先進経済においては、高齢化が進む一方で、資産分配や所得分配上の世代間の偏りが発生してきている。年齢層によるリスク回避行動の違いを理解するために、株式投資信託を取り上げ、世代間でこの金融商品に対する需要の違いが存在するのかを、先進国を中心とする21か国のデータを使用して検証した結果を報告していただく。
退職後の60歳代は若い世代と比べ、通常であれば、投資リスクを回避する傾向があると考えられてきた。つまり、資産を運用する際には、他の金融商品よりはリスクが高い株式投資信託の購入を避ける傾向が存在すると考えられてきたが、この研究によると、その仮説は必ずしも成り立っていないことが確認された。その理由を含め、世代間のリスク回避行動の違いを規定する要因、また地域間で存在するリスク回避行動の違いについて議論する機会としたい。
- 日時:2017年6月5日(月) 10:40~12:10
- 場所:早稲田大学早稲田キャンパス10号館107室
- 招聘者:Prof. Kim, Sei-Wan,
Department of Economics, Ewha Womens University, Korea - 世話人:弦間 正彦(早稲田大学社会科学総合学術院教授)
- 共催:先端社会科学研究所・日米研究所・地域間研究所
- お問い合わせ:先端社会科学研究所