Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

エジプト学研究所【第Ⅲ期】
Institute of Egyptology

【終了】2012~2017年度
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研究テーマ

エジプトにおける調査・研究・エジプトの文化財の保存・修復 エジプト学の普及

分野:文化

研究概要

エジプト学研究所の調査研究活動としては、エジプトにおける調査・研究活動(アブ・シール南遺跡、ダハシュール北遺跡、ルクソール西岸のネクロポリス・テーベの岩窟墓群の調査)、文化財の保存・修復活動(クフの第2の船の復元研究、王家の谷アメンヘテプ3世墓の墓内壁画の保存・修復作業、発掘によって出土した遺物(特に木棺・カルトナージュマスク等)の保存・修復作業、CTスキャンによるミイラの復顔研究などをこれまでに実施してきた。これらの調査・研究活動は、継続中であり、引き続き実施していく。カイロ近郊のアブ・シール南遺跡、ダハシュール北遺跡、ギザのクフ王の第2の船などの遺跡・遺構は、メンフィス・ネクロポリス発掘報告書の刊行、国際学会での発表などをこれまで以上に実施していく。また研究所の活動を含め、エジプト学研究の研究論文を掲載する「エジプト学研究」の刊行も実施している。エジプト学の日本での普及のために毎年実施してきた「エジプト・フォーラム」の開催を継続し一般の人々のエジプト学に対する理解と啓蒙を行っていく。「エジプト・フォーラム」以外にも公開研究会、公開講演会を実施する。現在、公開中のエジプト学研究所主催の展示会は今夏、早稲田大学會津八一記念博物館で開催される予定であり、学内外にエジプト学研究所の活動を広くアピールしていく。

研究報告

【2016年度】
 活動としては、エジプト・アラブ共和国における調査・研究と日本におけるレポートや報告書の作成、シンポジウムや講演会、研究会の開催、展示会の開催等を実施した。まず、現地調査では2016年4月下旬〜5月中旬にかけて、今後の調査対象を絞り込む予備調査として、サッカラの新王国時代の墓域において遺跡・遺物の分布調査を実施した。8月~9月にはアブ・シール南丘陵遺跡第25次調査をおこなった。そして、10月上旬~2017年1月下旬にかけて第10次のルクソール西岸アル=コーカ地区岩窟墓調査をおこない、新王国ラメセス王朝期の「コンスウ墓」を新発見した。2月にダハシュール北遺跡第24次調査を実施した。さらに、ギザ台地において、継続的に実施しているクフ王の第2の太陽の船の部材の取り上げおよび保存修復作業を2016年度も実施した。
 一般向けの成果報告として、2016年6月20日に「第5回太陽の船シンポジウム“よみがえれ!太陽の船の部材たち”」、そして11月13日に「エジプト・フォーラム25エジプト発掘調査の歴史」を実施し、エジプト調査50周年を記念するレセプションをおこなった。その他、研究会、発掘検討会を開催するとともに、国際学会を含む各種の学会での報告もおこなった。

【2015年度】
 エジプト・アラブ共和国における現地調査としては、まず、2015年4月下旬〜5月中旬にかけてダハシュール北遺跡の第22次調査を実施、さらに8月には、ダハシュール北遺跡第23次調査を実施することができた。また、9月には、アブ・シール南丘陵頂部遺跡の第24次調査を実施した。12月中旬から1月下旬にかけては、第9次ルクソール西岸アル=コーカ地区岩窟墓調査が実施された。この第9次調査は2015年度に採択された科研費・基盤(A)の助成によりおこなわれた。また、これらの調査とは別にギザ台地において、クフ王の第2の太陽の船の部材の取り上げと、保存修復作業が継続的に実施した。
 一般向けの成果報告として、2015年7月13日(月)に早稲田大学小野記念講堂において、「第4回太陽の船シンポジウム:今!太陽の船プロジェクトは…」を開催し、プロジェクトの最新の成果を報告した。11月28日(土)に早稲田大学国際会議場、井深大記念ホールにおいて、「エジプト・フォーラム24:早大エジプト調査50年」を実施した。また2015年12月5日(土)〜2016年1月30日(土)に早稲田大学會津八一記念博物館において、企画展「早稲田大学エジプト調査50年のあゆみ」を開催した。
 また、2つの古代エジプト関連の展覧会の監修・協力をおこなった。『クレオパトラとエジプトの王妃展』(東京国立博物館:7月11日〜9月23日、大阪国立国際美術館:10月10日〜12月27日)と『国立カイロ博物館所蔵 黄金のファラオと大ピラミッド展』(森アーツセンターギャラリー:10月16日〜1月3日、愛媛県美術館:1月23日〜3月27日)。

