7月16日(土)、第16回コーチサミットを戸山キャンパスにて開催しました。
第一部
『社会で求められる人間力』
講師:千田健一氏(宮城県気仙沼向洋高校校長、1980年モスクワオリンピック・フェンシング日本代表)
千田氏は気仙沼市出身。はじめに東日本大震災発生当時の様子や震災から5年経過した被災地の現在の状況、人口流出に歯止めがからなくなっている厳しい現実や震災格差の広がり等についてお話しいたださきました。その後、先生が現役時代にモスクワオリンピックの日本代表に選ばれながらも、ソ連軍のアフガニスタン侵攻に対する抗議として西側諸国がオリンピックをボイコットして参加のチャンスを失った時の複雑な心境、故郷で教員になるために現役から引退せざるを得なかった当時の心の葛藤も伺いました。その後、気仙沼に戻り、指導者として県立高校のフェンシング部を何度も日本一の栄誉を掴み取る名門チームに育て上げながら、数々の文武両道の生徒と二人のオリンピック選手を育て上げました。2012年に開催されたロンドンオリンピックで、見事にフェンシング団体戦で見事に銀メダルを獲得された日本代表メンバーの1人である千田健太選手は、千田先生のご長男です。また、最後には校長という大学へ生徒を送り出す立場として、本学指導者に向けて期待する熱きメッセージを語っていただきました。
第二部
第二部ではケーススタディイとして、昨年4月に本学バスケットボール部の監督に着任した財前監督(外資系生命保険)から、わずか就任1年で2部リーグから1部リーグに引き上げたプロセスに関する話を伺いました。部員たちが部に在籍していることの価値としての3つのバリュー「規律」「自主性」「徹底」と、7つのゴールドスタンダートとして「責任」「敬意」「情熱」「貪欲」「団結」「誇り」を策定し、メンター制を導入してコミュニケーション力を大幅にアップ。レギュラー選手を固定せずに適正な競争原理を導入し、各自の役割分担とコーチへの権限委譲を図りながら、必ず達成すべき明確な目標設定を行いながら、競技力と人間性の向上に邁進されている状況を語っていただきました。
コーチサミットとは
早稲田大学競技スポーツセンターでは、2009年3月より体育各部の指導者を一堂に会して「早稲田大学コーチサミット」を毎年2回(2、7月)開催しています。
本学体育各部44部の監督、コーチ並びに学生コーチなどを対象として、身体的技能(スポーツテクニック)、栄養学、スポーツマネジメント、メンタルケア・メンタルトレーニング、アンチ・ドーピングなど競技スポーツ環境を得取り巻く様々な情報を取り上げて学内外の講師によるセミナーをはじめ、体育各部の指導者によるケーススタディを行い、各部に共通する課題や情報共有を積極的に行っています。