司法試験はロースクール入学時から始まっています!
村上 亜喜央[2年短縮課程]
- 2010年
- 早稲田大学法学部卒業
早稲田大学大学院法務研究科入学[2年短縮課程] - 2012年
- 法務研究科修了/司法試験合格/新66期司法修習生
- 現在
- 弁護士登録/山崎法律事務所に勤務
ご自身の就職活動を振り返り、その流れについて教えてください。
就職活動を意識し始めたのはロースクール入学直後からです。大手の法律事務所への就職を選択肢に入れた場合、法科大学院の2年,3年の夏に各法律事務所が独自に行っているインターン(業界ではサマー・クラークやサマー・アソシエイトと呼ばれるものです)に参加しておく方が有利だと言われています。インターンの募集は当該年の4,5月頃です。私は既修入学であったため、入学直後に募集手続の流れに乗らなければならなかったということもあり、必然的に入学直後から就職活動を意識することになりました。
いわゆる履歴書を出す就職活動を始めたのは、司法試験受験直後です。大手法律事務所を5か所ほど受けました。司法試験直後の6月に内定が出たのはインターンに行った2つの事務所のみです。残り3事務所のうち2事務所は書類で落ち、1事務所は2次面接で落ちました。2次面接は私が失敗したという感覚があるので仕方がないことですが、書類で落ちた2事務所については、インターンに参加していなかったことが障害になったのかもしれません。
司法試験直後の6月は、その他にも3事務所ほど、場馴れのために就職活動をしました。7,8月は休憩をしていましたが、司法試験結果発表直後から、再度就職活動に注力して、15事務所ほど応募しました。結果、1,2か所の事務所の最終面接まで進みました。現在の事務所から内定が出たのは、司法修習開始後2か月程度たった頃です。
就職情報はどうやって収集されていましたか。
私は、日弁連ひまわり求人求職ナビ、ジュリナビ、アットリーガル等のキャリア支援サイトに登録していました。特に、司法試験結果が出る前までは、ジュリナビを見ていました。司法試験結果発表後はひまわり求人求職ナビを見ていました。
その他、各法律事務所のホームページにしか掲載されない就職活動情報もありますので、気になる法律事務所については、適宜ホームページをチェックしていました。
あとは、同期と定期的に情報交換をすること、先輩弁護士等に相談をしてみることを地道に続けるものだと思って、コツコツ情報収集をしておりました。
就職のために、在学中に取り組んだことはありますか。
また、その取り組みが就職活動や現在の仕事にどう影響しましたか。
各法律事務所が主催するインターンには法科大学院2年次と3年次に参加しました。独自に企画してOB訪問した法律事務所もあります。また、学生承認団体『Law&Practice』の活動でも複数件の法律事務所への訪問とインタビューを行いました。
インターンは内定に直結していた可能性が十分にあります。OB訪問等は、私の場合、内定に直結することはありませんでしたが、他の法律事務所で就職活動をするときの履歴書等や面接時のネタには十分活かせたと思います。
また、在学中に、知的財産管理技能士、行政書士等の資格を取得しました。資格については、資格があったから内定が出たとは思えませんが、履歴書等や面接時のネタにはできたと思っています。
個人的には、民事・刑事のリーガルクリニックと模擬裁判、民事訴訟実務の基礎、刑事訴訟実務の基礎が司法修習においても実務でも、特に非常に役立ちました。
もっと学修しておけばよかったと感じることは、実務をしていれば山ほどありますが、学生当時を振り返ってみて、当時それらをやる余裕があったかと言われるとない気がします。学生時代にやっていることを一生懸命頑張っていればそれでいいと思います。
後輩へのアドバイスをお願いいたします。
就職活動において大事なことは、①相手の出題の趣旨に答えること、②選考から漏れても落ち込む必要がないこと、③書類は早く出すこと、この3つです。
①出題の趣旨に答えるというのは、司法試験では御存じのとおり出題の趣旨を理解して出題者及び採点者の求める答案を書きあげることが重要なのですが、就職活動では面接担当官が求める回答をすることが大事だと思います。私が大手法律事務所の2次面接でした失敗は、相手の出題の趣旨に答えない回答を1度だけ咄嗟にしてしまったことにあると思っています。答えながらアッと思った記憶は今でも鮮明です(笑)。
②選考から漏れても落ち込む必要がないというのは、就職活動は一方的に選ばれるのではなく私たちから選ぶものでもあります。選考から漏れてイチイチ落ち込んでいたのは反省すべき点でした。
③書類を早く出すというのは、たとえば履歴書の受付期間が2週間と設定されていた場合、その初日に到着するように出すということです。場合によっては、1週間経過後に出てきたというだけで選考から漏れることもあります。履歴書の準備は常に万全にしておかないといけないと思いました。