Office for Promotion of Equality and Diversity早稲田大学 ダイバーシティ推進室

日常の挨拶から変えてみよう 人間科学学術院・佐藤将之准教授

連載 ワークライフバランス挑戦中! 第18回

日常の挨拶から変えてみよう

人間科学学術院准教授 佐藤将之

私にとってワークライフバランスの挑戦は、ダイエットと同じくらい難しい。3日坊主。いや1食?1晩?しか続かない時もある。ひとりでは難しくなってきたので、「みんなで僕を助けて!助け合いましょう!」っていうのが正直言いたいところ。「とりあえず、みんなでかたちから始めませんか?」という文章として読んでいただきたい。この執筆を日曜にする時点でワークライフバランスが崩れているという解釈もあろうが、今日は父の日だし、息子が宿題に取り組む短時間でなんとか終わらせたい。僕は、1年間の特別研究期間をいただき、ドイツで家族(2人の息子と妻)と過ごし、日本では困難だった平日の夕食と入浴を息子たちと毎晩ともにすることができた。その際に、ワークライフバランスについて強く考えさせられた。日本を発つ直前まで、学術院長補佐(学術院執行部)として4年間過ごした直後のドイツだけに、感じ方も間違いなく敏感だった。まだ1年経たない今だから感じていることを正直に綴りたい。

住んでいた集合住宅での懇親会(住宅の管理人と踊る長男、奥に次男)

1 挨拶から変える

ドイツでは金曜の挨拶が「美しい週末を!(schönesWochenende)」だった。月曜には週末をどう過ごしたかを聞かれたりする。日本だと、「あれは終わった?」「忙しい?」と聞かれ、遊んで過ごすことを口に出しづらい。仕事に関する忙しい自慢は止めて、どれだけ週末や趣味が充実しているかを分かち合える職場環境にしたい。

実は上記は、教授職と事務職は違う可能性もある。脱線がてら加筆しておきたいのは、学術院長補佐期間に事務のみなさんと懇親して、仕事以外のお話もできたのが非常に楽しかった。特別研究期間ならぬ、「特別事務期間」を設置して懇親を深めたり、お願いする側とされる側など多様な立場の体験を経るのも良いように思う。

──話を戻すが、上記の生活に関わる挨拶をすることは、自身のワークライフバランスを確認できることである。ダイエットで言えば、体重計にのることによって、自分の状態が確認できていることに当たりそうだ。

ドイツ日本人学校での運動会。芝生のサッカー場を借りて行われ、左奥のクラブハウスでビールを購入し、飲みながら親どうしの懇親が深められた

2 学内の飲食可能な場所を広げ、懇親会を行いやすくする

ドイツで滞在した研究室では、研究室を会場とする主に金曜夕方からの飲み会があった。学生は付き合っている彼氏・彼女を連れて来たり、教授も家族連れで、私も家族を連れてくるよう言われて学生に息子たちと遊んでもらったりした。滞在した研究室が特別なわけではなく、公園やグラウンドにはビアホールがあり、多様な懇親の場があった。住んでいた集合住宅でも(左段の写真)。日常での生活の話を展開するには、互いの家族を知っていた方が理解が深まることは言うまでもない。場の持つポテンシャルをあげるために、ぜひ学内に教員・学生・職員らが、時にそれぞれの家族や地域の人々を含めて飲食しながら親睦を深めることのできる場の拡大を検討いただきたい。

──でもこれはダイエットにはならない。酒は楽しいものだ。その分、運動するしかない。

私は、ワークライフバランスがとれていないことについて「趣味を仕事にできているからバランスを保てなくてもしょうがない」と言い聞かせてきた。以上の様に、週末を楽しめることで、平日の仕事への集中力を上げる原動力としたいところだ。

ドイツの週末に家族でスケート(手前が次男、右奥に筆者)

略歴

1975年秋田生まれ。秋田高校、新潟大学工学部卒業、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。江戸東京博物館委嘱子ども居場所づくりコーディネーター等を経て現職。2児(小3と小5)の父。

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