Office for Promotion of Equality and Diversity早稲田大学 ダイバーシティ推進室

News

ニュース

時間の「隙間」を探って、時間を「作る」努力  文学学術院 准教授 ピタルク パウ

連載 ワークライフバランス挑戦中! 第21回

時間の「隙間」を探って、時間を「作る」努力

文学学術院 准教授 ピタルク パウ

 

誰が言ったかは覚えていないけれども、数年前、子育てについてこういうことを聞きました。「子どもが生まれる前に親はよくお金のことを心配したりする。お金が足りるのかなって。けれど、なんとか工夫すれば、お金はいつでも作れるものです。実際のところ、親になったら、本当に足りなくなるのは時間です。しかも、子どもにどれだけの時間を捧げても、親として十分に時間を与えられていないという罪悪感は常に残り続けるのです」。自分の子どもが生まれてから、まさにそうであると実感しました。

姉妹初対面

私には2016年と2019年生まれの娘が二人いますが、彼らが生まれたときはどちらも、取得を許される期間分の育児休職をとりました。休職後も、できるだけ多くの時間を娘たちに割きたいと思って、今までやってきました。私よりも妻の仕事の方が労働時間が長いので、平日は娘たちの保育園の送り迎えや、晩ご飯の面倒、寝かしつけなど一人でやることが多いです。それは親として当然の義務だと思いますが、それでもやはり、仕事のいろいろな業務とうまく組み合わせることは難しいです。
幸い、娘たちが保育園で18時までいられるおかげで、授業をしたり、会議に出たりなどの日常の業務は普通に行えますが、研究・論文執筆の時間は寝かしつけの後にしか作れなくなりました。学会、講演会などのようなネットワーキングイベントに参加するのも非常に難しくなっています。昔はゆっくり考える時間であった週末は、今はどこかの公園でバタバタしている娘たちを追いかける時間になってしまいました。もちろん、娘たちと一緒に過ごす時間は楽しいときもありますし、娘たちの目を通して世界を再発見することは親にならないと味わえない有意義な経験だと思います。しかし、そうであったとしても、親としても教員としても中途半端な業績しか残していないという罪悪感を日々抱かざるを得ないのです。そうした感情を払拭できるには、親と教員の最低限の責任を果たすために、時間の「隙間」を探って、時間を「作る」努力をするしかないでしょう。

自分で作ったほうが美味しい

各家庭の状況は百人百色ですが、出産後、両親が二人とも最低でも2、3か月の育児休職を取るべきだと思います。その時期は、身体的にも精神的にももっとも大変になるからです。慢性的な睡眠不足のことは広く知られていますので、ここで触れなくてもいいでしょう。そうした知られていること以外にも、大変なことは数え切れないくらいあります。出産・子育ては一般的に「自然」な現象として捉えられているので、「自然に」=「楽に」できると思われがちなのかもしれません。しかし、実際に体験すると、「自然」は決して「楽」ではないとすぐに分かります。例えば、出産は母体に信じられないほどの重い負担となるのです。難産の場合には負担は一層重くなりますが、ずっと何もトラブルがなく、最良の場合でさえも、出産後に母体が「普通」の状態に戻るまでには数週間がかかります。その時期は回復中のお母さんにはできるだけのサポートが必要となるので、夫・父として彼女の側にいるべきでしょう。新生児は本能的に哺乳の仕方が分かるはずと思っていたら、実際には授乳も最初は意外と難しく、精神的に辛い経験になる場合が多いと思います。

出産や育児にまつわる予想以上に多くの負担や困難を乗り越えるためには、特に出産後の数か月、両親は二人とも育児休職を取るべきでしょう。そうすることで、この困難・発見の多い時期に家族として、カップルとしてお互いにサポートし合ったり、一緒に手を取り合って挑戦するのが最適だと思います。

 

手話の絵本に興味津々

■略歴:

バルセロナ自治大学文学部卒業(比較文学)。修士(東京大学、言語情報科学)、

博士(コロンビア大学、日本文学)。ニューヨーク市立大学クイーンズカレッジ助教授

を経て、2017年より現職。2019年 4月より 11か月の育児休職取得中。

■専門領域:日本近代文学

■家族構成:妻と娘2人の4人家族

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/diversity/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる