2015年11月13日撮影
11月13日(金)、環境・エネルギー研究科・友成研究室にお邪魔し、ゼミの様子を取材させていただきましたので、その様子をお伝えします。
本庄キャンパス研究棟の廊下を進むと、一室から華やかな笑い声が響いてきました。楽しい雰囲気が研究室の外まで伝わってきます。
この日、友成研には多くのゼミ生が集まり、「読後会」を開いていました。
読後会とは、先生の推薦する図書の中から自分の好きな本を選び、一人がその本を読んで感じたことをレジュメにして発表、それをもとに全員で討論を行う、という趣旨の会です。
この日の担当の岡島正弥さん(修士1年)が選んだ本は、『関係する女 所有する男』(斎藤環・著/講談社現代新書)です。
一見、環境・エネルギー分野とはかけ離れた内容に思われますが、友成先生の説明を聞いて納得しました。
「環境・エネルギー問題の奥底にあるのは、実は人間の深い部分で繋がっています。その人間の深い部分を知ることで見えてくる世界や考え方が、今日の環境エネルギー問題の解決に繋がっていくのです」。
ディスカッションは、男女の恋愛問題から、父と息子、母と娘といった親子の関係性についてなど、途切れることなく続き、学生が自由に自分の意見を述べていきます。そして最終的には、人間が持つ所有欲、特に狩猟時代から男性的傾向性が強く持つ支配欲が、地球の環境破壊や国際的紛争へと繋がってきたのではないか、という点にまで議論が及びました。
ゼミ生一人一人が自由に発言し、環境・エネルギー問題についてさまざまな視点から考え議論する読後会は、聞いているだけではなく、思わず参加したくなるような魅力のある会でした。
ゼミ終了後は、環境・エネルギー学演習Bで修士1年生が田植えをし、10月に刈り取った稲のお米を炊いての「新米パーティ」が開かれました。近くのスーパーで買いだした惣菜を並べ、友成先生も含め全員で食事の支度です。
友成研究室は環境・エネルギー研究科の中でも文系理系問わず、環境・エネルギーに興味のある学生が他大学からも集まってきます。
後藤駿介さん(修士2年)の研究テーマは「みちのく潮風トレイルの東北復興に向けた活用方法」。東北の被災地で行っているエコツーリズムの研究で、ヒアリング調査等で東北地方を訪れることが多いそうです。
また、この日、発表の担当だった岡島正弥さん(修士1年)の研究テーマは「コメのバイオ燃料化による地域再生の研究」。環境・エネルギー学演習Bの田植えや稲刈りの実体験も、研究に繋がっています。
また、談心さん(修士1年)の研究テーマは「企業の環境経営におけるCSV(共通価値の創造)の意義に関する研究」で、日本と中国の企業比較を行っています。
このように研究テーマも様々な友成研究室ですが、ここでは学生一人一人が文系理系に捉われることなく、学際的に自分の関心あるテーマで研究を深めていくことができます。
最後に、友成研はどんな研究室ですか、との質問をしたところ、学生の第一声は「楽しい」でした。
文理融合の仲間と積極的に討論しあうことにより、そこから新しい発見や刺激を受け、視野を広げていく様子は、この日の取材の中でも十分に伝わってきました。
新しい可能性を常に見出していく、そんな魅力あふれる研究室でした。
友成研究室の皆さん、取材ご協力ありがとうございました。