Office for Promotion of Equality and Diversity早稲田大学 ダイバーシティ推進室

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【公開シンポジウム】早稲田大学ダイバーシティ推進室開設1周年記念シンポジウムダイバーシティと早稲田大学の使命(開催報告)

<開催報告>

2017年8月2日に、早稲田大学ダイバーシティ推進室開設1周年を記念して、公開シンポジウム「ダイバーシティと早稲田大学の使命」を大隈記念講堂小講堂にて開催いたしました。当日は182名の学生・教職員・一般の方が参加され、170802_yaguchi_b講演に耳を傾けました。
冒頭、ダイバーシティ推進室長の矢口徹也教授より、開会の挨拶がありました。2007年の「早稲田大学男女共同参画宣言」から、2017年の「早稲田大学ダイバーシティ推進宣言」に至るまでの本学の歩みをご紹介されながら、「今回で3回目となるこのシンポジウムにおいて、本学のダイバーシティ推進における課題や目標を全学で議論・共有する場としたい」と述べられました。
続いて、畑惠子ダイバーシティ推進担当理事より、本年7月1日に「早稲田大学ダイバーシティ推進宣言」が公表されたことについて170802_hata_a報告がありました。
ダイバーシティに関する宣言はほかの大学でも見られるが、本学ではダイバーシティ推進室、スチューデントダイバーシティセンターを設置し、全学的な体制が整ったうえで、宣言を行うという形式をとったという経緯の説明に加え、宣言が単に構成員の意識向上を促すだけのものでなく、大学が社会のあるべき姿へ牽引する力となるべく、広く社会へ発信すべきものである旨強調されました。

基調講演1 「近未来の日本の人口構造とダイバーシティ-理系研究者の視点から-」 竹内 淳 理工学術院長

170802_takeuchi_b理工学術院竹内淳教授の基調講演は、まず日本の人口構造のお話から始まりました。
第二次ベビーブームを境に18歳人口は減少する一方で構造的不況業種である大学は学生の教育という点で大きな問題を背負っていることや、将来的に高齢者の数はそれほど変わらないにも関わらず、人口全体の数は急速なスピードで減っていくため、高齢者の割合が相対的に高くなる、つまり現役世代の負担が過度に大きくなり、日本社会が崩壊する可能性すらある、といった人口構造から予想される将来の問題点を挙げ、このような点からも女性の参画が必須であるという指摘をされました。
また、いくつものグラフや表から、日本の研究者に占める女性の割合が国際的にみて著しく低く、かつ最近10年間で改善されていない状況を示し、このような状況は女性研究者に限られた話ではなく、国内の女性全体に該当することであること、この一つの解決法としてポジティブアクション(アファーマティブアクション)について、誤解のされやすい内容でありながらも、海外の事例などを含めながら、その有効性について述べられました。

基調講演2 ダイバーシティ推進に向けた障がいがある学生の支援の取り組みと課題 -障がい学生支援室への期待- 藤本浩志 人間科学学術院長

170802_fujimoto_b人間科学学術院の藤本浩志教授による基調講演は、ご自身が学生の時に研究をされた動力義足による階段歩行支援の映像を見ることから始まりました。当時、障がい者の義足を開発することで、歩行機能を回復させるという考え方から研究対象とした、ということをお話される一方、今の学生には同様の研究を勧めない理由として、「現在の考え方というのは、個人が問題を背負い込むというようなものではなく、インフラの整備によって解決する、つまり階段を個人の義足で登らせるのではなく、エレベーターを設置する、という『ノーマライゼーション』という方向に変わっている」という状況を説明され、当時と現在の障がいに対する考え方が大きく変わっていることを紹介されました。
また、本学障がい学生支援室の設置や「早稲田大学障がい学生支援に関する基本方針」の制定といった本学の取り組みを紹介しながら、「合理的配慮」の有り方に話題を移し、「合理的配慮の有り方には模範解答があるわけではなく、今後継続的な検討が必要であること、障がい学生への支援を一般化し、教職員を含む全構成員へと展開され、これが更に障がいがある人に限らず広がり、結果として本学ダイバーシティ推進に貢献することを期待したい」と今後の課題と期待を述べられました。

