Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

ライフコースアーカイブ研究所
Archival Institute for life course studies, Waseda University

研究テーマ

ライフコース・データアーカイブを構築し、その公開・提供をすすめ、ライフコース研究を促進する。

研究概要

本研究所は、早稲田大学文学学術院社会学研究室を中心に1980年代から実施してきたライフコース調査で収集された、近世社会から1980年代出生者までにわたる個人のライフコース・データをアーカイブ化し、研究者間で二次分析に供することを目的としている。研究所メンバーは、正岡寛司名誉教授(顧問就任予定)をリーダーとする「ライフコース研究会」を1985年より組織し、早稲田大学人間総合研究センター「社会変動と人間発達」プロジェクト(1987-2004)を主たる活動拠点とし、早稲田大学特定課題研究ならびに文科省科学研究費の助成を受けて、20年余にわたってライフコース理論の精緻化ならびに膨大な実証的調査研究を蓄積してきた。ここで蓄積されているのは、個人の生涯にわたるライフイベントの経験に関するイベントヒストリーデータである。
 本研究所は、データ種別にもとづいて以下の6セクションから構成される。

 A:昭和期を生きた人びとのライフコース研究
 B:ホワイトカラー・サラリーマンのライフコース研究
 C:追跡パネル法による大学卒業生の移行研究
 D:女性の職業キャリアに関する擬似コーホートデータ分析
 E:宗門人別帳資料を用いた近世農民のライフコース・データの構
 築(約10,000名の個人データの作成)
 F:常磐炭砿離職者のキャリア再形成に関する追跡研究(2007年
 度までの「常磐炭砿アーカイブ研究所」)

 ※具体的な研究活動は、セクションごとに客員研究員の参加を呼
 びかけて、実施する。

 事業・活動内容は以下のとおりである。

 ?ライフコース・データアーカイブの構築
 ?ライフコースデータ・インデックス(文書資料アーカイブ)の構築
 ?ライフコースデータの発掘と収集
 ?データの管理と公開に関する方法論的検討
 ?データの公開と提供
 ?データ分析研究会の開催・シンポジウムの開催
 ?成果の刊行
 ?大学院生等の育成

 【2008年度の活動予定】
 1.アーカイブ構築作業
 (1)イベントヒストリーデータのアーカイブ化
  同一サーバー上で同一形式のデータに加工する。
  この作業は、?常磐炭砿離職者データの形式を雛形とし、その
 構築作業を担当した専門者を雇用して順次すすめていく。
 (2)基礎情報の文書化:ライフコースデータ・インデックスの作成
  研究代表者ならびに連携協力者を中心に、「ライフコース研究
 会」に参加した学外の研究者にもよびかけて、各データに関する
 基礎情報を集約する。この作業は、定期的に研究会を開催して実
 施する。
  その成果は、報告書としてとりまとめて刊行する。
 (3)紙媒体調査票のPDF化
  紙媒体調査票をスキャン処理し、PDF化する。この作業は、常磐
 炭砿離職者研究での経験をふまえて、学内での学生アルバイト
 による作業と、複雑な調査票(主として?追跡パネルデータ)につ
 いては、専門業者に委託して実施する。
  ※上記作業にあたっては、個人情報を多く含むデータに関して
  は、マスキング処理をほどこし、完全に匿名化する。さらにその
  管理体制を整え、文書として記録する。

 2.データアーカイブに関する研究会の開催
  データの管理と公開に関する方法論的検討をすすめる。具体的には、国 内・国外のデータアーカイブ事業担当者を招いて研究会を開催する。
  第1回(2008年11月29日16:00〜)田辺俊介氏(東京大学SSJDA助教)
  「質的データアーカイブとは何か」

研究報告

2008年度
研究報告 本プロジェクト研究所の立ち上げの年にあたる2008年度には、研究体制の確立に主眼をすえた研究活動となった。
1.アーカイブ構築作業
 ?ライフコース・データアーカイブの構築
  セクションA(昭和期データ)・ならびにセクションC(大卒パネル
  データ)を中心に(1)基礎情報の文書化、(2)紙媒体調査票の
  PDF化(1100サンプルのパネルデータの加工を終了、1500
  サンプルの昭和期データの加工作業中)、(3)生活史調査テキ
  ストデータの加工の作業を行った。
 ?ライフコースデータ・インデックス(文書資料アーカイブ)の構築
  ライフコース調査インデックス情報の収集ならびにライフコース
  研究成果インデックス情報の収集を進めた。
2.データアーカイブに関する研究会の開催
 データ管理と公開に関する方法論的検討を以下の研究会を中心に進めた。
   第1回運営委員会・研究会(2008年4月19日):
     データアーカイブの基本設計に関する検討1
     データ利用内規等の検討
   第2回運営委員会・研究会(2008年7月26日):
     データアーカイブの基本設計に関する検討2
     生活史データのアーカイブ化の方法検討(大久保孝治研
     究員)
   第3回運営委員会・研究会(2008年11月29日):
     データアーカイブの基本設計に関する検討3
     データアーカイブ機関専門家による講演
      田辺俊介氏(東京大学SSJDA助教):「データアーカイブ」
      とは何か
   第4回運営委員会・研究会(2009年2月28日):
     ライフコース調査インデックス・成果インデックスの設計に
     関する検討
     アーカイブの公開方法に関する検討

所長

嶋崎 尚子[しまざき なおこ](文学学術院教授)

メンバー

顧問
正岡 寛司(早稲田大学名誉教授)

研究所員
嶋崎 尚子(文学学術院教授)
池岡 義孝(人間科学学術院教授)
大久保 孝治(文学学術院教授)
小島 宏(社会科学総合学術院教授)

招聘研究員
安藤 由美(琉球大学文学部教授)
加藤 彰彦(明治大学政治経済学部専任准教授)
澤口 恵一(大正大学人間学部准教授)
白井 千晶(早稲田大学大学院文学学術院非常勤講師)
西野 理子(東洋大学社会学部社会学科准教授)
藤見 純子(大正大学人間学部教授)
岩上 真珠(聖心女子大学文学部教授)
佐藤 友光子(四国学院大学社会学部応用社会学科教授)
安藤 究(名古屋市立大学大学院人間文化研究科准教授)

連絡先

文学学術院 嶋? 尚子研究室

WEBサイト

http://www.waseda.jp/prj-lifecourse/

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