開催報告:早稲田大学総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所 2021年度10月研究例会
▼2021年10月研究例会(第197回オペラ研究会)
*コメント: 21名の参加者があった。
- 日 時:2021年10月9日(土)16:30-18:00
- 開催方式:オンライン開催(Zoom使用)
- 発 表 者: 江口 大輔
- 題 目: ヴィーラント/シュヴァイツァー『アルツェステ』における「真実らしさ」
- 発表言語:日本語
- 概要:
本報告では、ヴィーラントとシュヴァイツァーによるオペラ『アルツェステ』(1773)を、「真実らしさ」という観点から取り上げる。この作品は、エウリピデスを原作としている点、および「真実らしさ」を作劇上の焦点の一つに据えているという点において、キノー/リュリによる同題材のオペラ『アルセスト』(1674)や、グルック作曲の『アルチェステ/アルセスト』(イタリア語版1767、フランス語版1776)に通じている。小論「ドイツのジングシュピールについての詩論」を参照し、また、アルセスト論争やオペラ改革といったオペラ史における出来事を振り返りながら、ヴィーラントが「真実らしさ」と「驚異的なもの」の緊張関係をどのように作品中に反映させているのかを考えたい。 - 発表者プロフィール:
早稲田大学法学学術院准教授。専門は18世紀ドイツ語圏文学。博士(文学)。
ジャン・パウル(1763-1825)の他、初期啓蒙主義の詩学を主に研究対象としている。「J・J・ブライティンガー『批判的詩論』における「真理」と「真実らしさ」」(2011)、「ジャン・パウル『自叙伝』における固有名「パウル」」(2019)など。 - 司会者 : 佐藤 英