Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

流体数学研究所【第Ⅰ期】
Institute of Mathematical Fluid Dynamics

【終了】2010~2014年度
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研究テーマ

マクロレベル及びメゾレベルからの流体数学の研究

分野:科学

研究概要

(1)メゾレベルからの流体数学研究
分子運動を粗視化したメゾレベルとマクロレベルであるナヴィエ・ストークス方程式の会田の相互関係を明らかにし、大域幾何学的変分法に確率解析的な手法を加えナヴィエ・ストークス方程式をあらたに導出する。そしてナヴィエ・ストークス方程式の弱解を再構成し、その一意性がミレニアム問題となっているLeray-Hopf解に新しい知見を与える。

(2)マクロレベルからの流体数学研究
ナヴィエ・ストークス方程式研究に、実解析、関数解析、スペクトル解析に加え、非線型分散型方程式研究での重要な研究方法であるFourier制限法を導入し、ナヴィエ・ストークス方程式研究における主要な方法である線型安定性解析法をより精緻に発展させ、マクロレベルからの流れの数学的解明を発展させる。

本研究により、マクロレベルとメゾレベルの両面からのナヴィエ・ストークス方程式の研究を行う。また航空機の設計、原子炉の設計などの工学の問題、気象学、生命科学、環境問題などの流体の応用分野における流れの現象の理解、予測、制御などの研究にも応用する。

研究報告

【2010年度】
1.メゾレベルからの流体数学研究
キャビテーションに代表される混相流は、Navier-Stokes方程式によるマクロな視点に加えて、気泡に関わるミクロからマクロに至るダイナミクスの理解が不可欠となる。今年度は、流体運動をミクロからマクロまでの視点を通して理解するために、(1)分子動力学の手法による気泡の生成崩壊機構の理解、(2)粒子法によるNavier-Stokes方程式のLagrange記述による解析法の開発、(3)Navier-Stokes方程式から導かれる級対称な気泡ダイナミクスに関するRayleigh-Plesset方程式による解析を行った。

2.マクロレベルからの流体数学研究
(1)層流はReynolds数が増加すると不安定になることが知られているが、不安性のメカニズムを平行流近似に基づく対流不安定・絶対不安定の概念をもとに説明する試みとして擬微分作用素、Fourier積分作用素による解の表示に基づく解析手法の検討に入った。
(2)層領域における Navier-Stokes 方程式を Sobolev 空間およびBesov 空間の枠組みで研究し、Poiseuille 流が Besov 空間に属する解として特徴づけられることを示した。
(3)混相流の理論的研究として最大正則性原理とレゾルベント評価を同時に証明する、R-有界性に基づくこれまでにない新しい方法を開発した。さらに線形化問題を一般領域で考察することに成功した。

研究活動:流体数学研究の中心地となるべく、研究集会、ミニコース、通常の研究会を積極的に行い、国内外の多くの参加者を得ている。詳しくは柴田研のホームページ(http://www.fluid.sci.waseda.ac.jp/shibata/index.html)を参照してください。

所長

山崎 昌男[やまざき まさお](理工学術院教授)

メンバー

【研究所員】
柴田 良弘(理工学術院教授)
小澤 徹(理工学術院教授)
吉村 浩明(理工学術院教授)
柳尾 朋洋(理工学術院准教授)
山崎 昌男(理工学術院教授)
小薗 英雄(理工学術院教授)
手塚 亜聖(理工学術院准教授)

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