Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

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中国現代文化研究所【第Ⅰ期】
Institute for Cultural Studies on Modern China

【終了】2011~2016年度
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研究テーマ

中国現代文化の諸事象に関する海外・国内との共同研究

分野:文化

研究概要

本学には現代の中国文化を研究領域とする研究者が少なからずいるが、各学部に散在しており、全体の力量を十分に発揮できる環境が整っているとは言えない。そこで、本研究所を設置することで学内の同領域の研究者の学部横断的な拠点を確保し、本学における現代中国文化研究の振興を図ることを目的とする。
ただ、各研究者の研究はきわめて多彩であるので、研究所で一つのテーマを設定して一斉に研究する方法はとらず、所員間で研究に関する相互連絡・情報交換を図り、それぞれの海外・国内の研究機関・学外の研究者等との共同研究への支援などを通じて、学内現代中国文化関係の研究者が協力して研究を推進できる環境を整えることを目指す。
また、本学でも現代の中国文化を研究対象とする若手教員、大学院生が増えており、本研究所の活動への参加を希望している。こうした若手研究者の研究を促進し、新世代の研究者の育成を支援することを目指す。
具体的には、所員の研究テーマに沿って、海外の連携研究機関などから研究者・作家などを招いて講演会、シンポジウム、展覧会などを開催することを主な活動とする。あわせて、研究所員ならびに若手研究者を中心としたシンポジウムを開催し、研究者の育成を図る。その成果は、書籍・報告書などにまとめて公表する。
なお、当然のことながら、各所員はそれぞれの研究を発展させ、論文・著書の執筆を積極的に進める。

研究報告

【2016年度】
 2016年度も、研究所の基本方針に従い、学内研究者の研究の相互扶助、国内外の研究機関・研究者との交流、若手研究者の育成などを中心に活動を行った。主な活動は下記のとおりである。
7月27日および12月7日に第3・4回国際フォーラム「越境する人文知」を開催した。早稲田大学で訪問研究を行っている研究者・大学院生が学術報告を行い、相互に討論するシンポジウムを半年に一度開催しており、その第3回第4回に当たる。第3回は中国・アメリカ・フランスの10名の研究者が、第4回は中国、フランスからの研究者5名が発表を行った。(文学学術院総合人文科学研究センター研究部門「東アジアの人文知」との共催)
11月2〜3日に「第二期“中国与日本:当代文化的跨境与交流”学术工作坊」を南開大学で開催した。毎年、上海大学・南開大学と共同で大学院生の国際シンポジウムを開催しており、各院生が学術報告・司会・コメントを担当している。今年は院生3名が参加し千野が総評を行った。(文学研究科中国語中国文学コースとの共催)
2017年3月18〜19日国際シンポジウム「新世紀:越境する東アジアの文化を問う—カルチュラルスタディーズ・文学・サブカルチャー・そして人々の心—」を開催した。中国・韓国・オーストラリア・日本から研究者・作家計7名を招いて、今日の新たな文化状況を捉えるためにどのような試みがなされ、それがどのような課題を抱え、今後どのような道があり得るかについて、報告と討論、座談会を行った。(私立大学戦略的研究基盤形成事業第2グループ「ポストコロニアル時代の人文学、その再構築―21世紀の展開に向けて」との共催)

【2012年度】
2012年度は学術交流を中心に活動を行った。
6月2日に、訪問学者として本学に滞在していた、復旦大学中文系劉志栄教授に講演をお願いした。テーマは「陰影、焦慮、自覚:現代中国人の内面生活―新世紀の小説三作の解読から」。2000年以降に話題作を発表した厳歌苓、閻連科、劉震雲の三作家と中国文学の現状についてお話しいただき、討論を行った。(本学大学院文学研究科中国語中国文学コースと共催)。
7月7日には、植民地文化学会との共催で、「日中戦争と東アジア」をテーマに、日中戦争勃発75周年記念学術フォーラムを開催した。報告者は次のとおり。纐纈厚(山口大学)「日本は誰に敗北したのか 絡み合う《敗北》と《降伏》のあいだ」、歩平(中国社会科学院近代史研究所)「日中韓の歴史認識の溝について」、尹憲次(神奈川大学)「植民地主義と歴史認識の錯綜 日本と朝鮮、そして在日朝鮮人」、陳翠蓮(台湾、国立政治大学)「誰の戦争か 植民地台湾の知識人の戦争認識」。報告に対し、内海愛子(社会学者)、楊海英(静岡大学)のの両氏からのコメントを軸に議論を進めた。総合司会は岸陽子氏。
また、10月12日に、研究所を代表して、呉念聖研究員が弘前大学における国際シンポジウム「現代中国作家の挫折と信念――蕭乾文学その時代」に参加した。

【2011年度】
東日本大震災の発生により、2011年度の活動は大きな影響を受けることになった。2011年度末の2011年3月16、17日に行った国際シンポジウム「シンポジウム:新世紀東アジア諸都市のサブカルチャーと若者-ライトノベル、マンガ、村上春樹-」は、震災のために一日の開催に短縮を余儀なくされたが、震災の影響で大学の開講が一ヶ月遅れ、所員もその対応に忙殺されたため、その後のシンポジウムの成果の公表も遅れることになった。結果として、上半期は、千野が東アジアのサブカルチャーに関するフィールド調査を引き続き行ったほか、研究所としてまとまった活動は下半期に持ち越された。
その間、2011年9月末をもって、「中国現代文学・文化研究所」は5年間の設置期間を終えることになり、所員との協議の結果、新たに「中国現代文化研究所」として活動を継続することを決定し、申請の結果、同研究所の設置が認められた。構成メンバー全員が引き続き新研究所の所員として活動する。
下半期は、新生「中国現代文化研究所」の下、シンポジウムの成果をまとめた報告書として『アジア遊学149:東アジアのサブカルチャーと若者のこころ』(勉誠出版、2012年3月)を刊行するとともに、2012年3月23、24日に、昨年のシンポジウムに新規調査の成果をつけ加え、新たなゲストを迎えて、国際シンポジウム「新世紀:東アジア諸都市のサブカルチャーと若者の心――マンガ・アニメ、ライトノベル、コスプレ、そして村上春樹」を開催した。

所長

千野 拓政[せんの たくまさ](文学学術院教授)

メンバー

【研究所員】
千野 拓政(文学学術院教授)
斉藤 泰治(政治経済学術院教授)
楊 達(文学学術院教授)
門田 康宏(法学学術院准教授)

【招聘研究員】
呉 念聖(早稲田大学法学部非常勤講師)
陸 偉栄(早稲田大学非常勤講師)

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