘いにも、「ん~行けたら行く!」と失礼な返事をしながら、終業後に降ってきた仕事や急な休日出勤にもむしろ積極的に取り組んでいたように思います。
現在の私はというと、時短勤務をさせていただきながら、平日夕方と週末は小学校1年生になった息子中心の生活。朝まで働いたり、帰宅後も休日も、いつ職場から連絡が来るかと冷や冷やしたりしていた頃とはまったく異なる日々を送るようになりました。
働き方をすぐに変えるのは難しく、転職当初は苦労したのを憶えています。最初に配属された商学学術院ではビジネススクールの入試広報を担当しましたが、夜間コースの授業が夜遅くまで開講されることもあり、また私自身の要領の悪さもあいまって、どうしても残業がかさみがちでした。
ただ、週末に入試や広報関連行事が多く開催される一方で、事前に予定が調整され、振替休日も設定できることは大きな変化で、前職時代には月に1度のお稽古もさぼりがちだった書道に時間を割くようになるなど、少しずつワークライフバランスを整える期間をいただいたように思います。
とはいえ、現在の働き方に最も大きく影響しているのはやはり妊娠・出産です。
妊娠中はつわりも重く、正直とても戸惑いました。今まで「頑張ればなんとかなる!」でやってきたのに、そもそも頑張れない。通勤中に気分が悪くなり途中下車するからなかなか職場にたどりつかないし、職場についても胃がむかむかして仕事が手につかない。ちょうどその頃商学部・商研の学務係に学術院内で配置換えになったこともあり、なんの役にも立てない自分に情けなさを感じていました。
それでもなんとか乗り切れたのは、妊娠通院休暇や妊娠障害休暇などの制度と、家族のサポート、そして何より当時の上司・同僚のサポートがあったからです。当時の同僚にはどれほど助けられたか……。頑張ってもどうにもならないことがあること、そんなときに周りに助けてもらえることのありがたみ。当たり前のことですが、改めてそのことを身に染みて感じ、必要以上の無理はせず、自分にできることをする、という働き方に徐々にシフトできたようにも思います。
その後育児休職をいただき復帰してからも、保育園の入り口で目に涙をためて私の足にしがみつく息子を見たり、時間切れで思うように仕事ができない日々が続いたり、息子が体調を崩し長期入院したりすると、何度も心が折れそうになりました。夫は帰りが遅く長期出張もあるため、ひとりで育児をしている気になって落ち込んでしまうこともありました。それでも、昼休みなどに同僚に相談すると、いつの間にか気持ちが晴れているから不思議なものです。子育ての先輩・同志がたくさん職場にいることは、私にとってとても大きなことでした。
コロナ禍は大変なことも多いですが、夫の在宅勤務が増え家にいる時間が増えるなど、プラスの変化もありました。学童や習い事の送迎についてアプリのカレンダーでこまめに共有し分担する、私の書道のお稽古・練習日は夫が息子係、夫の出張中は私が息子と近場にお出掛けする係、休みがあえば犬を連れて家族でキャンプへなど、少しずつ家族としてのバランスも整ってきています。仕事の面ではこの6月で初めて広報課に異動しましたが、職場には子育て中の職員も多く、働き方の面でも大変参考になり、楽しく働かせていただいています。
まだまだ試行錯誤の日々は続きそうですが、自分にできることを考えながら、誰かの力になれるチャンスも見落とさないよう、職員生活を続けていきたいと思います。
<略歴>本学卒業後、マスコミ業界勤務を経て、2013年4月入職。入職後、商学学術院にてビジネススクール入試広報業務、商学部・商学研究科の学務業務・留学業務等を担当。2022年6月より広報室広報課にて国際広報・研究広報業務等を担当。