先端バイオ研究所【活動終了】
Institute for Biomedical Science
【終了】2000~2007年度
研究テーマ
神経科学、分子遺伝学、発生生物学
研究概要
近年バイオ研究成果の評価は世界的に見て、そこで産出された論文のインパクトファクターにより数値化され、序列化されるのを常としており、わが国においても例外ではない。研究実施にあたってはこの点を考慮してわが国では極めて高い評価を得ている本学および本学に関係する研究者のみをピックアップして研究グループを構成し、神経科学では全米ナンバー1のオレゴン健康科学大学との共同研究を組み込んで世界的に遜色の無いレベルの研究推進を計る。
具体的な研究内容としては脳のクリティカルペリオド(発達臨界期)を中心に睡眠・概日リズム・本能・ホメオスタシスといった固体の行動(振る舞い)の遺伝子レベルの研究、細胞内情報伝達、分子運動制御など細胞におけるカルシウム、ホルモンなど液性因子の作用やリン酸化といった分子レベルの研究を主に行なう。その際に分子遺伝学の手法をフルに活用することによりあらゆる機能タンパク質の可視化を試みその相互作用や動きをイメージングで表す。最終的にはこれらをすべてドッキングさせることにより、アルツハイマー症に代表される現代分子病の解明、動物の認識システムの解明といった基礎研究はもとより、応用研究としては、創薬、不安の解消、幼児教育システム、バイオ研究用ハイテク測定システムの開発を行い社会に貢献する。
研究報告
2005年度
研究報告 本研究所の研究活動は、文科省私立大学学術研究高度化推進事業のうち、オープンリサーチセンター(ORC)〔代表:松本 隆〕と学術フロンティア(FS)〔代表:石山 敦士〕を双璧として推進されている。
ORCの研究活動のうち、本年度の特記事項としては、台湾大学神経生物学・認知研究所(C.T.Yen所長)に所属する6人の研究者(いずれも台湾大学各学部の教員)を岐阜市へ招き、神経科学をメインテーマとして国際カンファレンスを開催できたことである。
日本側からは、8人の研究者をスピーカーとして招聘したが、その中で先端バイオ研究所からは、石山敦士教授、堀江秀典教授が参加した。この会の最大の意義は、アジアの神経科学研究では最も高い水準にあると言われている台湾神経科学会の第一線研究者との共同研究を前提とした相互理解の推進である。
一方FSについては、シンガポールで研究を展開中の早稲田・オリンパス バイオサイエンス研究所(WOBRI)の活動が上昇中であることを述べておきたい。今年中に現地人ポスドクを2名採用し、現地に根を下ろした活動を科研機構にもサポートしていただいて研究を展開する予定である。
2004年度
研究報告2000年に発足した先端バイオ研究所も私立大学学術研究高度化推進事業のうち、 2002年度よりオープンリサーチセンター「脳機能工学研究所」が、2003年度より学術フロンティア「行動研究フロンティア」が採択され、それを受けて東伏見キャンパス(75号館)を中心に上記2つの研究を推進してきた。そして2004年度からはオリンパス株式会社から資金提供を受けてシンガポールに「早稲田‐オリンパス バイオサイエンス研究所」(略称:WOBRI)を開設するに至った(2004年7月14日オープン)。上記3つの研究プロジェクトの共通キーワードは「脳」であり、「脳機能工学研究所」では主として工学的アプローチにより脳機能の理解を目指している。このプロジェクトに投入している研究員の数も18名で脳研究に関連する広い分野をカバーしている。一方、「行動研究フロンティア」は前者とは逆に遺伝子をベースに脳の機能を理解してゆくというストラテジーをとっている。研究員は全体として7名の構成である。
WOBRIに於ける研究体制は前2者とは全く異なり、その研究組織は3名の客員教授 (専任扱い) とそれを支える9名の客員講師(専任扱い)から成っており、研究を展開する場所も、バイオ立国を目指すシンガポールのバイオポリスと呼ばれる研究団地の中である。そこで行われる研究は、
(i)知性と睡眠を支える抑制性GABA受容体の役割の解明
(ii)睡眠の分子メカニズム
(iii)神経細胞の障害と修復のメカニズム
の3つである。これらは何れも「脳機能原理の探求」という大きなテーマを構成するサブテーマであり、このうち(i)は既にスタートした。(ii)は本年6月から本格的にそして(ii)は明年4月から始まる。このプロジェクトにはデューク大学眼研究センターからの協力を得ている。
所長
石山 敦士[いしやま あつし](理工学術院教授)
メンバー
顧問
吉岡 亨(早稲田大学名誉教授)
研究員
石山 敦士(理工学術院教授)
大木 義路(理工学術院教授)
川原田 洋(理工学術院教授)
庄子 習一(理工学術院教授)
村田 昇(理工学術院教授)
柴田 重信(理工学術院教授)
井上 宏子(理工学術院教授)
野嶋 栄一郎(人間科学学術院教授)
宗田 孝之(理工学術院教授)
松本 隆(理工学術院教授)
斉藤 美穂(人間科学学術院教授)
客員教員(専任)
江口 直美(客員教授)
尾崎 美和子(客員教授)
藤井 律子(客員准教授)
客員教員(非常勤)
遊佐 厚(客員教授/未来創造研究所所長)
ウォン フルトン(客員教授/デューク大学医学部教授兼眼研究センター研究部長)
客員研究員
唐木 幸子(オリンパス光学工業(株)基礎技術研究所ライフサイエンステクノロジーリサーチセンター主任研究員)
裏出 良博(?大阪バイオサイエンス研究所・分子行動生物学部門研究部長)
角谷 寛(スタンフォード大学睡眠異常研究センター客員研究員)
菅野 巖(独立行政法人放射線医学総合研究所 分子イメージング研究センター センター長)
渡邊 和子(岐阜大学医学部講師)
秋尾 沙戸子(慶応義塾大学国際センター非常勤講師)
池田 真行(富山大学大学院理工学研究科(生命融合教育部)准教授)
小野 弓絵(東京歯科大学歯学部生体機能学講座講師)
宮川 和子(帝京大学薬学部助手)
堀江 秀典(神奈川歯科大学咬合医学研究所客員教授(専任扱い))
連絡先
早稲田大学 先進理工学部
石山敦士研究室
Email: [email protected]