資源戦略研究所【第Ⅰ期】
Research Institute for Strategy of Natural Resources
【終了】2007~2011年度
研究テーマ
エネルギーをはじめとする諸資源の国際市場動向、国際政治経済動向ならびに国際環境政策を踏まえ、我が国における資源ビジネス戦略と今後の方向性について実践的な提言を行う。
研究概要
国際エネルギー市場は、需給両面の様々な要因から大きな構造変化を迎えている。需要側においては、中国・インドを中心とした世界各国でのエネルギー需要の急増ならびにその国際エネルギー市場への影響が指摘され、供給側においては、資源産出国におけるエネルギー資源の国家管理・外資規制強化の動き、パイプライン等の大規模流通インフラの不足などが指摘される。また、石油天然ガス、原子力などエネルギー資源にとどまらず、水資源、金属資源などに関する国家的レベルでの資源戦略の重要性も論を俟たない。こうした現状認識の下、本研究所は、まずはエネルギー分野に焦点をあて、日本のみならず諸外国の政策動向を総合的に検証した上で、日本の資源戦略のあり方と今後の方向性について、資源ビジネスに直結した実践的な提言を行う。
具体的には、供給(サプライ)サイドと需要(デマンド)サイドの両面からアプローチする。前者については「資源確保戦略」がその中核あり、新規油田・ガス田開発、パイプライン等輸送インフラ整備、資源外交等における各国の国際戦略について検証する。後者については「省エネルギー、新世代エネルギー開発及びその導入」が大きな柱となり、輸送部門における燃料政策、各種家電産業や民生におけるエネルギー効率化、バイオ燃料に関する諸問題、省エネに関わる新技術の開発動向について調査・検証する。さらに、資源戦略においては、地球環境に関する政策及びビジネスの動向が極めて重要であり、排出権取引における多国間ルール策定動向、関連ビジネスの動向について調査を行うほか、ポスト京都プロトコルへの米国や中国等途上国の参加の可能性についても提言を行う。
上記の問題認識ならびに研究成果は、オープン教育センターで開講される講座を通じて本学学生に提供される。2007年度は「エネルギー国家戦略と資源ビジネス最前線」を開講している。
研究報告
※資源戦略研究所
2012年04月01日〜2017年03月31日までの活動に関してはこちら
http://www.kikou.waseda.ac.jp/WSD322_open.php?KenkyujoId=6F&kbn=0&KikoId=01
2010年度
研究報告2010年度は、日本のエネルギー戦略と今後の方向性について、有識者、政策関係者との認識の共有化を行った。特に金融危機で停滞する世界経済の中で国際エネルギー市場を、供給サイド、需要サイドの両面から捉えた議論を行った。
供給サイドでは、日本の資源確保戦略について議論した他、諸外国の資源戦略、食糧、水資源、金属資源等、議論の対象を拡大させた。特に「資源ナショナリズム」と言われる資源産出国におけるエネルギー資源の国家管理・外資規制強化の動きや、石油メジャーと言われた巨大企業に対抗する国有企業の台頭などが指摘された。
需要サイドにおいては、中国・インドを中心とした世界各国でのエネルギー需要の増加ならびに国際エネルギー市場への影響が指摘された。地球環境の観点からも、「省エネルギー、新世代エネルギー開発」を検討し、クリーンエネルギーの需要も高まりを見せていた。
これらの論点ならびに研究成果は、オープン教育センター設置科目「エネルギーと地球環境の国家戦略とビジネス」にて本学学生に教授された。
2009年度
研究報告2009年度は、2008年9月のリーマンショックを皮切りに世界中を包み込んだ金融危機及び、2009年1月に米国オバマ政権の発足がエネルギー市場に与えた影響について有識者、政策関係者との認識の共有化を行った。国際エネルギー市場の供給サイド需要サイド両面の様々な要因から大きな構造変化についての議論を展開した。
