
Vリーグに進む(左から)山田、水町、伊藤、荒尾
2023年度、全日本大学選手権(全日本インカレ)で優勝した早稲田大学バレーボール部。それまでの春季関東大学リーグ戦、東日本大学選手権、秋季関東大学リーグ戦と合わせて、大学四冠を達成しました。そんな素晴らしい実績を引っ提げて、4名の選手がV.LEAGUE DIVISION1(V1)の各チームに内定。高校バレー、大学バレーを盛り上げた“水町世代”が、Vリーグに挑戦します。水町泰杜(スポーツ科学部4年)はウルフドッグス名古屋、伊藤吏玖(同学部4年)は東京グレートベアーズ、荒尾怜音(同学部4年)はヴォレアス北海道、山田大貴(同学部4年)は東レアローズに入団します。4名が大学時代を振り返り、卒業後の抱負を語りました。
水町泰杜(WD名古屋)
早大で主将を務めた水町選手。卒業後は2022―2023シーズンで優勝したウルフドッグス名古屋(WD名古屋)と、トヨタ自動車ビーチバレーボール部の両方に所属し、日本では異例のインドアバレーとビーチバレーの二刀流を目指します。その活躍は、両業界の関係者も期待を寄せるところで、両チームは12月末に合同記者会見を行い、水町選手は今後の抱負などを語りました。
WD名古屋に合流してからは、まずはリリーフサーバーとして出場機会を得て、2月10日の東レアローズ戦では2本のサービスエースを獲得。後衛でも、レシーバーとして確かな実力を発揮しました。2月17、18日にはスターティングメンバーとして出場する機会にも恵まれ、勝利に貢献。新人選手ながら、早くもVリーグを驚かせています。
WD名古屋は2023―2024シーズンで6位以上が確定しており、ファイナルステージ進出が決まっています。今後の要所での起用にも期待したいところです。
明るさを大事に、日本人初の二刀流へ「挑戦」
――早稲田大学で身につけたことを教えてください
組織として自分の役割を明確にすることです。各学年に自分の役割があって、主将を務めたのですが、その中で何を自分が何をしなければならないのかというところを学びました。
――大学4年間で1番の思い出
4年生の時に部員全員で行った食事会です。みんながわちゃわちゃしているところを見ているのがすごく楽しかったです。
――卒業後の抱負を教えてください
まずは人としてもプレーヤーとしても、周りの人から必要とされる、信頼される人材になることです。プレーでは自分の持ち味を生かして、自分にできることを精一杯やろうと思います。
――ルーキーイヤーの抱負をお願いします
日本人初のビーチバレーとインドアの二刀流に挑戦するので、きついことや大変なこともたくさんあると思いますが、まずは自分の明るさを大事にして精一杯頑張ろうと思います。
伊藤吏玖(東京GB)
早大で副将を務めた伊藤選手は、東京グレートベアーズ(東京GB)に所属します。東京GBは、首都圏唯一のV1バレーボールチームで、アニメや音楽コンテンツを駆使したホームゲームで今までとは全く違った観戦経験を生み出すなど、バレーボール界の革新をけん引しています。今季は新たな戦力や監督を迎え入れ、7位(※3月3日時点)と順位を上げています。伊藤選手は1月中旬のパナソニックパンサーズ戦にて早くもデビューを飾り、大塚達宣(2023年スポーツ科学部卒)とマッチアップしました。
「活力」 試合に出るのみならず、バレーボールが日本に根付くように
――早稲田大学で身につけたことを教えてください
考えて行動するということです。何事も自分で考えて判断して行動しているので、責任は自分にありますし、バレーボールで結果が出る出ないということも自分の行動がすべて要因だと思っています。
――大学4年間で1番の思い出
2023年の全日本インカレ(全日本大学選手権)決勝の順天堂大戦です。自分がやってきたことを結果として出すことができました。同期そして先輩、後輩、スタッフ、応援してくれた方々と一緒に戦ってつかめた結果だと思います。
――卒業後の抱負を教えてください
Vリーガーとして試合に出て活躍することはもちろんのこと、バレーボールをもっと普及させて、日本国内にしっかりとバレーボールというスポーツが根付くように行動していきたいです。
――ルーキーイヤーの抱負をお願いします
新人なのでチームに活力を与えられるように、チームをいろいろな面から支えて盛り上げていきたいです。
荒尾怜音(ヴォレアス)
全日本大学選手権でリベロ賞を獲得した荒尾選手。その進路発表を心待ちにしていた人々も多かったことでしょう。ついに2月17日、ヴォレアス北海道(ヴォレアス)に所属することが発表されました。ヴォレアスは2022―23シーズンにV1昇格を果たした勢いあるチームです。熊本出身の荒尾選手にとって新天地・北海道は未知の世界であり、寒さが身に堪える様子。しかしここでも、丁寧な一本目の供給源としてチームの攻撃を支えたいところです。
