競技スポーツセンターは、早稲田アスリートプログラム(WAP)のボランティア・地域貢献活動プログラムの一環として「希望の車いす」の活動を部員に広報しました。11月10日(火)の活動には、弓道部4名、自動車部1名が参加しました。
「希望の車いす」とは?
世界中に車いすを必要としている人々は約2,000万人いると言われています。そのほとんどの人々は経済的理由で車いすを購入することができません。一方、日本には使われなくなった車いすがたくさんあります。これらの車いすを無償で提供いただき、丁寧に整備して修理を行い、主に東南アジアの人々に無償で送り届けるとともに「希望」も届ける活動を行っています。
開催日:毎週火曜日
午前の部:10:00~12:00
午後の部:13:00~15:00
会場:聖書キリスト教会5階
東京都練馬区豊玉北1-12-3
(西武池袋線「江古田駅」から徒歩8分、大江戸線「新江古田駅」より徒歩4分)
主催:NPO法人「希望の車いす」
活動報告
午前の部には、2名の弓道部員、1名の自動車部員が参加しました。オリエンテーションの後、2つのグループに分かれてベテランボランティアの方々の指示に従い、やすりとクリーナーを使って車いすの本体やタイヤ、スポークなどの「さび」「汚れ」が消え去るように、丁寧に磨きあげる作業を行いました。
この日は、カンボジアへ車いすを届けてきたばかりの当NPOの谷理事長が空港から直行して活動場所に戻られ、写真を使いながら現地での活動を報告して下さいました。今回、理事長は「希望の車いす」に参加するボランティア有志の方々と共にアンコールワット遺跡がある都市シェムリアップと、タイと国境を接して周辺が地雷原になっているタサエン地区を訪問してきました。シェムリアップでは受け入れパートナーである地元の教会関係者の尽力で集められた「車いすを必要としている方々」との交流会が開催されました。地雷で脚を失った方々、交通事故で脚に金属のインプラントを入れている学生、生まれながらの病気で全く歩くことのできない子どもなど、10名の方々に車いすが直接届けられました。タサエン地区では、カンボジア地域に移住して活動されている高山氏(NPO国際地雷処理・地域振興支援の会 理事長)を訪ね、地域のご婦人と子どもに車いすを届けました。高山氏は、陸上自衛隊に36年間所属し、1992年にはカンボジアPKOに自衛官として参加。退官後、カンポジアに移住して、地雷処理事業を事業化して地域の方々を雇用。さらに日本企業を誘致して多数の方々の雇用促進を図りながら、日本語学校の建設・開校にも貢献されています。谷理事長は、今後は高山氏とも連携してタサエン地区にも届けていきたいと語っておられました。
午後の部には、別の弓道部員2名が参加しました。ボランティアリーダーの渡辺さんからオリエンテーションを受け、午前中に参加した部員たちの仕事を引き継ぎました。車いすの大きな車輪のスポークを金属やすりとクリーナー、タイヤをたわし、タオルとクリーナーを使ってピカピカに磨き上げました。作業を行いながら、磨いたところが目に見えてきれいになっていくので、部員たちは達成感を十分に感じることができたようです。
参加した弓道部、古澤 俊紀選手(文化構想学部2年)は、「今まで『ボランティア』という言葉を聞いて、何となく良いことだと思いながらも具体的な行動はほとんどしてきませんでした。今回、実際に車いすの修理をしたり、谷理事長のお話をお聞きできたことで、世界、特に発展途上国の置かれている状況に向き合うことができました。体が不自由であるのに貧しくて車いすを手に入れられない人々に車いすをプレゼントするのは、とても素晴らしいことだと思います。しかし、貧しい人が絶えない現実、供給が間に合わない現実もあります。貧困の脱却には現地の人々自身の成長こそ必要だと思います。それには、教育制度、機関の整備拡充が不可欠です。自分は大学で教職課程を履修していて教育に関して考える機会が多くあります。自分に今何が出来るのか、何をすべきなのか、今回のボランティア活動を通じて考えることができました」と語っていました。
WAP ボランティア・地域貢献活動プログラム
早稲田アスリートプログラムでは、体育各部部員は、早稲田大学体育各部の部員としての自負を持って社会貢献活動に積極的に取り組みます。早稲田スポーツを支えてくれる人・地域への感謝の気持ちを持ってボランティア活動を行います。