早稲田アスリートプログラム(WAP)のボランティア・地域貢献活動プログラムの一環として、早稲田大学フェンシング部部員6名は、気仙沼高校・気仙沼西高校の両校フェンシング部と合同練習を行いました。大変充実した交流会となりました。
気仙沼高校フェンシング部について
気仙沼高校フェンシング部は、東京オリンピック代表の大和田智子選手、モスクワオリンピック代表(日本はボイコットのため大会には不参加)の千田健一選手、アテネ・北京・ロンドンオリンピック代表の菅原千恵子選手、北京・ロンドンオリンピック代表の千田健太選手を始め、数々の名選手を輩出してきた名門クラブです。今年度のインターハイも男女そろって出場が決定しています。
活動報告
最初に、津江碧主将(スポーツ科学部4年)はじめ部員一同が、気仙沼高校の内海先生、池田コーチ、千田コーチ(千田健太選手の実弟)、気仙沼西高校の村上先生、村上コーチ(村上先生のご主人・世界選手権の元日本代表)、今回の交流についてあいさつとお礼を申し上げました。部員たちも夜行バスにて仙台経由で午前10時に気仙沼に到着しましたが、熱気あふれる高校生たちと、錚々たる指導者の皆様に大歓迎で出迎えていただき、眠気と疲れもあっという間に吹っ飛んだようです。
開会にあたり、部員一人ひとりが自己紹介をした後、高校生たちが普段行っている準備体操に合流し、アイスブレイクとして、サッカーのミニゲームを行いました。
その後、男女チームに分かれて合同練習を行いました。それぞれの種目に分かれて個人別レッスンを行いましたが、さすがに高校生のレベルも高く、各自が抱えている課題も的確に投げかけてくれたため、部員たちも一人ひとりに対して丁寧に指導できました。翌日は、大学生も交え3つのチームに分けて試合形式の練習を行い、学校対抗による総当戦を行いました。高校生にとっては団体戦を戦う機会があまり多くないため、個人戦と団体戦の戦い方の違いやチームの盛り上げ方なども指導し、非常にかけがえのない経験をさせていただきました。
2日間の交流を通じて、部員たちは夕食時や移動中の車の中で、先生方とコーチの方々から震災当時の状況を教えていただきました。ご自宅が川沿いであったために津波で全壊してしまったこと、津波が引いた街におりてみた光景が想像を絶するものであったこと、避難所の設営や対応に追われた被災者の方々も皆、混乱の中で言葉では表現できないようなご苦労をされてこられたことなど、東京では全く気付くことができなかった衝撃的なお話を伺いました。また、交流した高校生の中には、現在でも仮設住宅から通学している生徒たちがいることも教えていただきました。
竹田陸人選手(社会科学部1年)は、「現地へボランティアに行った私たちに今後できることは、これからも気仙沼の高校生にフェンシング指導を継続すると共に、東京において震災の恐さや被災地の方々の声を風化させず、周囲の方々に伝えていくこと。あの痛ましい被害を二度と生まぬよう、語り継ぐことが必要だ」と語っています。
また、尾上千尋選手(創造理工学部4年)は、「この2日間、本当にたくさんの方々に良くしていただき、良い経験をさせていただいた。合同練習を実現させていただいただけでなく、震災当時、その後の復興、これからの復興のことを知り、学びました。たくさんの方の優しさに触れ、強さに触れ、短い時間ではあったが、多くを得ることができた。私たちはその分を合同練習という形で高校生たちに貢献できたのであろうか?今後控えているインターハイに向けて、少しでも高校生の力になれていたのであれば嬉しい。引き続き気仙沼高校、気仙沼西高校の選手たちを応援していきたい」とコメントしています。
WAP ボランティア・地域貢献活動プログラム
早稲田アスリートプログラムでは、体育各部部員は、早稲田大学体育各部の部員としての自負を持って社会貢献活動に積極的に取り組みます。早稲田スポーツを支えてくれる人・地域への感謝の気持ちを持ってボランティア活動を行います。