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WAPボランティア・地域貢献活動プログラム 柔道部がブラインド柔道体験と合同稽古を行いました(6/27)

柔道部は、パラリンピアンであり実業家でもある初瀬勇輔氏をお迎えし、講演会ならびにアイマスクを着用してのブラインド柔道体験と合同稽古を行いました。

ブラインド柔道体験

◆開催日

2018年6月27日(水)

◆会場

早稲田大学17号館1階柔道場

◆主催者

早稲田大学柔道部

初瀬勇輔氏のプロフィール

1980年、長崎県生まれ。青雲学園中学校・高等学校を卒業し、中央大学法学部へご入学。浪人中に緑内障が発症し、弁護士を目指していた大学2年のときに両目の視野を大きく失う。「死にたいほどの喪失感」に襲われたが、高校時代に打ち込んでいた柔道を再開することで生きる希望を見出す。大学卒業後、障害者の就職支援の仕事を始めることを決意し2011年に株式会社ユニバーサルスタイルを設立。競技においては、2008年北京パラリンピックへ出場。国内大会においても全日本視覚障害者柔道大会90kg級7連覇、翌年には81kg級に階級を下げ2連覇を達成。現在、2020東京大会への出場を目指している。

活動報告

この活動に参加した柔道部主務の赤岩滉太さん(スポーツ科学部4年)は、以下のように語っています。

「今回の経験を通じて感じたことは大きく2つあります。1つ目は、視力を失った状態で柔道を行うことの難しさです。当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、相手の動きや表情、体格がわからない中で相手に技をかけること、相手の技をいなすことは私たち柔道家にとっても非常に至難の技です。目が見えない以上、他の五感を研ぎ澄ます必要があります。相手のちょっとした力加減の変化や気配とその些細な音を感じ取り次の動きを考えなくてはなりません。いつも私たちがいかに「視覚」を頼りに柔道をしているか、またブラインド柔道へ精通することによって大きな成果を挙げることができるのではないかと感じさせられました。部員からもアイマスクを日頃の練習に取り入れるべきとの声も上がり、学びある体験となりました。

そして2つ目は、日頃私たちが何不自由なく送っている生活がいかに恵まれたことであるのかということです。私たちにとって目が見えることは、余りにも当たり前のことで考えてみる機会がありません。しかし、ふと視力を失ったことと仮定してみると、想像を絶する恐怖感と絶望感に襲われるのではないでしょうか。同じ様に、初瀬様も視力を失った時は絶望を感じ、死を考えたことさえあるとおっしゃっていました。ですが、「もし視力が回復するとしたら手術を受けますか」という質問に対し、「逆に視力を失わなかった人生をもう一度やり直すほうが怖いですね、今の人生に満足しています」と最後におっしゃっていたのがとても印象に残っています。この境地に達するまでに初瀬様がどれほど苦しみ、理不尽な社会と戦いながら血の滲む努力をしてきたのか、私たちにはわかりません。しかし、どんな逆境にも立ち向かい、日々の弛まぬ努力で未来を切り開いたその精神力と忍耐力には、同じ柔道家としてだけでなく、「人」として心から尊敬の念を抱きました。

2020年には世界中の人々が熱狂する4年に1度のスポーツの祭典、オリンピック・パラリンピックが東京で開催されます。普段なかなか馴染みのない方でも、テレビを通じてスポーツに親しむ絶好の機会になることは間違いありません。同時に、障がい者スポーツについて知ってもらう、また私たちが障がい者スポーツについて学ぶチャンスでもあります。日頃テレビで放送されることの少ない障がい者スポーツの面白さであったり、選手がこの舞台へ辿り着くまでのサクセスストーリーと、その背景に隠された苦悩との戦い。また、障がい者スポーツを取り巻く環境や社会からの評価など、様々なことについて深く考えを巡らせてみたいと思います。

今回の交流を通じて、私たち自身もスポーツに対する見方、考え方が変わる大きなきっかけとなりました。たとえ大学の講義で耳にしていた事であっても百聞は一見に如かず。実際に体験してみることでしか気づくことのできない、感じることのできない事が沢山あることを痛感しました。今後もこのような人との出会いを大切にしていきたいと思うと共に、柔道を続けていて良かったと部員全員が実感したことと思います。今回は柔道という共通項が私たちと初瀬様の架け橋となってくれました。柔道家であるからこそ、出会える人、繋がれる人がいます。これこそが「スポーツの力」だと私は信じています。これからも柔道はもちろんのこと、スポーツに携わる中で一つでも多くのことを学び成長して行きたいと考えています」

早稲田アスリートプログラム

早稲田アスリートプログラムでは、体育各部部員が早稲田大学体育各部の部員としての自覚を持って社会貢献活動に積極的に取り組みます。早稲田スポーツを支えてくれる人・地域への感謝の気持ちを持ってボランティア活動を行います。

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