ジャーナリズム教育研究所【第Ⅲ期】
Institute for Education in Journalism
【終了】2010~2014年度
研究テーマ
ジャーナリスト教育の実践的方法の研究開発
分野:教育
研究概要
本研究所は日本のジャーナリズム活性化のためにジャーナリスト教育とジャーナリズム研究の両輪によって貢献しようとする目的を持っている。過去3年間の教育・研究成果を踏まえつつ、それをさらに展開する課題1と新たな課題2〜4を推進していく。
1.「ジャーナリスト養成教育の実践的研究開発」
研究と教育の往還運動を目指し、本研究所で開発したジャーナリスト養成教育の方法や内容を本学オープン教育センター・テーマスタディ(全学共通副専攻)・「ジャーナリズムコース」のコア科目群に適用・還元していく。その教育実践で得られた認識と知見を研究開発にフィードバックしていく。
2.「放送ジャーナリズム史の教材開発と教育利用の研究」
(財)放送番組センターの放送ライブラリーにすでに保存されている番組および今後新規に保存される番組のなかから主として報道番組およびドキュメンタリー番組を利用して、どのようにテレビジャーナリズム史を構成することができるかを研究し、実際に教材を開発し作成する。その教材は2つの分野に分けることができる。
(1)日本のテレビジャーナリズムにおけるテーマ別コレクション
(テーマの選定とそれに対応した教材)
(2)日本テレビジャーナリズム通史の教材
これによりアーカイブを静態的なものから動態的なものに転じていく糸口を探る。
3.「若手ジャーナリストが挫折する原因の研究」
就業経験の浅い若手ジャーナリストが離職したり躓いたりするケースが増えており、それが問題となっているが、その原因がどこにあるのかを解明するため、産業構造的、企業経営的、職場コミュニケーション的、職業倫理的、世代文化的などさまざまな局面での理論的仮説を持ちながら、インタービュー調査や現場観察などによって研究する。原因の解明から改善策を打ち出したい。
4.「個人向け現役ジャーナリスト教育研修プログラムの研究」
研究課題2.と3.の成果を踏まえつつ、メディア産業の中の個人へ向けてどのようなジャーナリスト教育研修のプログラムが有効かつ意味があるかを研究し、実際に応用する。
研究報告
【2012年度】
研究分野では、財団法人放送番組センターからの委託研究のために所内に「放送番組の森研究会」を設立し活動してきたが、その成果物として、本研究所と放送番組センター共編『放送番組で読み解く社会的記憶―ジャーナリズム・リテラシー教育への活用』(A5版 390頁+DVD1枚)を日外アソシエーツより2012年6月に刊行した。同書執筆者10名のうちの6名が本研究所のスタッフである。また、長期にわたる研究プロジェクトとしてジャーナリズム事典の出版計画を進めてきたが、それを完了し、本研究所編『エンサイクロペディア現代ジャーナリズム』(A5版 403頁)を2013年4月に早稲田大学出版部より刊行した。執筆者は16名であるが、そのうち11名は本研究所のスタッフである。
教育分野では、オープン教育センター・全学共通副専攻・ジャーナリズム/メディア文化コースの運営と授業をサポートしてきたが、その必修科目「ジャーナリズム概論」向けの教科書の作成を企図し、執筆・編集を行った。本研究所編『レクチャー現代ジャーナリズム』(A5版 298頁)を2013年5月に早稲田大学出版部より刊行予定。執筆者7名の全員が本研究所のスタッフである。
【2011年度】
研究分野では、財団法人放送番組センターの委託研究のために所内に設立された「放送番組の森研究会」の活動を続け、その一環で第2回公開研究発表会として「放送番組を活用するジャーナリズム教育の試み―研究会メンバーによる公開授業」を2011年11月18日〜20日の3日間にわたって横浜情報文化センターで開催した。この研究成果のまとめは年度末までに終わり、2012年6月に本研究所と放送番組センター共編『放送番組で読み解く社会的記憶―ジャーナリズム・リテラシー教育への活用』(A5 390頁+DVD1枚)として日外アソシエーツより刊行される予定である。
教育分野では、オープン教育センター・全学共通副専攻・ジャーナリズム/メディア文化コースの運営と授業をサポートし、ジャーナリズム教育の実践を通じて教育メソッドとカリキュラム内容の改善に努めた。本学キャリアセンターの公認インターンシップ・マスメディアコースの運営をサポートし、メディア企業との関係を構築しつつ、インターンシップ教育の仕組みの改善と前進をはかった。こうしたジャーナリズム教育を受講した学生が実際にメディア企業に就職し、ジャーナリズムの道を歩むという成果を生み出している。
所長
花田 達朗[はなだ たつろう](教育・総合科学学術院教授)
メンバー
【研究所員】
花田 達朗(教育・総合科学学術院教授)
伊藤 守(教育・総合科学学術院教授)
藁谷 友紀(教育・総合科学学術院教授)
野中 章弘(政治経済学術院教授(任期付))
清水 功雄(理工学術院教授)
【招聘研究員】
板橋 洋佳(ジャーナリスト)
大石 泰彦(青山学院大学法学部教授)
梶山 天(ジャーナリスト)
木村 英昭(ジャーナリスト)
小林 宏一(東京大学名誉教授)
高田 昌幸(ジャーナリスト)
別府 三奈子(日本大学大学院新聞学研究科/法学部教授)
山城 紀子(ジャーナリスト)
吉田 敏浩(ジャーナリスト)
依光 隆明(ジャーナリスト)
林 怡?(立教大学社会学部准教授)
連絡先
教育・総合科学学術院 花田 達朗研究室
E-mail:[email protected]