開催報告:総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所 2021年度11月研究例会
▼2021年11月研究例会(第198回オペラ研究会)
- 日 時 : 2021年11月06日(土)16:30-18:00
- 開催方式 : オンライン開催(Zoom使用)
- 発 表 者 : ニューエル・アントニー
- 所属・資格: 早稲田大学政治経済学術院・教授
- 題 名 : 『82のキーによるオペラ:19世紀前半のオペラとピアノの融合』
- 発表言語 : 英語
- 概 要 :
音楽の世界では、オペラとピアノは長い間別々の分野として確立されてきましたが、19世紀前半、特に1830年代と1840年代の20年間に、打楽器的要素も含むピアノに「歌わせる」という発想が生まれ、この2つが融合しました。新種のピアノのヴィルトゥオーゾが登場し、演奏だけでなく、当時流行していたオペラの旋律を使って作曲するなど、聴衆を驚愕させ、しばしばヒステリー状態に陥らせることもありました。西洋のオペラもピアノも、その起源はイタリアに遡りますが、ここで取り上げる二十年の間、ヨーロッパの音楽シーンを支配していたのはフランスの首都パリでした。本プレゼンテーションでは、オペラとピアノのそれぞれの歴史を簡単に説明した後、前者の音楽が後者のレパートリーに影響を与え、鍵盤楽器の技術がそれまでとは比較にならないほど飛躍的に拡大した過程を紹介します。
パリに集まった多くの名手の中で、鍵盤楽器の能力という点では、フランツ・リストとシギスモンド・タールベルクの2人が最も優れていたと言われています。彼らがオペラの旋律からインスピレーションを得て制作した作品を紹介します。
- 発表者プロフィール :
早稲田大学政治経済学術院教授。言語学者として、早稲田大学では主に英語教育と社会言語学に取り組んでいますが、今回の発表では、オペラとピアノへの生涯にわたる興味をベースにします。そのきっかけは、高校時代の3年間、イタリアのミラノに住んでいたことです。ミラノの有名なスカラ座から徒歩10分のマンションに住んでいて、オペラシーズンには頻繁に公演に出かけました。それから高校に通う傍ら、毎週ミラノ音楽院「ジュゼッペ・ヴェルディ」でピアノのレッスンを受けました。 - 司会者 : 笠原真理子
*コメント: 18名の参加者があった