Office for Promotion of Equality and Diversity早稲田大学 ダイバーシティ推進室

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【開催報告】学生・ポラリス交流授業(2021年7月14日)

ダイバーシティ推進室では、本学の特例子会社である株式会社早稲田大学ポラリス(以下、ポラリス)のご協力を得て、学内で働く障がい者スタッフの皆さんをゲストスピーカーに迎えて実施する「交流授業」の企画、運営を行っています。同じキャンパスにいながら、日常的に接する機会のない学生とスタッフが授業を介して交流することによって、双方が学びや気づきを得る機会を提供することを目的としています。

2021年7月14日、社会科学部の「国際人権論1」(担当:棟居徳子教授)の受講生130名に対してZoomウェビナーによる交流授業が行われ、ゲストスピーカーとしてポラリスの社員5名(障がいのあるスタッフ3名、サポート社員である伴 麻子マネージャー、坂本寛美さん)をお招きしました。前半は、ポラリスの事業概要説明、業務内容紹介動画の視聴、社員一人ひとりから自身の経歴や仕事への取組みに関するスピーチがあり、後半はそれらを受けて活発な質疑応答が行われました。

今回の交流授業全体を振り返って学生から寄せられたコメントからは、学生たちがそれぞれの視点から多くの貴重な学びを得たことがうかがえます。


株式会社早稲田大学ポラリスの事業概要説明

<会社概要>
(株)早稲田大学ポラリスは、早稲田大学の障がい者雇用の取組みを促進する特例子会社として2007年に設立されました。大学を母体とする特例子会社としては、先駆的な存在でした。
社名の「ポラリス」とは「北極星」を指す言葉で、北斗七星(おおぐま座)に似た「こぐま座」を構成しています。スタッフ、社員それぞれが星のように輝き、同時に集合体として美しい星座を形成していく姿をイメージして、2020年1月に社名変更しました(旧社名はWUサービス)。
現在、主に知的障がいのあるスタッフが27名、スタッフをサポートする社員が8名在籍しています。採用前に複数回のインターンシップ、入社後は業務や研修をとおして教育を行い、個々の成長を促しています。各人の障害特性に応じた配置、また苦手な部分をカバーする仕組みを作ることでクオリティの向上を図っています。

<業務概要>
設立当初は、親会社である(株)早稲田大学プロパティマネジメントが管轄している清掃業務のうち、危険度や難易度の比較的低い掃き掃除とゴミ回収・分別のみ担当していましたが、室内清掃、事務系作業、文書受付、使用済み乾電池処理と順調に拡がり、2020年秋からは大学のSDGs取組みの一環として「ボトル to ボトル」(リサイクル業務)も始まりました。

障がいのあるスタッフは、大学運営に関わるさまざまな場面で、体力、持続力、記憶力など自分の持てる力を発揮して環境整備や事務処理に携わっています。キャンパス内でオレンジ色のユニフォームを見かけられた際には、彼らの存在や日々の働きについて思い出していただけたらと思います。

「おはようございます」、「お疲れさま」、「ありがとう」などの一声が大きな励みとなります。返事が苦手な人もいますが、その場合は「そういう特性の人もいるのだな」と温かい気持ちでご理解いただければ幸いです。

 

 


続いて、動画を介して、スタッフによる屋内外清掃、郵便物仕分け、書類封入作業、再生ペットボトル仕分け等の様子が紹介されました。さらに、スタッフ3名によるスピーチ、伴マネージャーによるコメントがありました。

 

Hさん(主な業務:事務補助、室内清掃、再生ペットボトル処理)

業務日報の読み上げのときは、一緒に作業する人にもわかりやすいよう丁寧に行っています。封入作業ではお客様を意識して、書類の角を綺麗に揃えるように気を付けています。作業を上司に褒められたとき、給料をありがたく受け取ったとき、仕事のやりがいを感じます。これからの作業も集中してしっかり頑張っていきたいと思います。絵を描くことが一番の趣味です。

(伴マネージャーによるコメント)
Hさんは8年間でさまざまな業務を担当してきました。独特の世界観や言い回しで周りを笑わせたり和ませたり、とムードメーカーとしての存在感があります。真面目な取組み、働きたい気持ち、努力は評価に値します。

 

Tさん(主な業務:屋外清掃、室内清掃、再生ペットボトル処理)

高校で職業に関する教科があり、ポラリスでの実習に参加しました。作業内容や会社の雰囲気が自分に合っていたので志望し、入社しました。清掃で学生さんに御礼を言われたとき、掃いた所や草を抜いた所が綺麗になっていくときは嬉しいです。飲みこぼしの清掃、雨の日の草取りなどは大変ですが、やり方を工夫しています。実習では「社会に出たらコミュニケーションが大切」と学び、今は挨拶、報告、連絡、相談を意識して頑張っています。趣味はラグビー観戦で、早稲田の試合も観に行きました。