「過程」今までのひとつひとつの試合があってこその四冠
――早稲田大学で身につけたことを教えてください
人とのつながりを大事にするということです。自分の役割や人の良さを見つけることが、自分の良さを伸ばすことにつながっていくと思うので、その点を学ぶことができました。
――大学 4年間で1番の思い出
最後に四冠を取ったことが1番の思い出です。ただ、それまでの過程として3位で終わってしまった2022年のインカレ(全日本大学選手権)、5連覇を達成した2021年のインカレ、最後の一勝を取れなかった2022年の秋リーグなど、ひとつひとつの試合があったからこその今年の四冠だと思っています。
――卒業後の抱負を教えてください
まずは1試合でも多く出場して、自分の良さをいろいろな人に見てもらえるように頑張りたいと思います。
――ルーキーイヤーの抱負をお願いします
1年目は元気よく、また一からのスタートになると思うので、今までやってきたことプラス、高いレベルでいろいろなものを吸収して、頑張っていきたいと思います。
山田大貴(東レ)
早大でエースとして活躍し、全日本大学選手権でMIPを受賞した山田選手。卒業後は、地元・静岡の東レアローズ(東レ)に所属します。早大から東レへは、上條レイモンド(2022年スポーツ科学部卒)、重藤トビアス赳(2023年スポーツ科学部卒)に続いて3年連続。年の近い先輩たちと共に、高さあるプレーでチームに爆発力をもたらし、地元に愛される選手を目指したいところです。
「憧れ」のチームへ入団 地元・静岡で愛されるような選手に
――早稲田大学で身につけたことを教えてください
自分の軸をぶらさないことです。スポーツなので、一瞬の判断が任せられるのですが、自分の軸がぶれないことが決断力につながると感じました。
――大学4年間で1番の思い出
自分たちの代で、全日本インカレで優勝したことです。3年生までは全日本インカレにずっとは出ていなくて、自分の代になってやっと全日本インカレにスタメンとして出場することができて、結果も残すことができたので良かったと思います。
――地元のチームに入団されるということで、卒業後の抱負を教えてください
高校生までずっと静岡に住んでいて。ふるさと、地元の中で憧れであった東レアローズに入団するということで感慨深いなと思っています。地元の人たちに愛されるような選手になりたいと思っています。
――ルーキーイヤーの抱負をお願いします
ありがちなのですが、新人らしくフレッシュに頑張りたいなと思います!
#東レアローズ ホームゲーム
📍このはなアリーナ
1/27-28明日から内定3選手のタオルが販売開始です⭐️
3人も超喜んでいます#山田大貴#武田大周#小野寺瑛輝#だいき#たいしゅう#えいき#タオル掲げて#声出して#名前呼んでくださいレイ先輩からのダメ出し🤣
まなごんの👏 pic.twitter.com/8VEsUrw8J0— 東レアローズ静岡 (@TORAY_ArrowsMEN) January 26, 2024
内定3人の等身大パネル
出来上がりました⭐️本日練習見学でお披露目👍
大貴さん
アローズジュニアの練習で東レ体育館に来ていた時に憧れて見ていたパネルに自分がなった事☺️うれしいそうです#東レアローズ#山田大貴#武田大周#小野寺瑛輝 pic.twitter.com/VJ5mwSc77j— 東レアローズ静岡 (@TORAY_ArrowsMEN) February 21, 2024

それぞれのチームのユニフォームを身にまとう4人
◆荒尾怜音(あらお・れおん)※写真右
2001(平13)年5月1日生まれ。174センチ。最高到達点305センチ。熊本・鎮西高出身。スポーツ科学部4年。卒業後はヴォレアス北海道に所属。リベロ(L)。背番号8。
◆伊藤吏玖(いとう・りく)※写真中央右
2001(平13)年11月14日生まれ。195センチ。最高到達点332センチ。東京・駿台学園高出身。スポーツ科学部4年。卒業後は東京グレートベアーズに所属。ミドルブロッカー(MB)。背番号26。
◆水町泰杜(みずまち・たいと)※写真中央左
2001(平13)年9月7日生まれ。181センチ。最高到達点339センチ。熊本・鎮西高出身。スポーツ科学部4年。卒業後はウルフドッグス名古屋に所属。アウトサイドヒッター(OH)。背番号12。
◆山田大貴(やまだ・だいき)
2001(平13)年8月7日生まれ。191センチ。最高到達点345センチ。静岡・清水桜が丘高出身。スポーツ科学部4年。卒業後は東レアローズに所属。アウトサイドヒッター(OH)。背番号12。
記事・写真 五十嵐香音(学生スタッフ・政治経済学部3年)