【2014年度】
エジプト学研究所の活動は、現地エジプトでの調査と国内での研究成果の普及からなる。現地調査では、8月から9月にかけて実施した「アブ・シール南丘陵遺跡調査」(第23次)では、住友財団の助成を受けて進めているイシスネフェルト王女の石棺修復を主に行なった。12月から1月に「ルクソール西岸アル=コーカ地区の岩窟墓調査」(第8次)を実施した。昨年度新たに発見されたコンスウエムヘブ墓では、色鮮やかな壁画の記録及び墓の詳細な平面図の作成を行なった。この他、「ギザのクフ王の第2の船の調査」を継続し、ピットに埋設された部材の取り上げと保存処理を行っている。一般向けの成果公開では、7月28日に「第3回太陽の船シンポジウム:〜太陽の船にこめられた古代エジプト人からのメッセージ」、10月11日に「エジプトフォーラム23:古代エジプトの来世観〜新発見!ルクソール貴族の墓〜」を開催し、数多く方々に参加いただいた。また特別講演会として、アデラ・オッペンハイム博士(メトロポリタン美術館エジプト美術部)による「ダハシュールのセンウセレト3世ピラミッド発掘調査最新報告」、ダイアナ・クレイグ・パッチ博士(メトロポリタン美術館エジプト美術部長)による「メトロポリタン美術館を中心とする合同調査隊によるルクソール西岸マルカタ王宮の調査:2008〜2014年」を実施した。

【2013年度】
エジプト学研究所の活動は、現地エジプトでの調査と国内での研究成果の普及からなる。現地調査では、12月から1月にかけて、「ルクソール西岸アル=コーカ地区の岩窟墓調査」(第7次調査)を実施した。今期はウセルハト墓の前庭部を精査することを目的に行ったが、その過程でコンスウエムヘブの墓を新たに発見した。保存状態が極めて良く、色鮮やかな壁画が描かれたこの墓は、これまで知られていないものであり、碑文等から新王国ラメセス朝時代(第19・20王朝:紀元前1292〜1070年頃)に年代づけられる。この他、ギザのクフ王の第2の船の調査を継続し、ピットに埋設された部材の取り上げと保存処理を行っている。一般向けの成果公開では、6月3日にミロスラフ・バルタ博士(カレル大学教授)による「ピラミッド時代の王女と高官たち-アブ・シール遺跡の新発見-」、11月10日に「エジプトフォーラム22太陽の船プロジェクト再開〜エジプトの争乱を乗り越えて〜」、3月24日に「-エンターテイメントから見るエジプト文明第2回-『今甦る「ピラミッド再現計画」』を開催し、数多く方々に参加いただいた。

所長

近藤 二郎[こんどう じろう](文学学術院教授)

メンバー

【顧問】
吉村 作治(早稲田大学名誉教授)

【研究所員】
近藤 二郎(文学学術院教授)
寺崎 秀一郎(文学学術院教授)
高橋 龍三郎(文学学術院教授)
長崎 潤一(文学学術院教授)
城倉 正祥(文学学術院准教授)
馬場 匡浩(高等研究所准教授(任期付))
齋藤 正憲(本庄高等学院教諭)
佐々木 幹雄(本庄高等学院教諭)

【非常勤研究員】
藤田 礼子(客員次席研究員)

【招聘研究員】
岩出 まゆみ(株式会社アケト代表取締役)
遠藤 孝治(サイバー大学教務部事務部長)
柏木 裕之(東日本国際大学客員教授)
菊地 敬夫(東日本国際大学客員教授 )
黒河内 宏昌(NPO法人太陽の船復元研究所教授)
齋藤 久美子(早稲田大学エジプト学研究所招聘研究員)
佐藤 桂(独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所文化遺産国際協力センターアソシエイトフェロー)
澤井 計宏(土岐市文化振興事業団職員 )
瀬戸 邦弘(上智大学文学部常勤嘱託講師)
高宮 いづみ(近畿大学文芸学部教授)
永井 正勝(東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門特任研究員)
中井 泉(東京理科大学理学部応用化学科教授)
西坂 朗子(NPO法人e-コンテンツ研究所研究員)
西本 真一(日本工業大学教授)
長谷川 奏(総合研究機構客員教授)
矢澤 健(早稲田大学エジプト学研究所招聘研究員)
山下 弘訓(NPO法人e-コンテンツ研究所研究員)
和田 浩一郎(国学院大学非常勤講師)
MARCOLIN Michele(イタリア文化会館イタリア語・歴史学講師)
高橋 寿光(NPO法人太陽の船復原研究所研究員)

連絡先

〒169-8555
東京都新宿区大久保3-4-1 早稲田大学西早稲田キャンパス55S-501
早稲田大学エジプト学研究所
TEL:03-5286-3102
E-mail:[email protected]

WEBサイト

http://www.egyptpro.sci.waseda.ac.jp/

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