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野球部 小宮山悟監督が退任会見「教えは『一球入魂』しかない」

記者会見   8月31日 早大・大隈会館

【野球】小宮山悟監督が退任会見「教えは『一球入魂』しかない」/記者会見全文

【2026.9.1早稲田スポーツ】取材 森若葉、写真 大竹瞭

11月30日付で任期満了で早大野球部の監督を退任する小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)が、8月31日午後、大隈会館で会見を行った。

小宮山監督はまずリーグ戦が始まる前に退任の話題を出したことについて、「私(小宮山監督)が監督になる時も同様で、次誰だ、という話が学生たちにどれだけ影響があるかということを、メディアの皆さんがきちんと理解できていないのではないか」と述べ、学生への影響を考慮し「雑音をシャットアウトするという目的」でリーグ戦前に全てを公表することにした、と明かした。

退任については「任期満了の以上でも、以下でもございません」と言い、最後となる秋のシーズンについて、「最後のシーズン、部員の力の全てを集結してですね、頑張ろうと。」と決意を言葉にした。

会見の後半に行われた質疑応答では、知られていない選手が活躍することを「監督冥利に尽きる」と言い、特に春の早慶戦で2本塁打を記録した霜結太(国教2=アメリカ・マクレーン)を挙げた。

在学中からの早稲田の教えである「一球入魂」を学生に植え付けてきたという小宮山監督。「ちょっとやそっとじゃへこたれない連中」と語る部員を率い、小宮山監督にとっても4年生にとっても最後となる秋季リーグ戦で天皇杯奪還を実現したい。

小宮山監督の退任を説明する野球部・日野愛郎部長(政治経済学術院 教授)と小宮山監督 (写真:早稲田大学)

◆小宮山悟(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)

ーー8年間で最も印象に残っている試合、采配、シーズンは

一番って言われるとちょっと困るんですけど、やっぱり3連覇ってなかなかできることじゃないので、3連覇を決めた優勝決定戦はそれなりに思い出がありますね。個人的にはやっぱり「樹(伊藤樹、令8スポ卒=現楽天)のノーヒットノーラン」ですかね。あの回、寺尾(拳聖副将、人4=長野・佐久長聖)のファインプレーでピンチを凌いで、裏の攻撃の時に「お前らこれで点取ったら、樹のノーヒットノーランもオマケについてくるんだから頑張れよ」ってハッパかけたら、サヨナラで勝てたので。試合で言うとその試合が一番印象に残ってますかね。采配で言うと、就任した一番最初の東大戦です。これは加藤主将(雅樹、令2社卒=現東京ガス)以下全員に「今日は俺は何もしないから、お前ら自分たちで考えて野球しろ」って言って、大勝した試合です。これはやっぱり采配で言うと「何もしなきゃ勝てるのかな」という感じで印象に残ってる試合です。

ーー天覧試合はどのような思い出だったのか

 天覧試合に関しては、これもリーグ戦の範疇を超えてると思ってます。本当に人生の中で、ああいう厳かな雰囲気の中で試合をすることは、そう何度もあるもんじゃないと思いますし、ましてや強い慶大に対してあまり思い通りにならなかった早大が最後、意地を見せて勝てたというところが、もちろん学生にとっても大きな試合でしたし、稲門の皆さんにとっても、「早稲田ここにあり」ということを示すことができた試合でもあります。とにかく陛下の試合中に我々に対する温かい眼差しと言いますか、そういうものを目の当たりにして、本当に身体が震えるような試合でした。エピソードで言うと、ずいぶん前から試合の進行も含めて我々に連絡がありまして。もちろん慶大側も承知してたと思うんですけど、試合中に整列してお出迎えをし、試合が終わった後も同様にマウンドの横で整列してお見送りをするという、このお迎えとお見送りのルールが試合終了直後にダグアウト前に整列してる。で、その時はルールが急に変わるなんてのはちょっと考えにくかったので、何が起きたのかなと思ったんですけど、よくよく考えると陛下がですね、勝った早稲田に一塁側を向いて一礼、で拍手。で、負けた慶応に一礼して「よくやりました」みたいな拍手をしてた。これを横一列に並ぶと出来なかったと考えた。双方に対してそう言ったお気持ちを表していただいたということですね。後々わかったことなんですけど。まあ、なかなかそんなことしてもらえるなんてのはないと思ってますので、今時の学生がそれをどう感じたか分からないですけど、個人的には何とも言えない、人生の中で数えるほどありがたい思い出だったというようなことですかね。なのでリーグ戦とはちょっと違った感想ですので、天覧試合は別物という扱いです。

ーーこの8年間、何を早大野球部に残せたのか

 在学中からですね、早大野球部の教えは「一球入魂」しかないと思ってます。それを今の学生に植え付けるのが仕事です。前会長の望月さん(故望月博氏、昭46卒)から監督を託された時に、「低迷してる野球部をなんとかしろ」と(言われました)。個人的にはとても低迷してるとは思ってなかったのですが。つい数年前には春秋連覇で選手権もとって、神宮大会準優勝という華々しい成績を残してた野球部ですから、その野球部を低迷してるという言い方をされるということの方が、ちょっとおかしな感覚だなという風に思ってたんですけども、ただ中に入ってみて、学生たちのその練習してる様を見たりした時にですね、「こりゃとんでもねえな」と。「なんとかしないと本当に早稲田の野球がダメになる」と痛感しましたので、そこを襟を正して、失礼承知で言うと勝った負けた度外視して、まずは早大の野球部員として世の中に対して恥ずかしくないような、そんな部員にしないといけないと感じました。そこから始めて8年で、ある程度のところまでたどり着いたという自負はありますが、所々まだ問題が見え隠れしてますので、おそらく何年たっても思うようにならないんだろうなという気はしてます。だからと言って匙を投げるのではなく、ちゃんとした指導をして、学生たちが世に出た時に「早稲田の野球部で学んだことは何なんだ」と周りに聞かれた時に胸を張って、「これこれこうです」ということが答えられるような、そんな部員にしないといけないと思い、毎日戦っております。

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