Office for Promotion of Equality and Diversity早稲田大学 ダイバーシティ推進室

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【公開シンポジウム】ダイバーシティをめぐる早稲田大学の論点(11/29)

2016年11月29日、早稲田大学のダイバーシティ推進の意味、課題を共有し、議論することを目的とした公開シンポジウム「ダイバーシティをめぐる早稲田大学の論点」が大隈記念タワー(地下多目的講義室)にて開催されました。

内容
  1. 開会挨拶 ダイバーシティ推進担当理事 畑惠子(社会科学総合学術院教授)
  2. 基調講演1「早稲田大学におけるダイバーシティの課題」 黒田一雄(国際学術院教授)
    基調講演2「ダイバーシティ批判」 神尾達之(教育・総合科学学術院教授)
  3. 質疑・討議
    コメンテーター:早稲田大学副総長 橋本周司(理工学術院教授)
    司会:ダイバーシティ推進室長 矢口徹也(教育・総合科学学術院教授)

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冒頭、畑惠子ダイバーシティ推進担当理事より、開会の挨拶がありました。「昨年12月のラウンドテーブルの開催から1年が経ち、公開議論の場は今回が2度目だが、この間、様々な場面で早稲田大学のダイバーシティ推進は何を目指し、どこに重点を置くべきなのか議論を重ねてきた。2016年7月に開設されたダイバーシティ推進室は、来年4月からは新設予定のスチューデントダイバーシティセンターと緊密な連携を取りながら取り組みを進めていく予定である。これまでの議論を踏まえて、今後、ダイバーシティ推進の目的を明確に言語化して学内外に発信し、早稲田大学の構成員全員、また早稲田大学に関心を持っている世の中の人たちがこれを共有できるような体制をつくっていくことが必要であると考えている。今日は、ぜひ来場者の方もいっしょに熱い議論を展開してほしい。また今後の新たな体制のもとでも積極的な参加をいただきたい」と期待とお願いが語られました。

基調講演1「早稲田大学におけるダイバーシティの課題」(黒田一雄教授)

DSC01885国際学術院 黒田一雄教授からの基調講演では、ご専門の途上国の教育開発の観点より、まず「大学におけるダイバーシティの必要性」および「ダイバーシティが大学にもたらすもの」についてお話しがありました。「世界人権宣言」、「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs 2015-30)」には、高等教育機会の平等の達成が掲げられていること、ユネスコ「サラマンカ宣言」には、インクルーシブ教育が差別と闘う有効な手段であるとの内容があり、これらから、ダイバーシティは、平等(equity)と結びついた概念であることが導かれました。一方、「ユネスコ高等教育世界宣言」で大学が多様性を推進するのは、学術研究・教育へのその積極的な効用を評価しているからであるという考え方が説明されました。平等へのアプローチだけでなく、より生産性・クオリティを高めるためのアプローチであるダイバーシティ・インクルージョンは、大学の革新、創造の基となるとの考えについても触れられました。
「Waseda Vision 150」や「障がい学生支援に関する基本方針(2016)」にみられる早稲田大学のダイバーシティは、まさに生産性(productivity)のため、早稲田大学を「元気にする」ためのものだと捉えられ、大切なことは、その目的を国際化や多様性を達成させることに留めるのではなく、達成したその先には何があるのか、早稲田大学教旨を受け継ぎ世界にどんな貢献をするために推進するのかを考えなければならないと強調されました。「Competitiveness」「Cooperation」「Contribution」という3つの「C」のバランスをとりつつ、①合理的配慮の範囲 ②Selectivityと多様性重視の相克  ③アファーマティブ・アクション といった課題を明確にすることについて提案がなされました。

基調講演2「ダイバーシティ批判」(神尾達之教授)

DSC01924続いて、教育・総合科学学術院 神尾達之教授からの基調講演では、タイトルの「ダイバーシティ批判」について、これはダイバーシティを否定することではなく、検討を加えその価値などを評価、判定、吟味し、客観的な視点からその輪郭線を浮かび上がらせることができればよいと考えての意向であると冒頭に伝えられました。
まず、ダイバーシティの「構成」に、「男女」「身体障がい者」「国籍(宗教)」「年令」「能力の種類」「能力のレベル」「セクシュアリティ」があるとの見解を共有しました。続いて、歴史にみるダイバーシティの概念について3つのカテゴリーの紹介がありました。多様性が高いほど生態系が安定するという「①生物多様性」、企業の競争力を高めようという「②企業組織におけるダイバーシティ」(デモクラフィー型/ タスク型)、反ナショナリズムから成る「③社会の構成(地区・国家・連合)」といった、これら「ダイバーシティのカテゴリー」は、1960年代後半頃からそれぞれの領域で肯定的に認識されシンクロしてきたと説明されました。
私たちが、大学(教育)におけるダイバーシティを考える際には、ダイバーシティには2つの目的「ヒューマニズム」、「広義の生産性の向上」が共存していることをおさえておかなければならず、そのうえで、あらためて早稲田大学が何を目的にダイバーシティを推進するのかを明らかにし、その方法論を打ち出すことが必要ではないかとの提案がされました。

質疑・討議

DSC01918プログラム後半、会場から質問を受け議論を深める「質疑・討議」の時間を設け、この中で、「ダイバーシティは、立ちはだかる、乗り越えなければならない障壁ではなく、大学、社会、人のためになるpositiveなものである」「ダイバーシティ推進を受動的な義務意識で捉えるのではなく、近未来的な将来像を明らかにして積極的に考えていくのがよい」「ダイバーシティ推進は成長戦略である」などと、演者からのさらなるメッセージがありました。
DSC01933コメンテーターとして登壇した橋本周司早稲田大学副総長からは、「多様性の視点については、「人種・宗教・地域」、「男女」、「心身障害」、「LGBT」といったものがこれまでに捉えられてきたが、「認知障害」や「知的水準」に関する差別といった「教育」とは何かを問うような深刻な問題もある。人は様々に多様でよく、多様であるからこそ全体のためになる、学生には他者との違いを認識しながら交流することに学生時代より慣れ親しんでほしい。様々な問題があるが、ヒューマニズムを超えるダイバーシティの思想を考えることも大学の仕事であると感じている。以上を、ダイバーシティ推進を考えるヒントに加え、引き続き皆で取り組んでいきたい」とのコメントがありました。

 

最後に、矢口徹也ダイバーシティ推進室長より、「早稲田大学がダイバーシティ推進をするうえで何を大切にしていくのか、考えていく必要がある。また、これからダイバーシティを推進していく上では、データに基づいた検証も求められている。その意味からも今後も皆様からの積極的なご意見、ご協力をいただきたい」と、議論に参加いただいた登壇者、会場の皆様への御礼とお願いが述べられました。

シンポジウムに参加された方々より、「全学生が多様性の大切さや、共存というものを意識できる環境を整えていってほしい。早稲田のこうした活動が日本社会に根付いていくとよい。」「ヒューマニズムのためにダイバーシティを推進するという立場と、生産性向上のために推進する立場という枠組みがわかりやすかった。」「勉強になりました。また是非このようなシンポジウムを開催してください。」などの感想があり、シンポジウムは盛会のうちに終了しました。

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