オーストラリア研究所【第Ⅱ期】
Institute of Australian Studies
【終了】2006.10-2012.9
研究テーマ
文化(マイノリティ文化を含む)、歴史(日豪交流史・ポスト植民地主義を含む)、現代社会(多文化共生社会、都市社会を含む)、政策(言語教育政策を含む)
研究概要
プロジェクト研究所「オーストラリア研究所」は、体系的な地域研究や文化研究がほとんどなく、また学ぶ教育の場も見られなかったオーストラリア研究を、分野の異なる複数の教員によって、早稲田から発信しながら、学際的に扱うことを主な設立趣旨としている。オーストラリア大使館との連携の下、学会やセミナーへの参加、専門図書館への訪問、ゲストスピーカーによる講演など、アクティブな課外活動を採り入れながら、さまざまな教育プログラムを構築してきた。それに伴う提供科目も、オーストラリアの過去と現在を、多面的、多角的に考察することで、他に類を見ないオーストラリア研究の中心地を早稲田に形成してきた。テーマカレッジ「オーストラリア研究」の演習では、オーストラリアの過去と現在を多角的に考察しているが、そこでは、研究所の所員により、オーストラリアの文化、歴史、日豪交流史、多文化共生社会、都市社会、マイノリティ文化、言語教育政策、及びポストコロニアルとオーストラリア等が開講されている。さらに、07年度からは、副専攻として、オーストラリア学が学べる、テーマスタディの科目を提供し、より深く学べるカリキュラムをデザインしている。
研究報告
※オーストラリア研究所
2012年10月01日〜2017年09月30日までの活動に関してはこちら
http://www.kikou.waseda.ac.jp/WSD322_open.php?KenkyujoId=6X&kbn=0&KikoId=01
※オーストラリア研究所
2001年09月01日〜2006年08月31日までの活動に関してはこちら
http://www.kikou.waseda.ac.jp/WSD322_open.php?KenkyujoId=F7&kbn=0&KikoId=01
2012年度
研究報告?日豪合同セミナーに研究員を派遣し、分科会「『Ngapartji Ngapartji』〜マラリンガと、フクシマ・ナガサキ・ヒロシマを結ぶアボリジニ演劇」を実施した。
?東京芸術劇場で、江戸糸操り人形・結城座によるオーストラリア現代戯曲『ミス・タナカ』上演にあわせ、来日した作者のジョン・ロメリル氏の講演会を学内で開催した。また、東京芸術劇場でも、ロメリル氏と澤田研究員、結城座によるディスカッションを実施した。
?論文集『世界の中のオーストラリア−社会と文化のグローバリゼーション』、オセアニア出版の執筆、編集準備作業を行った。
?澤田研究員がシドニー大学で開催された国際学会”Looking back on the Asia-Pacific War: Art, Cinema and Media”で基調講演を行った。
2011年度
研究報告?オーストラリア学会全国大会との共催で、劇作家ジョン・ロメリル氏を招聘し、オーストラリア現代演劇のリーディング上演とシンポジウム「演劇を通してみる日豪の出会い:ジョン・ロメリル『ミス・タナカ』をめぐって」を開催した。また演劇博物館で、同シンポジウムの関連展示「ジョン・ロメリル」展を開催した。
?オーストラリア学会全国大会との共催で、シンポジウム:「オーストラリアの言語教育政策:多文化社会化する日本への提言」を開催した。
?研究院を中心とした執筆陣による論文集『世界の中のオーストラリア:社会と文化のグローバリゼーション』を刊行した。
?日豪合同セミナーに研究員を派遣し、分科会「オーストラリアの演劇と日本」を実施した。
2010年度
研究報告・早稲田大学オーストラリア研究所編『世界の中のオーストラリア』の執筆・編集準備作業を進めた。本書は、当研究所の三冊目となる研究論文集であり、グロバール状況に置けるオーストラリアの占める位置について、様々な視点から論じたものとなる。研究員は宮崎里司、澤田敬司、客員研究員は渡辺幸倫、梶原(佐藤)優子、下村隆之が、チャプターを執筆し、また早稲田大学客員教授ヒュー・クラークに巻頭論文をお願いした。本書は、2011年7月にオセアニア出版社から刊行予定である。
・第31回日豪合同セミナーで、研究員(澤田)が、先住民アボリジニの現代パフォーマンスに関する分科会を開いた。研究所研究員が運営するオーストラリア研究テーマカレッジの学生達も多く参加した。
