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【開催報告】11/5公開講座「企業におけるLGBTに関する問題」

2019年11月5日(火)、早稲田キャンパス7号館307教室にて、「WSCメンバーズ基金講座『LGBTをめぐる法と社会』」第5回授業「企業におけるLGBTに関する問題」を公開講座として開催いたしました。
今回の講座では特定非営利活動法人「LGBTとアライのための法律家ネットワーク」ご協力のもと、同法人理事であり野村不動産ホールディングス(株)取締役監査等委員、野村不動産(株)監査役を務められる高山寧(たかやまやすし)氏と、同じく同法人理事でありGEジャパン株式会社執行役員ゼネラルカウンセルを務められる大島葉子(おおしまようこ)氏をお迎えしました。両氏から「企業におけるLGBTに関する問題」をテーマとして講演いただいたうえで、参加者の方からいただいたコメントをもとにさらに議論を深めるという形式で実施した本講座には、学内外から62名の参加がありました。

高山 寧氏

まず我が国における企業のLGBTへの取り組みに関して、高山氏より講演がありました。企業がLGBTに関する取り組みを実施する意義、経団連提言「ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて」から見える日本企業の意識や実情が説明され、続いて野村グループの社内規定等の変更から人事制度の改定、国際的な行動基準への署名まで幅広い範囲に及ぶ具体的な取り組み事例が紹介されました。

大島 葉子氏

次に大島氏からは、同性婚の法的制度に関する世界の現状の紹介があり、さらにLGBT+の権利に関する政府レベル・企業レベルでの取り組みについて、パスポートへ性別「X」としての記載する当事者のストーリーに触れながら論じられました。また、グローバル企業であるGEグループとGEジャパンの取り組み事例が紹介され、「同性カップルへの福利厚生制度導入にあたり、全地方公共団体で制度が整備されている訳ではない現状で証明書類の提出をどうするか検討が必要だった。虚偽の申請のリスクも議論はしたが、極めて個人的な情報を会社に開示しての申請は非常に勇気がいる、かつ会社を信頼してくれての行動であることを踏まえ、そこは社員を信頼し、当面は自己申告で対応することした」という裏話にも言及されました。

最後に両氏より再度企業がこのような取り組みを行う意義として、「ダイバーシティ&インクルージョンの根幹は『ありのままの個の尊重』であり、誰もがなんらかの面でマイノリティになり得ることを想起しマイノリティに思いを致すことが、すべての人が活き活きと個性を発揮する職場をもたらし、生産性向上・企業の成長に繋がる。活き活きと自分らしく働き続けるためには職場を離れた生活環境もまた同様に重要であり、そういった社会実現のため、会社の中だけでなく外に向けて活動をする必要がある」と論じ、講演をまとめられました。

講演後は参加者からコメントシートを募り、講師がこれに対してさらにコメント・意見を述べるという形式に移行し、「取り組みを一過性のもので終わらすのではなく、企業に根付いたものにするためには?」、「年代間の意識のギャップの解消法は?」、「日本における同性婚制度化の見通しは?」、「アライになるためのアドバイスは?」といったさまざまな質問について議論が交わされる中、会は終了いたしました。

当日実施したアンケートでは「ハード(制度)の整備とソフト(人の心)の充実は車の両輪という部分に非常に感銘を受けた。自分の就活に非常に役立つ公開講座となった。」「『LGBT』という言葉だけでなくアライの存在もより広く認知されていけばいいなと思いました。」「カミングアウトをしてくれた人には、寄り添って話を聞いてみる姿が大切との言葉をまずは行ってみます。」といった感想が寄せられ、多くの方にとって満足度の高い公開講座となったようです。

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