資源循環技術研究所【活動終了】
Institute of Material Recycling Technology
【終了】2000~2006年度
研究テーマ
ダイオキシンをはじめとする有害排出物分析・無害化
研究概要
当初の研究目標を修正して研究を行っている.また現在,環境総合研究センターの呼びかけに応じて,研究クラスターを担う一研究所としてその使命を遂行中である. 地球環境,特に地球温暖化に対してわが国では,省エネルギーの推進,要素機器の効率向上(トップランナー方式の採用),フロン系冷媒の回収や破壊など各種対策がたてられ,実施されている.中でもCO2の排出削減の切り札として,最近まで夢のエネルギーであった,水素利用に期待が寄せられている.これは燃料電池の急速な進展に伴い,わが国では経済産業省の主導のもと,2010年までに5万台,また2020年までには500万台の燃料電池自動車の普及を目標にかかげ,水素供給ステーションの実証を含む燃料電池自動車の公道走行試験が進んでいることも一因である. 本研究所では,二次エネルギーである水素製造段階において化石燃料の消費をできるだけ軽減しようとする,『グリーン水素(G水素)』製造を軸に,わが国の水素利用にかかわるロードマップに先行して,本庄早稲田地区をモデルに水素エネルギー利用社会を構築するための種々の方策を検討している.水素の製造・貯蔵・輸送・利用に関連する一連の研究を行っている.
研究報告
2006年度
研究報告来るべき水素社会に向けて早稲田大学が世界に誇る先駆的なG水素モデル社会を本庄エリアに構築することを目的とし、環境省地球温暖化技術開発事業「本庄・早稲田地域でのG水素モデル社会の構築」を中心に、以下の水素製造〜精製・貯蔵・輸送〜利用までの技術開発及び実証試験を実施した。
?廃Siから高純度水素の製造技術とその製造装置の開発
?水素発生後残渣からの高機能性ゼオライト及びメソポーラス物質合成に関する技術開発
?高純度高圧G水素製造プロセスから得られる副生物を原料とする合成ゼオライト製造に関する技術開発
?廃シリコンおよび廃アルミニウムからの高圧高純度水素ならびにゼオライト製造
?汎用型振動ミルと静電選別を組み合わせたアルミドロスの不純物予備処理技術の開発
?廃アルミからのG水素の製造
?水素発酵によるG水素の製造
?グリーン水素を利用した経済的なFCシステムの開発
?水素化燃焼合成技術による活性化フリー水素吸蔵合金製造技術
?シリコン樹脂をバインダーとしたMHの加工技術と水素精製機能を備えた吸蔵装置の製作
?熱駆動型MH利用自動販売機の開発
?カセット式GHFC信号機の製造とシステム開発
?カセット式FCフォークリフトの開発
?小型FCV(WFCV)の開発
?超軽量燃料電池自動車(Ultra Lightweight Fuel Cell Vehicle:ULFCV)の開発
?燃料電池搭載車いすの開発
〈評価〉
?G水素モデル社会実現に伴う環境負荷発生および経済影響評価手法の開発
?G水素モデル社会の事業性評価
2004年度
研究報告水素吸蔵合金(MH)を用いた水素精製システムの構築
本研究所では水素エネルギー社会のモデル構築を目指した新たな研究開発の取り組みを環境省の支援のもと、全国4大学、10数社とコンソーシアムを組織し、「本庄・早稲田地域でのG水素モデル社会の構築」と題して、本庄・早稲田地区で実施している。中でも、本研究所では、水素貯蔵・輸送・供給でのMH応用と、固体高分子形燃料電池における触媒の被毒を防ぐために欠かせない高純度化水素精製の研究を行っている。本研究は、水素吸蔵合金(MH)が水素だけを吸蔵するという性質を用いて、バイオマスから発生する不純物を含んだ水素ガスをより高純度に精製するものである。04年度には水素精製実証試験システムを構築し、その中でMHの被毒という課題を解決するため、MHのシリコンゴム化(SG化)に取り組んだ。SG化MHは被毒物質に対して強い耐性や高い熱伝導率を示したが、水素貯蔵量についてはMH単体より減少する結果となった。精製実験においてバイオ由来の不純ガスを想定し、メタンと窒素を模擬ガスとして水素に添加し精製実験を行い、いずれにおいても99.99%までの精製に成功している。またシミュレーションでは、FCコージェネレーションおよびMHからの熱回収、水素生成時の低純度水素廃棄を考慮して、エネルギー使用効率61%を得ている。今後は廃アルミや廃シリコン由来を視野に入れ、アンモニアの混入や二成分以上の模擬ガスを用いて精製実験を行う予定である。
所長
勝田 正文[かつた まさふみ](理工学術院教授)
メンバー
研究員
勝田 正文(理工学術院教授)
大聖 泰弘(理工学術院教授)
永田 勝也(理工学術院教授)
草鹿 仁(理工学術院助教授)
客員研究員
金田 好明(特定非営利活動法人まち研究工房代表理事)
河面 英則((有)河面エンジニアリング代表取締役)
酒井 重男(職業能力開発総合大学校創業サポートセンターコンサルタント)
高堂 彰二(高堂技術士事務所所長)
戸村 政雄(戸村技術士事務所所長)
平野 輝美(平野技術士事務所代表)
渡辺 孫也(SCULL渡辺技術士事務所代表)
連絡先
早稲田大学理工学術院
勝田正文研究室
Email: [email protected]