・2011年6月に早稲田大学で初めて開催されるオーストラリア学会全国研究大会に向けて、二つのシンポジウム(演劇学と言語教育政策)、リーディング上演、企画展の準備を進めた。特に演劇学の企画では、早稲田大学演劇博物館との連携をはかりながら、準備を進めた。
2009年度
研究報告 まず、早稲田大学オーストラリア研究所の編纂により、論文集『オーストラリア研究:多文化社会日本への提言』(オセアニア出版社)を刊行した。本書は、オーストラリア研究の最前線を提示すると同時に、早稲田大学のオーストラリア研究テーマカレッジや、その他オーストラリア研究の講座の教科書として使用されることも想定している。また、各研究の大学院生からなる「オーストラリア研究大学院生自主ゼミナール」のメンバーも数人が同所への執筆に参加し、学内でオーストラリア研究を専攻する大学院生に対する教育的効果も高いものとなった。
また、オーストラリア研究所研究員がオープン教育センターで展開しているオーストラリア研究テーマカレッジでは、「第30回日豪合同セミナー:草の根交流が築く日豪の絆」に参加した。同セミナーでは、研究員の澤田敬司(法学学術院)が分科会「映画『オーストラリア』を読み解く」を開催したほか、多くのテーマカレッジ学生が実行委委員としてセミナー運営に関わった。
2008年度
研究報告全体活動
「オーストラリア研究」テーマカレッジ・テーマスタディとも、年を経るごとに、学部受講生が増えてきた。研究面では、成果を共著の形で出版する計画を立て、テーマを「日本の多文化社会に対してオーストラリア研究からの提言」とした。研究員を中心に執筆者を選定し、各自執筆を行った。なお、同書は2009年度7月出版予定である。
個人活動
澤田啓司教授は、モナシュ大学Tri-Centre Fellowshipを得て、同大学National Centre for Australian Studiesにて研究を行い、講演「Translating Australian indigenous theatre into the Japanese language and into a Japanese performance context」(全二回)を行った。また同大学所属の研究者と本研究所の今後の共同研究計画について議論した。
論文:
佐和田敬司「オーストラリアのポストコロニアル状況」『ポストコロニアル事典』南雲堂 pp.331-371 2008年
2007年度
研究報告全体活動
・ワセダギャラリーにおいて、『アボリジナル・アート&クラフト アーネムランドの女性たち』展を開催した。アーネムランドで収集された、女性のみによって製作された工芸品を展示するという、国内では初めての珍しい展覧会。大学院生を中心に展示方法や意義についての議論を尽くし、展示を完成させた。オープニングにはオーストラリア大使館公使をお招きし、学内外から多数の見学者を集めた。また、研究員が担当する各科目において、関連講義やワークショップを行い、研究成果の教育への還元に努めた。また、佐和田敬司監修『アボリジナル・アート&クラフト アーネムランドの女性たち展』図録を出版した。
・オープン教育センターにおいて、本研究所研究員が運営する全学副専攻「オーストラリア研究」テーマスタディが開始された。科目を提供する研究員は、授業の実践を通して、学部における地域研究の副専攻として、オーストラリアン・スタディーズに関するカリキュラム研究を行った。なお、「オーストラリア研究」テーマカレッジは、引き続き、多くの学部受講生が学んでいる。
個人活動
論文:
佐和田敬司「アボリジニとの演劇交流―ウェズリー・イノック『クッキーズ・テーブル』上演を通して―」早稲田大学演劇博物館グローバルCOE紀要 演劇映像学2007
所長
宮崎 里司[みやざき さとし](国際学術院教授)
メンバー
研究所員
宮崎 里司(国際学術院教授)
澤田 敬司(法学学術院教授)
前田 耕司(教育・総合科学学術院教授)
川上 郁雄(国際学術院教授)
木村 公一(国際学術院教授)
ストックウェル グレン(法学学術院教授)
招聘研究員
佐藤 優子(東京未来大学非常勤講師)
渡辺 幸倫(相模女子大学学芸学部専任講師)
下村 隆之
嶋津 拓(大東文化大学国際交流センター特任教授)
連絡先
研究所の学内箇所:大学院日本語教育研究科 宮崎里司研究室 (22号館704号室)
研究所コンタクト先:
大学院日本語教育研究科 宮崎里司研究室03-5286-3923(研究室直通)[email protected]