Office for Promotion of Equality and Diversity早稲田大学 ダイバーシティ推進室

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【開催報告】3/11 セミナー「ハラスメントを考える ~快適な環境の中で研究活動に専念するために~」

2021年3月11日、講師・ファシリテーターにハラスメント防止委員会委員長の越川房子教授、ファシリテーターにジェンダー研究所の村田晶子教授をお招きし、セミナー「ハラスメントを考える ~快適な環境の中で研究活動に専念するために~」をオンラインにて開催しました。第1部講師講演、第2部グループセッションの二部構成で実施し、大学院生・学部生20名が参加しました。

第1部 講演

ハラスメントについて学ぶこと

「ハラスメント」とは、性別や年齢、職業、宗教、社会的出自、人種、民族、国籍、身体的特徴、セクシュアリティなどの属性、あるいは広く人格に関する言動などにより、相手に不快感や不利益を与え、その尊厳を傷つける「人権侵害行為」で、その行為を受けた人の自信や意欲を失わせたり、心身の健康を悪化させたりして、その人の十分な能力の発揮を妨げていくものです。早稲田大学では、このようなハラスメントの定義や問題解決のプロセスなどを示したハラスメント防止に関するガイドラインを制定し(2015年4月)、すべての学生、生徒、教職員等が個人として尊重され、ハラスメントを受けることなく就学または就労することができるよう、十分な配慮と必要な措置への最善の努力を傾けることを宣言しました。

ハラスメントについて学ぶことは、皆さんが快適な環境の中で勉強や研究に打ち込むために役立ち、自分と他者を守ることにもつながります。

ハラスメントの類型

大学で発生しやすいハラスメントにはセクシュアル・ハラスメント」「アカデミック・ハラスメント」「パワー・ハラスメント」の3つのタイプがあります。具体的にどのような行動がハラスメントに含まれるのかイメージしてみてください。

「セクシュアル・ハラスメント」

相手の意に反する性的言動を指す。性的な暴力から性的なジョーク、からかいなどが含まれ、異性間に限らず、同性間もセクハラの対象になり得る。現在はコロナ禍のため集まっての飲食機会はないが、飲酒により不必要なボディタッチがされるなど、お酒は適量を超えると自分自身や他者を守れなくなるので注意が必要である。

・不快と感じる身体接触を受けた。
・年齢、体型、容姿、服装についてことさらに言われた。
・教員やサークル等の先輩など、断りにくい相手から個人的に何度も食事に誘われる。
などが該当する。

「アカデミック・ハラスメント」

教育研究指導上不適切であったり逸脱したりする行為。(アカデミック・ハラスメントと厳しい指導は厳格に異なる)

・指導教員が正当な理由なく必要な指導をしてくれない。
・指導教員が正当な理由なく研究室への立ち入りや授業への出席を禁じた。
・指導教員が学生の研究成果を不適切な形態で自分の論文に使った。
などが該当する。

「パワー・ハラスメント」

優越的な関係に基づき、業務の適正な範囲を超えて行われる行為。大学院生は、学部生などに対してこのパワー・ハラスメントの加害者になるということも起こり得る。

・TAなど学内アルバイトで、業務管理者である教員または先輩から不当な労働を強要された。
・ゼミやサークルでの飲酒の強要、酒席や食事に一緒に行くように強要された。
などが該当する。

「モラル・ハラスメント」

上下関係はなく、相手に精神的なダメージを与えることを目的とした加害行為。

・話しかけられても無視をする、必要な情報を渡さない。飲み会に一人だけ誘わない。
・悪口をわざと本人に聞こえるように言う、周囲に広める。
・仕事を振らない、簡単な仕事しか任せない。小さなミスをしつこく指摘する。
などが該当する。

「SOGIハラスメント」

性的指向・性自認に関連して、差別的な言動や嘲笑、いじめや暴力などの精神的・肉体的な嫌がらせをすることや、望まない性別での生活の強要、不当な異動や解雇をすること。本人の同意なくその人の性的指向や性自認を他者に漏らすアウティングも含まれる。

・「レズ/ゲイなの? 狙わないでよ」
・「女なんだから化粧くらいすれば?」「男なのに化粧するの?」
・「この前カミングアウトされたんだけど、あの人、ゲイ/レズなんだって」(アウティング)
などの発言が該当する。

大学院生は「被害者」「加害者」どちらにもなり得るということを心に留めておいてください。この他にも、ネットによる誹謗中傷、障がい、異文化、宗教などについての心ない言動に関する相談を受けることがあり、こうしたハラスメントは自分にない属性、多様性(ダイバーシティ)を受け入れられないという心理的背景から生まれます。私たち一人ひとりはまったく同じ人がいない、世界にたったひとつのユニークなものとして存在しています。自分と異なる存在がいてくれるからこそ、自分が何者であるかを知ることができます。自他の違いを心から尊重できるような人、多様性をあたたかく包み込む大学でありたいと願っています。

