Center for Higher Education Studies早稲田大学 大学総合研究センター

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オンライン授業に関する調査結果(2020年度秋学期)

オンライン授業に関する調査結果(2020年度秋学期)

 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、本学では2020年度春学期のすべての授業をオンラインで実施し、秋学期は対面授業が再開され、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド授業が展開されました。
 早稲田大学大学総合研究センターは、春学期の調査に続いて、秋学期の2021年2月3日~17日にかけて、早稲田大学の全学生を対象に、オンライン授業アンケート調査を行い、9,684件(回収率:20.6%)の回答を得ました。教育の質保証の観点から、実施したオンライン授業・ハイブリッド授業の実態を把握するとともに、引き続き課題の改善を進めて参ります。

 

調査結果のポイント

  • 春学期から秋学期にかけてオンライン授業に満足したと回答した割合が31.8%から52.1%に向上した。
  • 満足いかない(不満な)授業があったと回答した割合は、春学期73.7%から秋学期55.5%に減少した。
  • 有益とされた授業からは、課題に対するフィードバックがある授業の進め方に学生の意見が反映される、といった点が春学期に続き重要であることが示唆された。
  • オンライン授業の改善点としては、身体的な疲れをより感じる点、友達と一緒に学べず孤立感を感じる点、課題が多い点、課題が提出できているか不安だった点があげられたものの、いずれの項目も春学期より減少した。

 

1.調査結果

 調査では、春学期と同様、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う学習・生活への影響やオンライン授業の現状や課題等について調査を行いました。
 まず、春学期から秋学期にかけて、学生生活やオンライン授業の満足している(「まあまあ満足している」+「満足している」)割合が、大学生活全体では、18.4%から33.3%、オンライン授業では、31.8%から42.1%へ増加しました(図1)。
 また、91.2%の学生が「自身にとって有益であったオンライン授業はあった」と回答し(図は省略)、55.5%の学生が「満足いかなかった授業はあった」と回答しました。前者の割合は、春学期とあまり変化していませんが、後者の割合は、73.7%から55.5%へ大きく減少しました(図2)。

図1 満足度の春秋比較

図2 満足いかなかった授業の有無
注)%は回答母数に対する割合

 
次に、オンライン授業の改善点について春学期と同様の項目(複数回答可)で尋ねました(図3)。春学期で改善点として回答の多かった「課題が多い」(63.0%→43.7%)や「目や耳、肩など身体的な疲れをより感じる」(61.8%→51.2%)、「友達と一緒に学べず孤立感を感じる」(58.1%→50.5%)、「課題提出ができているのか不安だった」(52.9%→42.0%)は、秋学期においても改善点としてあげられているものの、春学期と比べ値は減少しました。

 

図3 オンライン授業の改善点の春秋比較

 

最後に、春学期の調査と同様、学生にとって最も有益であった授業と、満足いかなかった(不満のある)授業それぞれの授業方法について尋ねたところ、図4のように春学期と同様の傾向が示されました。最も有益な授業では、「小テストやレポートなどの中間課題がある」(69.9%)、「課題に対するフィードバックがある」(69.7%)、「授業内容や授業の進め方に学生の意見が反映される」(57.0%)といった項目で肯定的な回答が多くみられました。一方、不満のある授業について、「小テストやレポートなどの中間課題がある」(65.8%)では肯定的な回答はあるものの、「課題に対するフィードバックがある」(22.2%)や「授業内容や授業の進め方に学生の意見が反映される」(8.8%)といった項目の肯定的な回答が、最も有益な授業と比べ少ない傾向にあります。

図4 最も有益な授業と不満な授業の授業方法の比較
注)各項目において4件法を用いた。また、「あまりなかった」、「まったくなかった」の割合は省略している。

 

2.調査結果を受けた継続的な取り組み

 既に、春学期のアンケート調査の結果を受けて、大学総合研究センターでは、ウィズ/ポストコロナ時代における授業運営指針として、「オンライン授業・ハイブリッド授業の検討および運営に関する6箇条」および「学生からの要望を踏まえた対応例」を周知し、全学での授業改善を促しています。

オンライン授業・ハイブリッド授業の検討および運営に関する6箇条

以下のことについて、改善努力をします。
・シラバスへの授業・評価方法の明示
・授業形態に応じた適切な教材の提供
・効果的なフィードバックの実施
・積極的な対話機会の提供
・学習目標に応じた計画的な課題のデザイン
・様々な学習環境への配慮

 各条項における「学生からの要望を踏まえた対応例」はこちらをご参照ください。

 

3.今後の課題

 以上、アンケート結果から、2020年度における秋学期のオンライン・ハイブリッド授業は、春学期に見られた課題を改善しつつ、学生の満足度は向上していることが明らかになりました。
 現在、大学総合研究センターでは、アンケート結果を全教員に共有するとともに、アンケート結果内容に基づいた教員向けセミナーの開催ならびに情報発信など、授業改善に資する活動をしております。今後も、授業内容や教員・学生のそれぞれの特性を考慮しつつ、対面授業とオンライン授業の双方の利点を組み合わせた、より効果的な「ハイブリッド授業」の実施を推進していきます。

 

4.調査内容・結果に関するお問い合わせ先

お問合せフォーム
※回答に時間を要する場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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