Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

2006年度
研究報告　本研究所は2006年6月で「終了」となったが、4月22日（土）にシンポジウムを行い、 残金を活用して報告・資料集を作成中である。シンポジウムの趣旨は、「政治文化」の視角から 「近代移行期の東アジア」の特徴をとらえることにあり、以下の報告を準備して、コメント、 討論を行った。芸能、結社習俗等の報告を用意したのは、それらを「政治文化」の視野を広げ、 その視線で議論を深めるためである。
報告
日本近世史：須田努（早稲田大学）「政治文化としての三遊亭圓朝−文明開化という規範−」
日本近代史：檜皮瑞樹（早稲田大学）「蝦夷地をめぐる政治意識−アイヌ墳墓盗掘事件から−」
中国史近代史：山田賢（千葉大学）「近代中国と『秘密結社』の発見」
朝鮮近代史：趙景達（千葉大学）「朴殷植における国家と民衆─朝鮮的政治文化の葛藤」
コメント
安在邦夫（早稲田大学）「須田報告コメント」
島善高（早稲田大学）　　檜皮報告コメント
深谷克己（早稲田大学）　趙・山田報告コメント
2005年度
研究報告２００５年５月７日（土曜日）研究所主催シンポジウムを開催した。
シンポジウムタイトル「近代移行期の東アジアー政治文化の変容と形成ー」

総合司会　須田努（早稲田大学文学部、研究協力員）
報告１、深谷克己（研究所代表）「東アジアにおける近代移行期の君主・神観念ー救済と平等への待望シンボルについてー」
報告２、安在邦夫（共同研究者）「自由民権派壮士に見る国権意識と東洋認識ー自由民権運動収斂期における壮士の言説より見たるー」
報告３、紙屋敦之（共同研究者）琉米修好条約の締結と首里王府ー総理官・布政官を中心にー」
報告４、島善高（共同研究者）「律令法から西欧法へー福島種臣を手がかりとしてー」
各報告についてコメンテーターが発言した。
コメント１、趙景達（千葉大学）「近代移行期東アジアにおける君主と士の位相ー」
コメント２、熊達運（山梨学院大学）「日本の明治初期における律令法から西欧法ー移行する過程の特徴についてー」
付記　このシンポジウムは関係者担当のオープン科目の受講学生にも知らせて参加者を得た。また文学部の専任教員などの参加、発言を得た。これらの報告・コメントを中心に『アジア歴史文化研究所　シンポジウム報告集』を企画し、12月12日に完成させた（88頁）
2004年度
研究報告　当研究所は、「 近代移行期を中心にしたアジアの政治と民衆の双方向的歴史研究」を共通課題としている。2004年度は、課題へせまるためのシンポジウウムを2005年5月7日（土曜日）に開催することにし、そこでの報告・討論をまとめて公表することを決め、そのための準備過程のかたちで何回かの会合を開いた。準備の討論が、研究の方向を固めることになって、シンポジウムの共通テーマを「近代移行期の東アジアー政治文化の変容と形成ー」とすることになり、さらに４人の研究所メンバーの個別報告テーマを、深谷克己「東アジアにおける近代移行期の君主観念・神観念ー救済と平等への待望シンボルー」、安在邦夫「19世紀後半東アジアの民権意識ーとくに日本における「壮士」の東洋観と民権意識ー」、紙屋敦之「琉米修好条約の締結と首里王府」、島善高「律令法から西欧法へー福島種臣を手がかりとしてー」と決定した。これらのテーマ決定にたどりつく論議が、当研究所の今年度の独自活動の成果であると言える。