燃料電池研究所【活動終了】
Fuel Cell Institute
【終了】2008~2011年度
研究報告
2008年度
研究報告 自動車用固体高分子形燃料電池の実用化課題であるコスト低減および小型化を達成には高電流密度運転時が有効であるが、同運転時にはMEA内部の温度上昇に伴う分極増大が課題となる。草鹿研における燃料電池班では、高電流密度運転時における分極増大のメカニズムを解明し、同運転を実現するための技術指針を得ることを目的としている。
昨年度は、MEA内部熱輸送現象を解析するため、MEA構成部材の熱抵抗および隣接部材間の接触熱抵抗を定常熱流法により計測し、さらに微細タングステン線をMEA内部に挿入し、抵抗温度計として利用することにより発電時のMEA内部温度計測を行った。
熱抵抗計測試験からは、各単体の熱抵抗だけでなく部材間の接触熱抵抗が無視できない大きさであり、内部温度分布を考慮する際には、部材間の温度落差が大きいことがわかった。内部温度直接計測試験では、電流密度1.0A/cm2において、アノードMPL-触媒層間では約2.2deg.Cの温度上昇が確認された。双方の結果を比較検討することにより、高電流密度運転達成のためにMEA構成部材に求められる熱物性に求められる設計指針を明らかにした。
所長
草鹿 仁[くさか じん](理工学術院教授)
メンバー
研究所員
大聖 泰弘(理工学術院教授)
紙屋 雄史(理工学術院教授)
勝田 正文(理工学術院教授)
草鹿 仁(理工学術院教授)
中垣 隆雄(理工学術院准教授)