Athletic Center早稲田大学 競技スポーツセンター

News

ニュース

レスリング部・須崎優衣、圧巻の「金」 早稲田の誇り胸に五輪で悲願達成

金を決めて、日の丸を掲げる須崎選手(共同通信)

レスリング女子50キロ級 早大女子選手として夏の五輪、初の金メダル

東京オリンピック2020 2021.08.07 千葉・幕張メッセAホール

東京オリンピックはレスリング女子50キロ級の決勝が行われ、早稲田大学レスリング部の須崎優衣選手(スポーツ科学部4年)が10-0でスン・ヤナン選手(中国)を破り、金メダルを獲得しました。

早稲田大学の現役学生・校友(OB・OG)含めて、女子選手が夏のオリンピックで金メダルを獲得したのは初めてとなります。早稲田出身のレスリング選手としては1968年メキシコ・オリンピックの上武洋次郎氏以来の金メダルとなりました。

須崎選手、「絶対に金」へ気迫の表情(共同通信)

10−0のテクニカルフォール勝ち、1分36秒の電光石火で決着を付けました。1回戦から1ポイントも失わない、合計得点41−0の完勝劇でした。

コロナ対策による無観客試合のため、応援する家族の姿はなかったものの、会場に設置されたモニターには家族の姿が見えました。「絶対に金」と誓った通りの結果を達成した須崎選手は、モニター越しにいる家族に手を振って喜びを伝えました。画面では共に早大レスリング部出身の父・康弘さんと姉・麻衣さん、そして母・和代さんら家族が満面の笑顔で答えていました。

「本当に今の自分があるのは、自分に関わってくれた全ての人のおかげ。感謝の気持ちで一杯です」と第一声を伝えた須崎選手は「本当にもう、夢みたいです。泣き止んで、表彰式では最高の笑顔を見てもらえるように準備しておきます」と話し、笑顔で試合を締めくくりました。

須崎「また次も頑張りたいなと、強く思いました」

「ここまでずっと私の可能性を信じて支えてくれて家族とか友達、仲間たちに金メダルを見せることができて幸せでした。金メダルは夢みたいです。まだ実感はわかないです。(メダルプレゼンターの)伊調さんからはまた次もその次も頑張ってね、と声をかけていただきました。また次も頑張りたいとなと、強く思いました。開会式に旗手として参加させていただいて、閉会式のときも笑顔で出られるように頑張ろうと決めたので、笑顔で出られることが本当に嬉しく思います。たくさんの方々の応援がすごく力になって、その力で頑張ることができました。本当にありがとうございました」

田中愛治総長祝辞「早稲田の誇り、見事に体現」

須崎優衣選手の東京大会での金メダル獲得を心よりお祝い申し上げます。 

オリンピック初出場となった今大会ですが、国内選考会で敗れて出場可能性が途絶えかけたという、絶体絶命の状態から這い上がっての金メダル獲得となりました。どんなときも決して諦めないという不屈の精神で夢を掴んだ須崎選手は、早稲田関係者・早稲田ファンを大いに沸かせてくれただけでなく、世界中の若者に大きな感動を与えてくれました。

お父様もお姉様も早稲田大学レスリング部出身とのことで、幼い頃から培ってきた「早稲田の誇り」を惜しみない努力で見事に体現してくれました。今後のますますのご活躍を期待しています。 

早稲田大学総長 田中愛治

須崎時代の幕開け 「ライジングスター」世界最高峰の頂点に立つ

スン・ヤナン選手をTフォールで下して歓喜する須崎選手(共同通信)

「JAPAN’S RISING STAR」。UWW(世界レスリング連合)がそう評価した須崎優衣が、ついにレスリングの世界最高峰を登りきりました。1回戦から見せた圧巻の強さ。攻めも守りを冴え渡ったすきのないレスリングは、女子50キロ級における“須崎時代”の到来を予感させました。

2019年7月、須崎選手は「みんな応援してくれていたのに、オリンピックに行けなくなっちゃいました」と大粒の涙をこぼしました。靭帯断裂の大怪我を乗り越えて挑んだレスリング世界選手権代表選考プレーオフで入江ゆき選手(自衛隊)に敗北。五輪代表を決める世界選手権出場の道が閉ざされたためでした。母・和代さんからは「よく頑張ったね。優衣のおかげですてきな経験をたくさんさせてもらったよ。ありがとう」と中学2年から親元を離れて頑張ってきたことを労われ、再び涙が溢れました。

しかし、同じ早大レスリング部の姉・麻衣さんからは「「可能性としては0.1%ぐらいしかないかもしれないけど、その0.1%を信じて準備していこう」と言われ、「お姉ちゃんがそう信じてくれるのであれば、私もその可能性を信じてちょっとずつ頑張っていくね」と答えました。家族や友達、レスリング部員、吉村祥子コーチからも励まされ「ここでは終われない」と、再び前を向いて練習を始めました。

入江選手が世界選手権でメダルを取れば五輪出場の可能性はなくなるはずでしたが、結果は入江選手の準々決勝敗退。再び可能性が生まれ、2021年4月の五輪アジア予選で五輪代表を勝ち取りました。

初めて臨んだ五輪。早大レスリング部の佐藤吏監督は入江選手に敗れてから2年間の成長に手応えを感じていました。困難を克服したメンタル面、鍛え抜いた類稀な体幹の強さ。五輪の頂上決戦でも遺憾なく発揮され、見事に金メダルに輝きました。

金メダルのプレゼンターとなった伊調馨さんは五輪4連覇を達成。「また次も、その次も頑張ってと声をかけられました」という須崎選手は、「また次もがんばりたいと強く思いました」と答えました。

表彰式で笑顔を見せる須崎選手(共同通信)

早大レスリング部・平山廉部長(国際学術院教授)

「正直なところ須崎選手がここまで強いとは思いませんでした。4試合全てがテクニカルフォール勝ち、ポイント合計41−0というのはレスリング史上に残る圧倒的な勝利ではないでしょうか? 織田幹雄先生もびっくりされていることでしょう。須崎選手は今が伸び盛りでさらに強くなるのではないかと期待しています」

早大レスリング部・佐藤吏監督

「完璧な試合内容でした。しっかり得点能力を上げた練習の成果が出せました。金メダル確実と試合前から言われた中で本人もプレッシャーがかかっていましたが、それをしっかり受け止めて期待以上の内容で応えてくれました。本当に嬉しく、誇りに感じます。これもオリンピックが開催されなければ成し得ませんでした。コロナ禍で開催にご尽力いただいた皆様に感謝いたします」

出場選手・競技結果

▽女子50キロ級 須崎優衣(スポーツ科学部4年・早大レスリング部)金メダル

決勝 ○ 10 – 0 ● スン・ヤナン(中国)

略歴

すさき・ゆい。千葉県出身。安部学院高等学校卒業。中学2年の時に親元を離れて全寮制のJOCエリートアカデミーでレスリングの英才教育を受けた。2017年・2018年、レスリング世界選手権連覇。2018年・2019年、全日本選抜選手権連覇。2019年、全日本選手権優勝。これまで外国勢との対戦では負けなし。

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/athletic/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる