2023年 阪神タイガース優勝の原動力に
プロ初の10勝 大竹耕太郎投手(早大野球部OB)

9月9日の広島カープ戦で10勝目を挙げた大竹投手(共同通信)
阪神タイガースのセ・リーグ優勝に大きな貢献を果たした、早稲田大学野球部OB・大竹耕太郎投手(2018年スポーツ科学部卒)。10勝2敗、113.2回を投げて防御率2.14、WHIP 0.99。ローテーションの柱としてマウンドに立ち続け、タイガースに貯金8をもたらす優勝の原動力となりました。
その大竹投手が早稲田大学に入学した2014年、野球部特別コーチとして指導に当たっていた小宮山悟監督から祝福メッセージが寄せられました。
早大野球部・小宮山悟監督
「リーグ優勝の原動力としての自信を胸に」
優勝おめでとうございます。
移籍初年度、慣れない環境下で、特筆すべき働き、見事でした。
早稲田入学時、コーチとして、東伏見でアドバイスを送った日々が懐かしく思い出されます。
済済黌のエリートが、雑草の様な逞しさを身につけプロの世界に飛び込むも、なかなか思う様にならず、新天地に移り、ホークスで苦労した分、甲子園でキラキラと、輝いてますね。
リーグ優勝の原動力としての自信を胸に、日本シリーズでも活躍されん事、お祈りします。
誰も来なかったドラフト会見
大竹耕太郎、育成指名から4万人を熱狂させる投手へ

10勝目のウイニングボールをクローザー・岩崎優選手から受け取る大竹投手。左は早稲田の大先輩・岡田彰布監督
2017年10月26日のドラフト会議、ソフトバンクホークスから育成選手4巡目で指名された当時・早稲田大学スポーツ科学部4年の大竹耕太郎投手。東京・西東京市東伏見の野球部室内練習場で行われた記者会見に訪れたのは学生新聞『早稲田スポーツ新聞会』だけで、報道関係者は誰も来ませんでした。

2015年の六大学野球秋季リーグ戦で慶應相手に完封し、45度目の優勝に導いた大竹投手
野球部のエースとして早稲田を支えて2015年春・秋連覇を達成、全日本大学選手権での日本一の立役者となった大竹投手でしたが、3年生以降は苦しみ、何とか辿りついたプロ指名でした。「厳しい選択をすることが自分の為になる。まずは支配下登録されるように、全力で、泥臭くやっていきます」と語っていました。

2017年に行われたドラフト指名後の記者会見。取材に来たのは学生新聞『早稲田スポーツ新聞』のみで、報道関係者は誰も来なかった
あれから6年近くたった2023年9月9日、阪神甲子園球場には「キラキラと輝く」(小宮山監督)、阪神タイガースのユニフォームを着た大竹投手の姿がありました。4万2000人の声援を受けて6.2回を投げて1失点の力投、プロ初の二けた勝利を達成しただけでなく、打つほうでもプロ初のタイムリーヒットを放ちました。
2022年の暮れに行われた現役ドラフトで阪神タイガースに移籍。奇しくもこの年に就任した野球部の大先輩・岡田彰布監督(1976年教育学部入学)のもとで再起を図ることになりました。

プロ初のタイムリーヒットを放つ大竹投手(共同通信)
10勝目を目前に岡田監督は言いました。「初めてローテーションに入って、今年なあ、大竹も、こんな成績は初めてと思うし、やりがいはあると思うしな。何ていうかなあ、個人的にそういう目標があるというのは頑張ってきた証拠やもんな」(日刊スポーツ)。このコメントを見て大竹投手は発奮、「こんなふうに思ってくれてるんだな」とその期待に応えました。
150キロを投げるのが当たり前のようになっているプロ野球で、多彩な変化球と緩急を生かした的を絞らせない「技巧派」。泥臭く、雑草のような逞しさで、岡田監督にとってもタイガースにとっても、18年ぶりとなる優勝に多大な貢献を果たしました。
祝勝会では「最高です!!! 1試合、1試合必死で頑張ってきました。9月までどうにか1軍にいることができて、いい経験になっていると思います。CS、日本シリーズと続きますし、それに向けて1試合1試合、いい投球ができるように、来て下さるファンのみなさまのためにも一戦必勝で頑張っていきたいと思います」と語りました。
アレ達成👏👏 pic.twitter.com/n2rQZ98RRr
— 大竹 耕太郎 (@ohtake89) September 14, 2023
昨日10勝目を
あげることができました!
まだまだ通過点。
もっと貪欲に
頑張っていきたいと思います!
この首位攻防戦で
村上、将司と3人で揃って
10勝目をあげられたのは
本当に嬉しかったです^ ^
これからも切磋琢磨して
みんなで頑張ります。 pic.twitter.com/vVtpfcnixy— 大竹 耕太郎 (@ohtake89) September 10, 2023