佐々紫苑(スポ3=神奈川・日女大付)
――昨年も優勝された大会でしたが、どのようなお気持ちで臨まれましたか
今年でコンビを組んで四年目となる瑞龍と、後味よく試合を終えたいという思いが強かったです。いつも瑞龍とのヤングは、私が瑞龍の能力を殺してしまって後味の悪い思いばかりだったので…。
――昨年優勝したトイボーイIIIではなく瑞龍での出場でした。理由などあればお聞かせください
トイは、コーチの馬で、去年は勉強のために乗せていただいた馬でした。瑞龍は私の馬なので、今年は瑞龍だけで挑みました。
――試合に臨む上で何か意識されたことはありますか
馬とのコミュニケーションを大切に、ケアに気を配り、練習の成果を存分に発揮できるようにと思い挑みました。
――初日は不安定な天候でしたが、そのなかでの馬場を振り返っていかがですか
初めてドローをして順番を決めて、まさかのラストになったので、びっくりしていました。笑 天候は、雨こそ止んでいましたが馬場のコンディションが悪く、動きが悪くなってしまったところがありましたが、瑞龍はよく頑張ってくれました。
――惜しくも馬場では出遅れたかたちとなりましたが、クロスカントリーでは減点なしの走行でした。振り返っていかがですか
馬場で全然点が伸びず、史上最悪の%だったので、けっこう落ち込んでいました(笑)ですが逆に切り替えて、絶対にゼロでこようと強く思えました。ヤングの野外はいつもタイム減点がついてしまって、ゼロできたことがなかったので、とても嬉しかったです。
――最後の障害では、1落下も許されない状況となりましたが、プレッシャーなどはありましたか。何か意識したこと等ありましたら教えてください
自分でも意外でしたが、そんなに緊張しなかったです。いやもちろん、緊張はしたのですが、適度な緊張で、ガチガチになることはありませんでした。コースを下見して、あ、いけるなと思い、練習馬場での瑞龍の調子も最高で、自信がありました。ヤングの余力を、いけるなと思えて挑めたのは初でした。この一年間たくさんの方に支えていただいて積み重ねることができた経験と練習のおかげだと思います。ひたすらリズムのことだけ考えていました。
< p>――障害を減点なしで走り終えた後、涙ぐむ姿が印象的でした。どのようなお気持ちだったのでしょうか
どちらかというと、去年はゴールしてすぐ泣いてしまっていましたが、今年はまずガッツポーズが出ました(笑)初日5位スタートで、まさか勝てるとは思わなかったので、諦めなくてよかった、本当に勝ったのかな?とフワフワした気持ちです。とにかく減点0が嬉しくて、瑞龍が助けてくれたことが嬉しくて、周りの方々への感謝の気持ちが溢れ出てきていました。
―東京オリンピックを目指されていると伺いましたが、今大会での収穫や見つかった課題などあれば教えてください
気持ちのもちようでこんなにも乗り方が変わるということ。それをはっきりと学びました。今までもわかっていたつもりでしたが、まだまだわかっていなかった。私が緊張して思考が狭くなるせいでダメになることがほとんどなので、もっと余裕のある人間になりたいです。
――最後に、今後への抱負をお願いします
今後も、瑞龍とともにステップアップして、ワンスターなどにも挑戦していけたらと思っています。頑張ります。応援して頂いた皆さま、本当にありがとうございました。