田中総長が祝福「勇気と元気与えてくれた、早稲田の誇り」
東京オリンピック2020のレスリング女子50キロ級で金メダルを獲得したレスリング部・須崎優衣選手(スポーツ科学部4年)を称える会が9月1日、早稲田キャンパス17号館のレスリング場で行われました。田中愛治総長、恩藏直人常任理事、石井昌幸競技スポーツセンター所長が訪問し、須崎選手、レスリング部の平山廉部長、佐藤吏監督、稲門レスリング倶楽部の平野敦彦会長、JOCエリートアカデミーの吉村祥子コーチらを祝福しました。
写真撮影時のみマスクを外しております。
現役女子学生として早稲田初の五輪金メダル
須崎選手が部員として普段から練習しているレスリング場で行われた称える会。田中総長は「金メダル、優勝、おめでとうございます。私も空手部員として4年間、空手道場で練習をしていましたので、こうした場所を懐かしく感じます。ここで鍛錬されてすばらしい結果を出されて、本当におめでとうございます」と声をかけました。
さらに「須崎選手はオリンピック出場の望みが途絶えかけたときでも『o.1%』の可能性にかけて努力を続けました。現役女子学生がオリンピックで金メダルを獲るのは早稲田大学では初めてで、夏のオリンピックでは卒業生も含めて女性では初めての金メダルとなります。試合中も常に明るい表情で、我々に勇気を元気を与えてくれました。早稲田大学の誇りと感じます」などと須崎選手を称えました。
須崎選手は「初めてのオリンピック出場でしたが、楽しみという気持ちのほうが強かったです。どうしたら勝てるのか、何をしたら正解なのか分からなくて思い悩んだ時期もあったのですが、自分が今までやってきたことを信じて、練習してきたことを出し切り、絶対に勝つという信念を持って試合に臨むことができました」と答えました。
マスクを二重で着用し、マットの上で行われた懇談会では、須崎選手が本番直前のオリンピック合宿中でもオンライン授業に参加していたことや、セカンドキャリアも考えて勉強をしていることなどのエピソードが語られ、須崎選手は「早稲田に入ったからには文武両道で勉強も頑張りたいと思ってやってきました。早稲田大学はしっかりと勉強しないと単位がもらえないので、自分に甘えることなく知識もつけられます。早稲田に来てよかったなと思います」などと話していました。
父・康弘さん、姉・麻衣さんの名札が見守る“道場”で磨いた技
父・康弘さん、姉・麻衣さんもレスリング部出身であり、親子3名の名札が掲げられているレスリング場。須崎さんは「早稲田のこのレスリング道場で試合の対策を練って、この道場で教わった技を出し切れたので、早稲田らしいレスリングができたかなと思います」と語り、駆けつけた父・康弘さんと共に「闘魂 八田一朗」の題字を背に記念撮影をしていました。
後輩に伝えたいこととして「諦めなければ夢は叶うということを、今回のオリンピックで感じました。一度は夢が絶たれかけて厳しい状況になりましたが、周りの方々に支えられて、少しの可能性を信じたこととが金につながりました」と話した須崎選手。「友人や先輩、レスリング部の部員も試合前にメッセージを送ってくれました。無観客だったので、今まで以上に一つ一つのメッセージが心に響いて、すごく力になりました」などと、感謝の言葉を幾度となく語っていました。
「フレー、フレー、須崎」と応援部のエールを受けた須崎選手は、すでに本格的なトレーニングを再開。「卒業後もレスリングを続けます。一つ一つ目標を掲げて達成していく中で、3年後のパリオリンピックで金メダルを獲得できるようにまた頑張っていきたいと思います」とさらなる活躍を誓いました。
平山部長「あのような勝ちっぷり、オリンピックでは見られない」
「大怪我やコロナ禍、オリンピック代表がかかった試合での敗退など大変な思いを乗り越えられた。オリンピックではこれまで接戦だった相手にも圧勝でした。大変だった2年間ですごい力をつけ、それを遺憾なく発揮したということが伝わってきて感激しました。あのような勝ちっぷりは、オリンピックで見られるものではないと思いました」
佐藤監督「女子レスリング界の最高傑作では」
「オリンピックでの圧倒的な勝ち方、女子レスリング界の中でも最高傑作ではないかと思っています。これは練習の賜物で、まぐれでもなんでもありません。4月のオリンピック予選から続いている勝ち方で、本番での金メダルにつながりました。すでに後期の練習も始まっています。部員と一緒に練習し、次の試合に向けてトレーニングに励んでいます。また頑張っていきましょう」