Office for Promotion of Equality and Diversity早稲田大学 ダイバーシティ推進室

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【公開講演会】ダイバーシティと「LGBT」、セクシュアル・マイノリティをめぐって

開催報告

2016年10月28日、早稲田大学ダイバーシティ推進室主催の公開講演会「ダイバーシティと「LGBT」、セクシュアル・マイノリティをめぐって」が小野記念講堂にて開催されました。当日は、140名の学生・教職員・一般の来場者があり、「ダイバーシティ」について考え、模索するよい機会となりました。

内容

1.開会挨拶ダイバーシティ推進室長矢口徹也(教育・総合科学学術院教授)
2.講演「ダイバーシティと「LGBT」、セクシュアル・マイノリティをめぐって」
藤田裕喜氏(NPO 法人レインボー・アクション代表理事・事務局長)
3.質疑応答
司会進行 弓削尚子(法学学術院教授)

161028_藤田氏2冒頭、矢口徹也ダイバーシティ推進室長より開会の挨拶がありました。「早稲田大学は、創立125年をむかえた2007年、「男女共同参画宣言」を発表して男女共同参画に取り組んできた。今年2016年7月に、ダイバーシティという幅広い観点から体制を見直し、ダイバーシティ推進室が開設された。本来「university」は多様であり、個性を尊重し、互いを認め合い成長することができる場所であるはずであるが、実際には課題も存在する。早稲田大学がこれからの「ダイバーシティ」をどう考え、何を目指していくのかについて、共に考えることが本講演会開催のねらいでもある。本日は、本学の一卒業生でもある藤田さんにメッセージをいただきたい」との期待が語られました。
続いて、司会の弓削尚子教授より、講師 藤田裕喜氏について、在学中のゼミ活動で残した「あとがき」の内容に触れながら紹介があり、講演の本題に入りました。

藤田氏より、はじめに、ダイバーシティへの距離感や危機感を覚えるふたつの事例を挙げ、3つの要素「思惑」「現実」「矛盾」から批判的に捉えること、これを踏まえ、早稲田大学がダイバーシティを推進するとはどういうことか、提案・メッセージを伝えたいとの講演概要が伝えられました。

161028_藤田氏1事例のひとつめとして、渋谷区の「同性パートナーシップ条例」が挙げられました。条例制定は渋谷区のイメージアップに貢献したが、パートナーシップ証明の発行には異性婚にはない高額な費用がかかることや、男女と性的少数者における人権取扱いに相違があること等から、条例自体が差別そのものと考えられる。「LGBT」をまちづくりに活用したのではないかとの思惑や、同区における野宿者排除の政策に、ダイバーシティ実現のうえでの矛盾を感じるとの話がありました。次いで、ふたつめの事例、イスラエル国が現実に継続しているパレスチナとの紛争を差し置いて、「中東で唯一ゲイフレンドリーな国」と掲げ大使館から広告を発信していることは、「LGBT」を利用して政策的に観光客を誘致、イメージアップを図っていると見て取れるとの内容です。

これらは共に、「LGBT」を利用して多様性への寛容さをアピールし、その裏でおこなっている自らの差別的な政策や意図を覆い隠すイメージアップ戦略(ピンクウォッシング)ではないかとの批判的な見解が述べられました。

これらの事例を踏まえ、早稲田大学が「ダイバーシティ推進」を掲げる意味をあらためて問い、表向きの看板に終わらない中身が伴ったダイバーシティを実施するためのアイデアとして、①体制の整備(相談窓口の充実化及び連携) ②実態調査の実施(ダイバーシティに関する本格的な調査) ③採用選考内容の見直し(顔写真・性別欄・住所等の不記載) ④入試への配慮⑤奨学金創設等に関する提案がなされました。

161028_全体1-2

最後に、「本日の講演会の内容は、ダイバーシティへの取り組みに対してネガティブに聞こえたかもしれないが、多様な人と共に学び、働くことは本来簡単ではない。異なる考え方に接することで、自身の考え方・意見を深めることができ、コミュニケーションの幅をも広げることができるため、賛同できないとの意見を含め、講演に対する様々な意見を歓迎する」と、自らの意見・考えをもって発してほしいとの意向が伝えられました。そして、「ひとりひとりがいかに自分らしく学生生活を送ることができるかが『早稲田大学のダイバーシティ』そのものであり、これが大学のダイバーシティの質を高める営みに直結する。在学中に、是非他の人がやっていないことに果敢に挑戦してほしい」と、来場した多くの在学生に向けたメッセージが届けられました。

会場より寄せられた多くの質問に丁寧に応答いただき、講演会は盛会に終了しました。

参加者の声:「映されたジェンダーとの向き合い方」

セクシュアル・マイノリティという新しい考えに対して、メディアや広告が人々の価値観に及ぼす影響は良くも悪くも大きいと感じた。同時に、多方面から情報を受け取り、正しく取捨選択する必要があると感じた。渋谷区パートナーシップ条例についてのニュースの多くが、区の対応をポジティブに捉えており私自身もこれまで良い印象を持っていた。しかし、藤田さんのお話を聞いて、実際は証明書発行にある程度の費用が必要であったり、民間へのヒアリングを十分に実施していなかったりと、不十分な点もあることを知った。また、イスラエルの“世界で最もゲイフレンドリーな都市”という広告掲載が実はピンクウォッシングを助長しているということも新しい視点だった。この学びから、ジェンダーやマイノリティという正解がないトピックに関して、情報を受け取る側のリテラシーがとても重要だと感じた。具体的には、受け取ったすべての情報を鵜呑みにしないこと、積極的に様々な意見に耳を傾けることが必要であると考える。
国際教養学部3年 藤田 真彩

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