ハラスメントの防止に向けて
  • ハラスメントを「しない」

人間の感情には個人差があります。自分ではハラスメントと感じられない場合でも、他者にとってはハラスメントと感じられる場合があります。「自分はそういうつもりではなかった」「自分は善意のつもりだった」「相手のためを思ってしたこと」「嫌がってなかった」など、自分としては強制したつもりはないといった主観的な物差しが許容されるわけではないということを認識してください。加害者とならないようにするためのポイントは、相手を個人として尊重しているかどうか、自身の言動を客観的に振り返る力と習慣です。

  • ハラスメントを「させない」

研究や人間関係を失うことを恐れ、はっきりと断らずに我慢するということがあります。我慢を続けることでさらに状況が悪くなったり、自分の体調を崩してしまったり、研究や勉強が続けられなくなってしまうということが起こり得ます。実際、我慢し続けることは、問題をその解決から遠ざけてしまいます。問題行動をやめてもらう手立てとして「やめてほしい」、「いやだ」と意思表示をすることは、自身を守るためにとても大切なことです。どのように伝えたらよいか、仕返しをされるのではないかと不安を感じる場合は、一人で考え込まずに信頼できる人や相談機関(学内ではコンプランス推進室の相談窓口)に勇気をもって相談してみてください。

  • ハラスメントの相談を受けた時

ハラスメントに関する相談を受けたら、「耳を傾ける」、「先読みしない」、「性急に結論を出そうとしない」、「相談を持ち掛けてくれたことを肯定的に評価する」などの対応が望まれます。(臨床心理学では傾聴と呼びます。)「あなたにも悪いところがあるんじゃないの」などの発言は二次被害になり得るので、こうした発言は慎んでください。また、専門家でないあなたがすべてを抱え込んでしまうことは危険なので、相談してきた方にコンプライアンス推進室の相談窓口を勧めてください。ハラスメント被害にあっている人は、その被害について言い出しにくいものなので、その人が相談を迷ったりしている場合は友人のあなたが相談することもできます。

「コンプライアンス」の訳として、日本では法令順守が用いられることが多いですが、法令を守るのはあたりまえのことで最低限のことにすぎません。「コンプライアンス」はこれを超えて、「法令のみならず、組織内のルール、規範、倫理、道徳、社会規範などを守るということを含む広い概念」です。コンプライアンス推進室は、学内のコンプライアンスに関わる適正かつ迅速な事案対応や効果的な運営のために設置され、その相談、通報などの受付窓口を一本化しました。ハラスメントの防止がコンプライアンスに含まれるという知識、このたび名称を変えた相談窓口について、さらに啓発していく必要性を感じています。

質疑応答

質疑応答では、ファシリテーターの村田晶子先生にもお入りいただき参加者からの質問に応じました。

Q:研究室などの上下関係からはっきり相手に伝えることができない場合はどうしたらいいか。

A:話せる周囲に相談して間接的にその人に伝える方法がある。他には、「先生(または先輩)からいただくコメントは大変勉強になるのでこれからも失いたくない」「ただ、厳しい指摘のされ方が自分にとってはちょっと辛い」などと、葛藤する両方の気持ちをそのまま相手に伝える方法もあるのではないか。

Q:そもそもハラスメントに対する認識の低い人に理解を促すためにはどうしたらいいか。

A:無理強いしても、人はそれを生きる知恵として活かしていけないと考える。目の前で起こっている誰かの人権が尊重されていない状態を見聞きし、同じ人間として何か感じることはあると思うので、ハラスメントという言葉は使わなくてもこのような気づきを共有することができればよいと感じる。

大学としては、ハラスメントを防止することのメッセージを送り続ける責任があると考えている。問題意識の捉え方は人により様々なので、多様な問題に気づけるような入口を用意できればと思う。

第2部 グループセッション

第2部のグループセッションでは、2つのグループに分かれ、参加者が感じるハラスメントについての身近な疑問や問題意識について、参加者とファシリテーターが双方向の対話をしました。企業やアルバイト先のハラスメント教育への関心、zoom授業での孤立感、周囲に相談すること大切さへの気づき、研究室が閉じられた空間であるからこその相談先の知識などについて意見が交わされる過程で、それぞれの思いを共有することができました。

ファシリテーターからは、「事が大きくなる前に、気軽に相談できる場所としてコンプライアンス推進室とつながってほしい」とのメッセージがあり、すべての参加者にとって満足度の高いセミナーとなりました。

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