「みんなちがって、みんないい」が実現する日
昼休み、障がい学生の車いすを押して、授業教室へと向かった時のこと。エレベーター前には長蛇の列。
「車いすの方優先です」の張り紙がありますが、皆、なかなかこちらに気づいてはくれません。「すみません、車いすの学生さんを先に乗せてもらってもいいですか。」と声をかけると、ようやく皆気づいて、列を空けてくれます。
障がい学生支援室では、障がいのある学生に対して修学上必要な支援を提供していますが、支援を提供すればそれで解決でしょうか。障がい学生は大学生活を、健常の学生と同様に楽しく充実したものにできるのでしょうか。私は、周囲のちょっとした気配り、支援に対する理解や協力が必要不可欠だと思います。皆が率先してエレベーターを譲ってくれたら、それだけで移動のバリアが軽減される気がするのです。
「支援」というと「特別扱い」だと思われることがあります。しかし実際は「特別なもの」でなく、健常の学生と同等の環境にアクセスするための「手段」に過ぎないのです。適切な支援を受けることで、初めて皆と同じ土台に立てるのです。かくいう私も、聴覚障がいがあり、支援がなければ業務を全てこなすことはできません。適切な配慮・支援を受けることで、初めて皆さんと同じように仕事に携わることができ、生産・還元することができるのです。
多様であることはある意味「当たり前」のことです。その「当たり前」が早稲田にとっての「当たり前」になるよう、少しの気配り、歩み寄りが、日常に溢れるキャンパスになることを願っています。