Office for Promotion of Equality and Diversity早稲田大学 ダイバーシティ推進室

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ダイバーシティ推進だよりvol.3

性的マイノリティを取り巻く現状 ~教育現場の変化~

kotoba_bouryoku_business_mm  性的マイノリティ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー等)への社会的な関心の高まりと共に、当事者が学び、働き、暮らしやすい社会の実現に向けて、行政・企業・自治体・教育機関などの取り組みが急速に進んでいます。

私たちの13人に1人は性的マイノリティであるという調査(*1)があり、人口における割合は左利きの人と同程度存在すると言われています。しかしながら、学校教育の中で性的マイノリティについて学ぶ・正しい知識を得るという機会が少なく、カミングアウトしている人もごくわずかです。知識や存在を知る機会が少ないため「うちのクラス・職場にはそういう人はいない」と思い込んで差別的な発言をするケースや「性的指向は選べるものだ」「いつか治るものだ」などという誤解も多くあります。また、わが子が性的マイノリティだと知り「子育ての仕方が間違っていたのではないか」と悩むケース等もあります。

figure_nakama_hazure 「差別的な発言を職場や学校で聞いた」と回答する性的マイノリティは、71%に上ります(*2)。 周囲の無理解によって、日々の生活の中でネガティブなメッセージが発信される影響は大きく、当事者の差別被害経験率や自殺率は、子供の頃から高いことが分かっています。こうした現状を受け、文部科学省は2015年4月、性的少数者の子どもに配慮するよう、都道府県の教育委員会に通知を出し、翌年には教員向けの手引を公開しています。また、2017年1月には性的少数者に対するセクハラ的言動が、男女雇用機会均等法の規制の対象となることが法律で示されました。

(出典: *1 電通総研 2015年「 LGBT調査2015」*2 宝塚大学看護学部 教授 日高 庸晴 2016 「LGBT当事者の意識調査」 )

差別的言動が少ない職場は、全員の勤続意欲が高い

enjin_circle_wakamono 性的マイノリティに対する差別的言動が少ない職場ほど、当事者のみならず非当事者の勤続意欲も高い傾向にある、という調査結果(*3)が出ています。また、性的マイノリティに対して肯定的な感じ方をする人は、外国人や障がいを持つ人に対しても肯定的であり、 「男は仕事、女は家庭」といった性別役割分業意識を持たない割合が高いなどの分析結果(*4)も出ており、性的マイノリティの労働環境の改善は、当事者の働きやすさだけではなく、他のマイノリティを含めたすべての構成員の働きやすさにつながる取り組みとして、多様性を受容し合える組織風土の醸成に欠かせないと考えられています。

当事者のカミングアウト率は、「友人へが13%」に「家族へが10.4%」に「職場へが4.3%」に(*5)と多くはありませんが、カミングアウトを受けた側の理解度が追い付いていないことによるトラブルが起きており、カミングアウトされた側への支援も必要とされています。性的指向・性自認について、本人の了解を得ず暴露することを「アウティング」といい、2015年4月には同性愛の恋愛感情を告白した相手によるアウティングをきっかけに、男子大学生が転落死してしまう事件が起きました。

出典:*3 Nijiiro Diversity, Center for Gender Studies at ICU「LGBTに関する職場環境アンケート2016」, *4「日本におけるクィア・スタディーズの構築」研究グループ2015「性的マイノリティに関する意識調査],*5 株式会社LGBT総合研究所2016年度「LGBT意識行動調査」)

多様性を尊重し合える組織になるために ~すべてのマイノリティーへの対応を~

lgbt_rainbow_flag 「性的マイノリティーに対して、差別をすることなく働き・暮らし・学びやすい環境をつくろうとしていること」をLGBTフレンドリーといい、組織の義務となりつつあります。また、オリンピック憲章に「性的指向による差別の禁止」が明記されており、開催国はこれに準ずる必要があることが追い風の1つとなり、ここ数年で急速にLGBTフレンドリーな組織が増加しています。しかしながらLGBT対応は、ダイバーシティ推進の一つに過ぎません。外国人・障がい・女性活躍推進など他のマイノリティへの対応力をつけることが、非当事者を含めた職場の働きやすさを高め、社会から信頼を得られる組織として発展していくために欠かせない要素となっています。

 2017年4月、性的マイノリティ学生およびその支援者のホームグラウンドであると共に、ジェンダー・セクシュアリティに関心のある全ての人々が自由に利用できるフリースペースとして早稲田キャンパス10号館2階にGSセンターが設置されました。 https://www.waseda.jp/inst/gscenter/

 

【ダイバーシティ推進だより 一覧】

vol.1 「男性の家庭参画 最新事情」 2017年6月6日発行

vol.2 「男性育休取得職員 座談会」 2017年6月27日開催

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