早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所【活動終了】
Waseda BioScience Research Institute in Singapore
【終了】2011~2016年度
研究テーマ
早稲田大学の生命科学研究、次世代医療技術の国際研究開発拠点の形成
分野:科学
研究概要
本学が学内で精力的に推進してきた生命科学研究、次世代医療技術開発を国際競争の環境の中で効果的に展開し推進するための試みとして、2011年度より2015年度までの5年間、シンガポールに早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所(WABIOS)を設立し、4つの研究主題を設定して運営を進めてきた。この成果が良好であったことから、これらを基盤に、さらに次世代医療技術開発への展開に注力した以下の4つの研究課題を再設定し、今までの研究成果を継続して発展させる。
(1)創薬支援技術の開発(および創薬支援スクリーニング事業の構築):従来の生化学・分子生物学的手法のみでは評価できなかった薬効・副作用(毒性)の評価を、本学が得意とするナノ・マイクロテクノロジと先端計測技術を活用した細胞精製技術、細胞レベル状態分析技術、細胞ネットワーク配置技術を組み合わせることで実現する。特に「神経ネットワークモデル(記憶障害・異常行動)」による薬効評価系、「心筋細胞ネットワークモデル(伝導異常)」による次世代毒性評価技術の認証をシンガポール当局経由で米国FDAにアプローチすることで、製薬企業が創薬で用いる標準技術となることを研究成果の啓蒙と製薬企業との共同研究によって目指す。また、この技術については製薬企業に対する創薬支援事業としてのWABIOS研究資金獲得のための収益事業としての育成を目指す。
(2)がん診断・治療技術の開発:転移がんの血中がん細胞検出技術(CTC)の開発による新しい転移がん診断手法およびこれと組み合わせた効果的な化学療法手法の検討を進める。これもシンガポール当局との協力でシンガポール在住メガファーマラボおよび米国FDAへの標準化手法としてのアプローチを目指す。そのために必要に応じて米国(Stanford大学医学部等)とも協力関係を構築する。また、WABIOSで今まで得られた熱細胞生物学とバイオマーカー技術の成果を生かした温熱療法技術の開発と評価を推進する。
(3)人工細胞(人工免疫細胞)技術の開発:今まで開発に成功した人工赤血球、薬物搬送リポソーム技術を発展させ、リポソーム系を基盤とした人工免疫細胞の構築の基礎研究を推進し、あらかじめプログラムされた貪食作用、細胞攻撃能力を持った次世代の人工細胞医療の基盤の構築を目指す。この研究は2016年度からの新規展開テーマとなるため、本プロジェクトでは、まずは基盤研究を推進する。
(4)全自動手術技術の開発:すでに本学が国内で精力的に推進している手術装置技術に、標的細胞ラベル化・識別技術、細胞レベル選択破壊技術などのWABIOS技術を融合して自動判断が可能な総合手術システムの構築の検討を推進する。本プロジェクト期間中は、WABIOS分担として標的細胞ラベル化・識別技術、細胞レベル選択破壊技術の開発に注力する。
所長
石山 敦士[いしやま あつし](理工学術院教授)
メンバー
【研究所員】
石山 敦士(理工学術院教授)
井上 貴文(理工学術院教授)
大島 登志男(理工学術院教授)
高野 光則(理工学術院教授)
武岡 真司(理工学術院教授)
中尾 洋一(理工学術院教授)
安田 賢二(理工学術院教授)
板橋 岳志(理工学術院助教)
宮崎 牧人(理工学術院助教)
鈴木 和也(理工学術院助手)
【常勤研究員】
北口 哲也(主任研究員(研究院准教授))
鈴木 団(主任研究員(研究院准教授))
宗 慶太郎(主任研究員(研究院准教授))
寺薗 英之(主任研究員(研究院准教授))
新井 敏(次席研究員(研究院講師))
服部 明弘(次席研究員(研究院助教))
松浦 賢志(次席研究員(研究院助教))
【研究助手】
尾高 正朗(研究助手)
【招聘研究員】
TAN SUYUN