供給サイドでは「日本の資源確保戦略」を軸に、資源産出国におけるエネルギー資源の国家管理・外資規制強化の動き、パイプライン等の大規模流通インフラの不足等の問題からエネルギーと国際政治の関係が指摘された。
需要サイドに関しては「省エネルギー、新世代エネルギー開発及びその導入」について焦点を充て、特に米国のグリーンニューディール政策がクリーンエネルギーの需要への影響、地球環境の観点から排出権取引における多国間ルール策定動向、ポスト京都プロトコルへの米国や中国等新興国の参加の可能性、関連ビジネスの動向などの議論を行った。
これらの論点ならびに研究成果は、オープン教育センター設置科目「エネルギーと地球環境の国家戦略とビジネス」にて本学学生に教授された。
2008年度
研究報告? フォーラム「エネルギーをめぐる今後の国際動向と日本の課題」の開催
東京財団と連携し、2009年1月14日に日本財団ビルにて、IEA(国際エネルギー機関)の田中伸男事務局長を招いてフォーラムを開催した。このフォーラムではIEAが発表した2008年度版 “World Energy Outlook 2008″(「世界エネルギー投資展望2008」)のデータを踏まえて、今後のエネルギーをめぐる世界的動向や日本の課題などについて議論行った。
? 日本のエネルギー戦略と今後の方向性について有識者、政策関係者と議論を行った。2008年度は、2007年度に引き続き供給サイドでは「日本の資源確保戦略」、需要サイドに関しては「省エネルギー、新世代エネルギー開発及びその導入」について焦点を当てて議論を行なった他、資源戦略において近年益々重要性を増している地球環境に関する政策及びビジネスの動向を掴むために、排出権取引における多国間ルール策定動向、関連ビジネスの動向、ポスト京都プロトコルへの米国や中国等途上国の参加の可能性など「エネルギーと地球環境」にフォーカスし、現状の問題点や今後の可能性などを明確にした。
これらの論点ならびに研究成果は、オープン教育センター設置科目「エネルギーと地球環境の国家戦略とビジネス」にて学生に教授された。
2007年度
研究報告 2007年度は、日本のエネルギー戦略と今後の方向性についての問題点の整理と政策関係者との認識の共有化を行い、次年度以降の研究準備を行った。
具体的なテーマは、以下の通り。
・供給サイド
●新規油田・ガス田開発
●パイプライン等輸送インフラ整備
●資源外交等における各国の国際戦略
・需要サイド
●輸送部門における燃料政策
●各種家電産業や民生におけるエネルギー効率化
●バイオ燃料に関する諸問題
●省資源に関わる新技術の開発動向
上記の議論のうち、供給サイドに関しては特に「日本の資源確保戦略」について焦点を当て、需要サイドに関しては特に「省エネルギー、新世代エネルギー開発及びその導入」について焦点を当てて議論を行なった。その他、地球環境に関する政策にまでその議論を広げ、排出権取引の現状や京都プロトコルへの米国や、中国等途上国の参加の可能性についても問題点を明確にした。
また、日本国政府のエネルギー戦略に関わる政策責任者との政策対話を行うとともに、バルト海諸国のエネルギーセキュリティに関し、東京財団の「バルト・北欧諸国と語る対ロ外交」シンポジウム(6月8日、9日)のオーガナイズに協力をした。
これらの論点ならびに研究成果は、オープン教育センター設置科目「エネルギー国家戦略と資源ビジネスの最前線」にて学生に教授された。
所長
平田 竹男[ひらた たけお](スポーツ科学学術院教授)
メンバー
研究所員
平田 竹男(スポーツ科学学術院教授)
大聖 泰弘(理工学術院教授)
円城寺 守(教育・総合科学学術院教授)
中村 好男(スポーツ科学学術院教授)
友成 真一(理工学術院教授)
連絡先
研究所の学内箇所:平田竹男研究室
研究所コンタクト先:[email protected]