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開催報告 : オペラ/ 音楽劇研究所「7月研究例会」

開催報告: オペラ/ 音楽劇研究所「7月研究例会」

▼2021年度7月研究例会(第196回オペラ研究会)

7/17(土)開催報告

※コメント: 海外からも含めて28名の参加者があり、活発な質疑応答も行われた。

概要
  • 日       時  :  2021年7月17日(土)16:30-18:00
  • 開催方式 :  オンライン開催(Zoom使用)
  • 発  表  者 :  大崎 さやの(早稲田大学総合研究機構オペラ/音楽劇研究所 招聘研究員)
  • 題       目  :  ゴルドーニ作品に見られる異邦人の表象――東方を舞台とした作品を中心に
  • 言        語  : 日本語
  • 概        要  :
    18世紀のヴェネツィアの劇作家、カルロ・ゴルドーニ(1707-1793)は、喜劇、悲喜劇、そしてオペラ・ブッファやインテルメッゾ、オペラ・セーリアの台本と、あらゆる劇ジャンルの作品を手掛けており、作品の舞台もさまざまである。なかでも18世紀のヴェネツィアで最も成功を収めた作品として知られる悲喜劇『ペルシャの花嫁』(La sposa persiana, 1753年初演)は、東方ペルシャを舞台とした作品だった。この成功には、『千一夜物語』がアントワーヌ・ガランの仏語訳(1704-1717)によって人気を博し、その後ヨーロッパの主要言語に翻訳されて、東方世界への関心が盛り上がっていたことが影響を与えたものと思われる。だが一方で、ヴェネツィアの観客が「ペルシャ」や「ペルシャ人」を個別の国や民族として認識していたのか、あるいはその認識は「東方世界、東方の異邦人」という漠然としたものであったかは、定かではない。ゴルドーニは1748年に初演された喜劇『抜目のない未亡人』(La vedova scaltra)で、主人公の未亡人に求婚するイギリス、フランス、スペイン、そしてイタリア――イタリアはまだ国家としては成立していなかったが――の4人のそれぞれの男性に、ヴェネツィアの観客に当時各国民の特徴として一般的に認識されていたであろう特徴を与えて、描き分けた。ゴルドーニは、では、東方世界の登場人物には、国または民族ごとに、特徴を与えているのだろうか。本発表では、東方を舞台とする彼の演劇作品およびオペラ台本を取り上げて、ペルシャ人、スキタイ人、トルコ人等の登場人物の特徴を考察し、ヴェネツィアの観客が一般的に抱いていたと思われる、東方の異邦人のイメージを検討したい。
  • 発表者プロフィール:
    博士(文学)。専門はイタリアの演劇と文学。論文「《ポッペーアの戴冠》の解釈をめぐって―ブゼネッロによる地上の生の賛歌」、『早稲田オペラ/音楽劇研究』 第1号(2018年)、「ゴルドーニとオペラ・セーリア―メタスタージオ作品との関係を中心に―」、『東京藝術大学音楽学部紀要』第44号(2019年)、「マルテッリアーノ詩形と演劇の音楽性―ゴルドーニによるマルテッリアーノ使用をめぐって」、『演劇と音楽』(森話社、2020年)等。東京大学、東京藝術大学、東京音楽大学、明治大学、法政大学、放送大学にて非常勤講師。
  • 司会者:荻野 静男
次回開催予定日

次回例会開催予定日:2021年10月9日(土)
報告者:江口大輔
司会者:佐藤英
早稲田大学総合研究機構オペラ/音楽劇研究所:
e-mail address : operaken-uketsuke[at]list.waseda.jp ( [at] = @)

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