カーボンニュートラル社会の実現を迫られるようになった背景―UNFCCCの交渉経緯を踏まえてー |
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○講演概要国連では1980年代後半から地球規模での環境問題が論じられるようになり、1987年に環境と開発に関する世界委員会報告書において気候変動の管理問題が取り上げられ、1992年にリオの環境サミットで気候変動枠組み条約(UNFCCC)が採択された。UNFCCCでは平等ではなく公平性の概念が前面に打ち出され、京都議定書(1997)では工業国のみが温室効果ガス(GHG)削減目標を課せられた。その後の途上国での経済発展、人口増加、世界のGHG排出量の急増により、パリ協定(2015)では全ての国が削減目標を設定する合意へと進む。この交渉の過程でグローバルガバナンス委員会(1992)、人間の安全保障委員会(2002)、MDGs(2000)、SDGs(2015)など、人権問題や貧富の格差解消を目指す動きが、気候変動交渉と密接な関係を持つようになる。UNFCCCの交渉はIPCCから出される報告書がベースになるが、第5次評価報告書(2013)では2100年までの気温上昇を産業革命時から2℃上昇の範囲に収めるには、100年後に炭素の排出量をネットゼロとする必要があるとされた。2021年の第6次評価報告書では2100年に1.5℃以下に抑えるには、2050年代にネットゼロにする必要があるとされ、にわかにカーボンニュートラル社会の実現を、各国が迫られるようになった。講演ではこうした経緯を紹介する。※本セミナーは終了いたしました。講演の要旨、報告資料はこちらです |
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○講演者および略歴 |
天野正博(早稲田大学 名誉教授、地球環境戦略研究機関(IGES)シニアフェロー)1970年 名古屋大学農学部林学科卒業1972年 名古屋大学農学研究科修士課程修了1972年 農水省林業試験場2003年 早稲田大学人間科学部教授2017年 早稲田大学名誉教授IGESシニアフェロー |
○開催日時 |
5月6日(金曜日)14:45~16:15
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○開催場所 |
オンライン |
○参加申込先 |
参加をご希望の方は、<事前登録フォーム>からご登録ください(事前登録締切 5月5日) |
○対象 |
学生・教職員・研究グループメンバー・一般 |
○主催 |
早稲田大学先端社会科学研究所 |
○共催 |
早稲田大学環境経済・経営研究所 、早稲田大学高等研究所、早稲田大学スマート社会技術融合研究機構 |
○お問合せ先 |
先端社会科学研究所事務局([email protected]) |