ご報告 スチューデントダイバーシティセンターの現状と課題:新設のGSセンター(ジェンダー・セクシュアリティセンター)を中心に 三神 弘子スチューデントダイバーシティセンター長

スチューデントダイバーシティセンター長である三神弘子国際学術院教授からは、今年の4月に開設したスチューデントダイバーシティセンター、特にGSセンターについて「センターは性的マイノリティに限らず、多様な性のあり方に間口を広げるため、『GS(ジェンダー・セクシュアリティ)センター』という名前を採用した」という命名の由来や、「センター開設からこれまでの4カ月で、延べ397名の来訪、51件の個別相談があり、こういったニーズが学内に確かにある」というセンター開設後の状況のお話がありました。170802_mikami_b
また、複合マイノリティや留学生への対応など、センターの体制の更なる充実が必要であることや、学内のポスターがはがされるなど、差別や偏見が表面化したと考えられるような事例も報告されており、コミュニティにおけるダイバーシティの意識を高める努力がより一層必要である、という認識を述べられ、今後のセンターの取組に対する理解と協力を求められました。

質疑・応答

170802_etc_a質疑応答では、進行役である矢口教授が会場からの質問シートをまとめながら、登壇者やコメンテーターである橋本周司副総長にお話を伺いました。
まずは大学として合理的配慮をどのように進めるべきかということについて、藤本教授から、「合理的配慮の相場観については、全国高等教育障害学生支援協議会に入会するなど、他大学と連携をすることによって、経験の共有と蓄積がし易くなった。これは今後に向けた明るい話題である。合理的配慮は、決して無理なことを強いられ、義務として対応するものでない。早稲田大学としては、「高み」を目指していきたい」という見解が示されました。
次に、理工系女子学生・女性研究者の今後についての質問に対しては、竹内教授より、「現状の理工系女子学生は学部より、大学院、大学院でも特に博士となる女性割合が低く、長期的な視点に立てば、修士・博士の女子学生を増やす必要がある。現在の取組として、少額ではあるが、女性に対しての研究助成を厚くする、ということも理工学術院ではしている。職員でも優秀な女性管理職が理工にはおり、ロールモデルとなっているのではないか」と回答されました。
性的マイノリティ支援として、教職員への対応をどう進めるか、ということについて、三神教授は「全学的な取組となり、スチューデントダイバーシティセンターで蓄積した経験を活かしながら、ダイバーシティ推進室と連携して対応する必要がある」と強調され、これに加えて、畑教授より、たとえば事実婚をどのように扱うか、というような福利厚生の制度整備の検討を始めている旨報告されました。
これまでの登壇者の発言を聞き終え、170802_hashimoto_a橋本周司副総長からは、「ダイバーシティの推進は、生産力の維持・向上、多様性の確保という功利的な理由と、困っている人がいれば助ける、人は皆平等というようなヒューマニズムから来る理由の2つからなっており、現時点ではこの2つが同じ向きを向いているが、これが将来もそうであるとは限らない。大学はダイバーシティの推進に熱心に取り組んでいる一方、大学へ入ることができる人とそうでない人を分ける入学試験を行っており、この点にうしろめたさを持っているのではないか。大学は将来どうあるべきなのか、利とヒューマニズムが同じ向きを向いている今のうちに、考える必要があるのではないか」という考えを述べられました。
終わりに、矢口教授より「橋本副総長のご発案で始まったこのシンポジウムも今回で3回目となるが、回を追うごとに本学のダイバーシティについての議論を深めることができた、と思う。未だ課題は多いもののGSセンターの開設のような具体的な取り組みも進んでいる。今後はさらに多くの教職員の方々の協力を得て課題の解決に取り組んでいきたい。竹内先生や藤本先生のように学術院長を務められている方からダイバーシティについて具体的な提言をいただいたことは、ダイバーシティ推進室長として励まされた思いであった。今回、ご参加いただいた皆様には、今後の早稲田大学のダイバーシティ推進の取組へのますますのご理解とご協力をお願いしたい」と述べられ、会を締めくくられました。

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