(伴マネージャーによるコメント)
去年、入社直後の数カ月間はコロナの影響で変更や調整などイレギュラーが続きましたが、Tさんは持ち前の仕事に対する真摯な姿勢で、着実に作業のスキルを身につけてきました。入社2年目にして、早くも貴重な戦力になっています。仕事上の報告や確認もタイミングよくできるようになってきました。

 

Kさん(主な業務:室内清掃・事務補助)
入社前はお菓子の会社3社で通算20年ほど勤めた後、区の福祉センターへ通っていました。ちょうど早稲田大学が会社を作るときに実習に行き、採用されました。入社時は落ち葉清掃とゴミ回収作業、現在では給湯清掃や消毒などの室内清掃、事務補助作業を担当しています。学生会館の給湯スペースは学生さんに気持ちよく使ってもらえるようきれいにしています。事務補助では資料の差し替えや封入、高等学院への出張もあります。書類を折らないよう、数を間違えないよう気を付けています。入社して約14年、自分の経歴では一番長い職場になりました。これからも頑張っていきたいです。

(伴マネージャーによるコメント)
設立当初のメンバーの一人で、会社の業務沿革に沿ってほとんどの作業を経験してきました。初めての業務にも果敢にチャレンジして仕事の幅を広げてきたベテランです。後輩スタッフへのタイムリーな声がけ、社員への要所での報告など、さまざまな場面で貢献しています。

 

質疑応答

Q:学生が飲み終わった後のペットボトルをどのように捨てたらよいか、教えてください。
A:空の状態で、できれば中を水ですすぎ、キャップ・ラベルを取って、スケルトンのごみ箱(回収BOX)に入れてもらえると助かります。吸殻やティッシュ等が入っていると、リサイクルができず廃棄物になります。飲み残しがあったりボトルが潰されていたりすると水ですすぐのも大変で、処理が増えてしまいます。

Q:トイレを利用する際に学生が気を付けるべきことはありますか。
A:きれいに使っていただくに越したことはないのですが、スタッフも掃除中に察しがつかず、利用されたい方のお邪魔になっていることがあるかもしれません。そんな時は、一声かけていただければと思います。
最近はラウンジなどでオンライン授業を受けている方も多く、そのようなときはなるべく音を立てないよう清掃を控えることもあるので、清掃してほしい場所があったら声がけしていただければと思います。

Q:ポラリスでは、どのような評価基準で採用・評価していますか。
A:働くのに必要な体力、集中力、ルール順守、コミュニケーションなどの項目について、複数の社員による評価を点数化しています。複数回の実習で様子を見て、安定して頑張れるかを総合的に評価し、適所に配置しています。

Q:障がいのある方を採用してもすぐに辞められてしまう職場は他では多いと聞きますが、社員の方の在籍歴が長く、スピーチされた社員の皆さんは活き活きとやりがいを感じながら仕事をしているように見えます。ポラリスという会社は働きやすいということでしょうか。
A:大学は教育機関ということもありますし、縁があって入社してきた障がいのある方々が仕事をとおして少しでも成長してほしいとの願いから、研修に力を入れています。理解や応用がむずかしい人もいますので、文字だけでなく写真や図示するなど伝え方を工夫しています。苦手なことも人によりさまざまなので、出身校や支援機関、家族と情報共有し、サポート体制を組んで仕事を進めています。

Q:さまざまな特徴のある方と協働していくために重要だと思うこと、こうすればよいと思うことなど、学生へのアドバイスがありましたら教えてください。
A:「こういうこともある」という姿勢、つまり「OKの範囲を広げていく」よう心がけてきました。自分の理解や経験の枠にあてはまらない状況があっても、自分の感覚や基準で簡単にダメとはみなさず、まずは多様性を認める、その人のあり方をそのまま受け止めることが大事なのだと思います。

 

 

受講生の声(抜粋)

・知的障がいのある方のお話を聞いたのは初めてでした。自分が何気なく利用している大学が、大変な労力によって維持されているということも初めて知りました。障がいと聞くと、とかく「できないこと」に注目してしまう風潮がある気がしますが、「できること」を最大限に生かして働かれている姿が印象的でした。「OKの幅を広げる」という言葉が印象に残りました。だめ・OKの基準を自分の感覚で決めつけていないかという問いかけが自分に問われているようでした。

・私が就職予定の企業も、障がい者雇用に力を入れています。自らが考えている事とは違った角度から物事を考えているであろう障がい者の方々とも、積極的に交流をしていきたいと思います。

 

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